インドシナニュース

セントラル・グループ、タイとベトナムで15億ドルの拡大計画

ビッグCの親会社であるセントラル・グループは、タイとベトナムのビジネス拡大を計画しており、今年の売上高を14%引き上げる。

タイ最大の小売業者セントラルグループは、2018年にタイとベトナムに新たに15億ドルの投資を行い、売上を14%増やす予定である。

2022年には、現在の4,70店舗からタイに7,500店舗以上を運営し、ベトナムでは750店舗を新規店舗とすることを目指している。

セントラル・グループはヨーロッパとベトナムで営業しており、今年第4四半期にはマレーシアに店舗をオープンする予定。

2017年の総収益の72%はタイから、15%はヨーロッパから、そして13%はベトナムからだった。この比率は今年も同じになると予想しているとCEOTos Chirativat氏は語った。

20164月には、カジノ・グループ(フランス)からベトナムのビッグCスーパーマーケットを105000万米ドルで買収すると発表した。さらに、この巨大企業は、家電スーパーNguyen Kim49%、ランチ・マートの49%を所有しており、ネット販売のZalora Nguyen Kimとともに所有している。

セントラル・グループの会長、Yol Phokasub氏は、デジタル・プラットフォームがセントラル・グループの業務においても重要性を増していることから、同社が今年第2四半期に中国第2のネット販売会社JD.com5億米ドル規模のコンソーシアムを設立することを明らかにした。このグループは、JD.comと協力して中国においてタイ商品を販売する予定である。



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最終更新:2018年03月14日11:37

ベトナム:Hyosung(暁星)が60億ドル投入予定

韓国の大手繊維メーカーHyosung(暁星)は211日、ベトナムを世界展開における戦略的基地とし、60億米ドルまで投資する計画であると発表した。

2007年以降、同社はホーチミン近郊ドンナイ省にスパンデックスとタイヤコードの生産工場を15億米ドルを投入し建設、操業してきた。新たな投資計画ではHyosungは繊維に加え、ベトナムで化学・重工業に進出する予定であると同社のベトナム事務所は述べた。

この計画は28日のHyosung会長とベトナムのグエン・スアン・フック首相の会談で明らかにされた。

「世界70ヶ国に輸出するHyosungは韓国企業としてはベトナム最大の投資企業であり、北部、中部、南部で様々な事業を展開している。Hyosung Vietnamは同社の世界展開における戦略的拠点である」とHyosung CorporationCho Hyun Joon会長兼CEOは述べた、とこの会合に同席した官僚は述べた。

「スパンデックスとタイヤコードのみならず、化学、重工業分野への参入も計画している」

同社のプレスリリースでは、ベトナム中部クアンナム省に新たな生産ラインの設置を検討していることを明らかにしているが、どのような分野での投資を予定しているのかについては不明である。昨年以来、同社は南部バリア・ブンタウ省でポリプロピレン製造施設、より純度の高いプロピレン生産のための脱水素化施設、液化石油ガス貯蔵タンクの建設に13億米ドルを投資している。

ベトナムで計画中の工場はHyosungの韓国のポリプロピレン製造ラインを代替するものとなる。同社は価格競争力の観点から、韓国の蔚山工場ではより高付加価値のポリプロピレンパイプの製造を計画している。

ベトナム国内での報道によると、首相はHyosung会長に対し、ベトナムの電気変圧施設への戦略的投資を持ちかけた。

電力プロジェクトにおけるHyosungの技術とノウハウで、同社はベトナムの変圧器メーカーとの関係を構築し、ベトナムが関連製品の輸出国となるまでの技術移転ができるだろうとCho会長は述べた。

Cho会長は、電子支払い、フィンテック、自動支払機(ATM)など情報技術におけるHyosungの実績についても説明した。

Cho会長がベトナム首相と面談を行うのは2016年以来2度目となる。

同社の発表によると、2000年代半ば以降、Cho会長はHyosungの中核製品の戦略的生産国としてベトナムへの進出を先頭に立って進めている。



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最終更新:2018年02月17日06:06

世界最大のアパレルメーカーはロボットによる労働力の転換にはまだ懐疑的

香港のCrystal GroupH&MGap、ファーストリテイリング、L BrandsVictoria’s Secretの親会社)などの世界的大企業の製品を製造している。調査会社Euromonitorによると、同社は生産量では世界最大のアパレルメーカーである。10月の同社の新規株式上場(IPO)は香港証券取引所で2015年以来最大であり、世間の注目を集めた。

