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ミャンマー、海外投資でカンボジア、ラオスと競合か

ミャンマー、カンボジア、ラオスは、現在、東南アジアにおける投資先として「潜在力を秘めた市場」となっている。だが経済調査によれば、今後は三国間で競い合う可能性もありそうだ。

ミャンマーおよびカンボジアでは観光産業と繊維産業が発展しており、どちらの産業も海外からの投資を求めて競い合っている。ミャンマーについては、大手調査会社のBusiness Monitor International(BMI)が繊維、観光、金融サービスを有望な投資分野に挙げ、「同国が『莫大な経済力』を実現するためには、『こうした改革の勢いを政府が維持できるかどうかにかかっている』」と指摘した。

カンボジアには以前から低価格市場をターゲットにした繊維産業があり、香港や台湾などの外国資本を呼び込んできた。一方、ミャンマーは政治的、経済的に孤立していたが、現在では状態も改善し、投資家も同国の繊維部門に興味を持ち始めている。

アナリストのAndrew Wood氏は、BMIが提供するポッドキャストで、2人の地域専門家に対し次のように話した。「ミャンマーではここ数年、かつて地場産業として栄えた繊維産業の立て直しが求められています。制裁措置の撤廃に伴い、ミャンマーの衣料産業には大きな可能性を感じます。しかしこの国には、インフラの整備という大きな課題があります。と言うのも、ミャンマーは今もなお深刻な電力不足を抱えており、交通網も十分に発達していない状況だからです」。さらに「この課題に対処するには、政府がこれまで以上に海外投資の誘致に取り組むことが必要だと思います。同時に、投資関連の法律を明確にし、そうした法体制を全体的に強化することも必要でしょう。東南アジア地域の発展が持続する限り、ミャンマーの繊維産業はいつでも始動可能です」と続けた。

BMIのアジア・カントリーリスク及び財務市場部部長のStuart Allsopp氏は、同ポッドキャストで次のように話した。「衣料産業の拡大については、カンボジアにも大いに可能性があります。これまで海外投資家は、カンボジアの低価格の生産市場に注目してきました。ただし、プノンペン政権が繊維部門を押し上げてバリュー・チェーンを構築しようとしています」。また「同部門には、労働者の技術レベルを向上させる教育投資が必要だと思います」とも話している。

だが、実際には、これまで繊維部門に出資してきた海外投資家の中には、投資先をカンボジアに乗り換えることや、ミャンマーでビジネスを立ち上げることを望んでいる者もいる。

英フィナンシャル・タイムズ紙は今年3月、香港の衣料メーカー12社が、Thilawa経済特別区に工場を開設するため、予備的合意書に署名したと報じた。同特別区は、現在、ヤンゴン郊外に開発中である。同紙によると、中国で事業を行う企業が「ミャンマー」で工場開設を推し進めるのは、中国における急激な賃金上昇、雇用困難、また人民元の強さにあえいでいるためだという。ここ数年、アパレルメーカーの多くが、生産の一部を中国本土からバングラデシュなどの国へ移している。カンボジアやベトナムといった東南アジア諸国もその対象だ。

だが恐らく、ミャンマー、カンボジア間で、海外投資をめぐって競合する最大の分野は観光産業だろう。ミャンマーでは、外国人観光客の数が急激に増加したことから、宿泊施設の提供に絶えず苦労している状況である。カンボジアでは、国内総生産(GDP)の25パーセントを観光産業が占めている。また今後も増加すると見られていることから、同産業が重要な役割を果たしていると Allsopp氏は言う。

海外の航空会社によるカンボジアへの直行便は特に中国からのものが多いが、現在では日本からも増えている。観光産業は「GDPの成長を押し上げる主な要因」とAllsopp氏は話す。ラオスはミャンマーというよりはむしろカンボジアのライバルとなる。なぜならば、ラオスには、水力発電の開発に海外投資を呼び込み、中国、ベトナム、タイに電力を供給するポテンシャルがあるからだ。

BMIのアナリストBeng Hui Chew氏は、次のように話す。ラオスでは、現在70のダム建設を計画している。一方、ミャンマーでは、エーヤワディー川のMyitsoneダムなど、水力発電の巨大プロジェクトをいったん開始したものの、現在は中断。ラオスでは、タイ、中国、ベトナムの出資による水力発電プロジェクトが経済成長の主な原動力となっている。またこの建設に関して、住民の反対はほとんどないようだ。

ミャンマーは、人口の増加率が高く、天然資源が豊富で、立地条件に優れているとWood氏は言う。ミャンマーへの関心は薄れてしまったかもしれないが、隣国のカンボジアやラオスにもミャンマーへの投資と同じような価値が数多く見出されているようだ。

これら三国は、事実上もしくは法律上、一党支配制を取っている。一党支配制は、体制の維持が容易で政策も明白になるが、政治過程が包括的であることがしばしば疑問視される。また、政治的混乱による海外投資の危険性も指摘されている。

これら三国は、世界経済、あるいは地域経済と比較しても、比べものにならないほど小さな存在だが、企業や投資家が成長率の高いフロンティア市場に関心を向けるにつれて、鉱業、石油・ガス、金融、繊維、観光、農業関連など、さまざまな分野にわたって将来性のある投資機会をもたらすだろう。

 

 

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最終更新:2014年05月31日12:53

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