Crystal GroupAndrew Lo CEOは、中国をはじめとする世界での人件費の上昇から、ロボットによりアパレル製品の縫製など反復的な作業を行うべく、自動化のための研究開発に投資するだろうと思われるかもしれないが、実際はそうではないと話す。Financial Timesとのインタビューに対し、Loはハイテク縫製ロボットは「興味深く」、実際ロボットによる縫製に転換する企業もあるだろうとしつつ、短期的には人間による作業にコスト面で勝つことはできないだろうと述べた。Crystal Groupはアジアでも最も人件費が安く縫製産業の発達しているバングラデシュとベトナムで、これから毎年、10%程度労働者を増やすことを計画している。現在、同社の売り上げのおよそ3分の2はバングラデシュ、ベトナム、カンボジア、スリランカで生産されている。今も縫製業で世界を主導する中国での生産コストの上昇によりこれら諸国は縫製企業にとってより魅力的な生産国となっている。

専門家らは縫製産業における自動化の影響を注意深く見守っている。縫製産業は、しばしば搾取的だったり危険だったりするものの、アジアやその他の地域で数百万の非熟練労働者にとって命綱となっている。国際労働機関(ILO)は2016年、今後数十年の間に、ロボットがインドネシアやベトナム、カンボジアの繊維、縫製、製靴労働者の大多数の職を奪うことになるだろうと警告した。こうした労働者らがより良い仕事に就くためには、政府や企業が彼らの技能を向上させるための訓練を早急に始めなければならない。少なくとも今のところ、Crystal Groupは人間の職をロボットに代行させることはない。その理由の一つとしては、他産業で使われるロボットは金属シートやプラスチックなど堅牢な素材は扱えるものの、縫製中に伸びたり歪んだりする、柔らかく伸縮性のある布地などはまだ扱えないということがある。「ロボットには柔らかい素材を扱うことは非常に難しい」とLoは話す。

この問題を解決できたと考える企業は数社しかない。Sewboでは生地を作業時は硬く、その後熱湯ですすぐと元に戻るように加工している。SoftWear Automationは機械で縫製時の生地の伸びや歪みをその場で調整できるよう、ロボット技術を活用した作業テーブルを開発した。SoftWearはこうした機械のひとつは、1時間あたり、従来の方式で作業する人間17人分に相当するTシャツを製造することができるとしている。

しかし、SoftWearPalaniswamy Rajan社長はFinancial Timesに対し、同社のロボットはバングラデシュの人件費より価格面で有利になることはないと認めた。SoftWearの技術の当初の目的は、人件費がずっと高い米国でより安価に衣類を製造することであった。輸送費や関税、納品までの時間を考慮すると、現在でも米国で生産する場合はロボットが最善の方法だとRajanは述べた。

しかし現在のところ、多くのブランドが人力で製造するアジア諸国での生産を継続することになりそうだ。



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最終更新:2018年01月06日18:52

賃金未払いの労働者達がファッションブランドに正義を要求

繊維業界では予期せぬ突然の工場閉鎖が世界中で増加傾向にあるが、債権者に対する負債よりも労働者に対する負債を優先する法的手続きを採用している国はまだ少ない。

カンボジア、トルコ、インドネシアで2012年から2016年の間に閉鎖した3工場では、労働者や活動家達による、退職金や最終賃金に対する要求が強まっている。

世界的な反対運動が来週予定されていることから、M&SNext、ユニクロなどの小売店に衣料品を以前納入していたカンボジア、トルコ、インドネシアの工場では、退職金と最終賃金に関する和解を呼びかけている。

労働権利団体のLabour Behind the Label及びClean Clothes Campaignによると、2012年から2016年にかけてカンボジアのChung Fai工場、トルコのBravo factory工場、そしてインドネシアのPT PDK工場・Jaba Garmindo工場が閉鎖し、従業員は未払い賃金や退職金を支払われることなく職を失った。

プノンペンに拠点を置くChung Faiニットウェア工場は、20166月の倒産を受け翌月に閉鎖された。

最終月の給料と法的な退職金を合わせて55万米ドルが必要であるとして、労働者達はその後未払金を求めて抗議活動を行なった。

労働者達は、M&SBonmarché、カナダのブランドであるNygårdなどのブランドのラベルがついた衣料品を集めた。M&Sは以前、Chung Fai工場に同ブランドの製品を作る許可は与えたことがないと発言している。BonmarchéChung Faiとの契約関係を当初は否定していたが、後に同ブランドの服がChung Faiで生産されていた可能性があることを認め、問題が解決するまで今後の注文は行わないと公式サプライヤーに告げたとされている。一方でNygårdは関与を一切認めていない。

労働者団体によると、女性が大半を占める労働力に対しては一切の警告や説明なしに、主要なバイヤーが注文を取りやめることがしばしその原因となり、工場が閉鎖するという。「労働者達やその家族にとって、その結果は悲惨なものです。」

「毎年合計で数十億もの年益を稼ぎ出しているにもかかわらず、関わったブランドは全て、こうした工場の労働者達に未払い賃金や退職金を支払うことを拒んでいます。これらブランドの服を生産するために長年に渡って一生懸命長時間に渡って働いたお金であるにもかかわらずです。」と労働者団体は語った。「Labour Behind the LabelClean Clothes Campaignでは、こうした労働者達に支払いを拒むことは賃金泥棒に等しいと考えており、労働者達が支払いを取り戻せるようこれまでに関わった全てのブランドに対して呼びかけています。」

活動家や労働者達は、「賃金泥棒」に終止符を打つよう呼びかける1214日〜20日の抗議運動に参加することを計画している。「インドネシア、日本、トルコ、ドイツ、イギリス、スイス、オランダ、カナダ、香港など、9カ国で声明の発表や抗議活動が行われる予定です。」

繊維業界では予期せぬ突然の工場閉鎖が世界中で増加傾向にある。債権者に対する負債よりも労働者に対する負債を優先する法的手続きや、最近解雇された労働者が利用しやすい法的システムを採用している国が少ないため、主要ブランドの注文取りやめを受けて工場が倒産した場合は労働者にとって特に大きな問題となる。

しかしながら、ブランドに対してプレッシャーをかけることが成功を収めた例もある。

2012年後半、カンボジアの閉鎖されたKingsland工場にて、200人近くの繊維労働者が、工場の資産が剥奪されないよう、工場前で1ヶ月近く寝ずのデモと抗議キャンプを行なった。これが20133月のWalmartH&Mとの歴史的な示談につながった。

同様に、インドネシアのスポーツウェア工場がPT Kizoneが閉鎖したことを受け、2014年にはAdidasもインドネシアの2800人の繊維労働者達に180万米ドルを退職金として支払うことに合意した。現在ではAdidasPT PDK工場の閉鎖に関わっていたとされている。



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最終更新:2017年12月23日06:01

各国の伝統衣装

先週ブルネイのBandar Begawanで開催された第6回アセアン伝統的織物国際シンポジウムにおいて、各国先住民の織物やその利用に関する興味深い研究について議論された。

私の興味を引いた論文の一つに、東南アジア織物に関する著名な専門家であるカナダのSimon Fraser大学のMichael Howard博士のものがあった。

Howard博士の研究は先史時代以来続く伝統衣装の中でも、東南アジアの男性衣料に特化しており、上半身はなく、下半身用の短い腰布や樹皮布についてのものである。こうした衣料は、支配者、交易者、宗教家など、全身を服で覆っている人々との交流によって変化が生じていったという。男性らはまだ腰布を着用する一方で、上半身用の衣類がオーバーシャツ、もしくはプルオーバーの形で取り入れられた。ヨーロッパで産業革命が起き、東南アジアへの輸出が盛んとなった時代には、より多様な外国のファッションが持ち込まれたが、その中で交易された製品の1つがmalongとして知られる男女向けの巻き衣料であった。この衣装は地元民の服装の一部となり、各国の伝統的な織物によって生産されるようになった。

時代が近代、現代ファッションに向かって進展するにつれ、東南アジア人の上半身用衣料は外国や西洋のものを取り入れていったが、下半身用には伝統的衣装が残された。例えばインド洋を囲む地域にはsarongがある。ズボンは中央アジアの遊牧民に由来するが、それが中国西部に渡り、男性、女性向けに取り入れられた。ズボンはまた、中東、特にパルチア人(後のペルシャ人)にも採用された。このように、ファッショントレンドは当時も世界中を巡っていたと言える。Howard博士の論文は東南アジアに特化しており、中央アジアとペルシャ宮廷服がいかに東南アジア諸国に影響を与えてきたかについて示されている。例えばタイ人はペルシャ宮廷服の影響を受け、反形式的で無着色、装飾品のない今日のゆったりとした巻きパンツ(これは私による説明)として取り入れ、軍服の一部にもなっている。

一方でベトナム人は、中国のガウンをシルクで取り入れ、またフィリピン人はオーバーシャツを、タックはつけずに刺繍を施し、piña や綿などのフィリピン原産の天然素材で制作したbarong tagalogに発展させた。

ミャンマーでは実用的ではないものの、自国の美しい環境と文化の象徴として、伝統衣服をそのまま現代にまで受け継いでいる。

時代に応じて東南アジアの男性は西洋のスタイルを取り入れていったのに対し、女性向けには伝統的な衣装が根強く残った。ベトナム人やラオス人の古い写真を見ると、伝統的なドレスをまとった女性とスーツを着た男性が一緒に写っているものがあるが、これは20世紀のこうした状況を示す1カットである。

時代は進み、第二次世界大戦後に東南アジアと環太平洋諸国が数年おきに開催しているアセアン、およびAPEC首脳会議を取り上げてみよう。これらの会議においては通例として、各国首脳や出席した政府要人がホスト国の伝統衣装を着て写真撮影を行うこととなっている。

その流れでフィリピンでは、ニュージーランド首相がbarong tagalogについて、「かゆい」とか「チクチクする」とコメントしたとメディアが報じ、世界中にフィリピン人の衣装として紹介された。

ベトナムで主催された際は、シルクガウンをまとった参加者のグループ写真が紹介され、タイでは伝統のシルク・シャツ、中国でも(現在のフィリピン駐在の中国大使がいつも着ているような)シルク・シャツが使用されたが、すべての衣装には独特のシルクデザインと伝統的な色彩が施されていた。ペルーではウールのポンチョ、チリでは着衣の上に羽織るカラフルなウールのブランケットが紹介された。別の回でペルーは、撮影に臨む人々の肩の上から羽織る長いウールのスカーフを採用するなど、その国々独自の伝統的な織物が紹介された。またカナダでは革製のボンバージャケットを着た参加者が迎えられた。こうした衣装は、各国にとっておなじみの、伝統や環境などに対する考えを反映したものとなっている。

ここで西洋各国の報道機関にとっての楽しみが始まる。こうした衣装がどのように各国の環境、すなわち暑かったり寒かったり、利用可能な素材や工芸品などにいかにうまく適合してきたのかを理解しようとは一切せず、ものめずらしい衣装を着て撮影される人々のコミカルなイメージをとらえることに終始する。そして結局、メディアによって報じられた誤ったイメージの喜劇のようにされてしまう。

時にメディアは、すべての批判的な形容詞によって、こうした衣装を着て撮影された写真から否定的なコメントを引き出すことだけを狙っているようにも見える。私はニュージーランドの首相が、barongドレスを否定する意図があったかについて疑問に思う一人である。彼女は否定的に聞こえるコメント一つによって、いくつかの肯定的なコメントが無視されたのではないだろうか。否定的なコメントをメディアが打ち出すことによって、同様の否定的な反応を生むセンセーショナルなニュースとなる。関係者全員を巻き込んで彼らは楽しんでいるのである。

すべての国が近代へ向けて旅をしている。各国の旅についてそれぞれの起源や、どのように進化してきたか、そして一体どんな理由でそうなったのかを理解する必要がある。そうすれば人は、今日の姿やそれがどのように息づいているのかを本当に理解することができる。そしておそらくそうすることによって、より教養高い、知性豊かな視点、コメント、反応を得ることができるであろう。



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最終更新:2017年12月09日06:02

フィリピン:製造業がフィリピンからベトナムへ

~韓国企業のフィリピン撤退に手を打つ必要

 

ビジネス環境

2018年アセアンビジネスの展望調査報告によると、米国企業幹部らはベトナムについて、アセアン地域での投資先としてトップにその名を挙げている。フィリピンは5位で、ミャンマー、インドネシア、タイに続く。

ベトナムは投資環境改善の点においてもアセアン諸国の中で2位に位置づけられており、ベトナムで調査を受けた米国企業幹部の54%が、その改善状況について肯定的な意見を示した。

一方でフィリピンは利益見通しの点で最も有望視されており、調査対象となった企業幹部の85%が2018年までに増益が見込まれるとした。だがベトナムもまた、企業幹部の84%が増益を見込んだ。

フィリピンにある韓国商工会議所は、1月にRodrigo Duterte大統領のきまぐれな麻薬戦争の最中、警察本部に韓国人事業家のJee Ick-joo氏が誘拐された事件に対し強く非難し、同時にフィリピンにいる韓国人の「安全を確保する」ことについて政府の「一層の努力」を求めた。

「我々は、韓国のビジネスマンだけでなく、フィリピンに住む12万人の韓国人に対するあらゆる暴力と不当な扱いについて強く非難する。韓国では約5万人のフィリピン労働者の生活を守り、尊重している。」とこの声明で述べた。フィリピンは韓国にとって、東南アジア最大の海外移住先となっている。

フィリピンのRodrigo Duterte大統領は、昨年の大統領着任後に違法麻薬取引に関して論争の多い超法規的取締りを開始した。反麻薬作戦において、警察に対してより攻撃的に取り締まるよう求めた彼の過去の発言は、警察を残忍にし、兵器の使用を過度に煽ったと批判されている。

Jee氏のような市民が警察による暴力や虐待の被害者となるなど、この絶え間ない薬物戦争によってもたらされた安全問題が投資家の心理にどの程度影響を与えたかを示す具体的な数字はまだないが、海外のビジネス団体などは同国の人権侵害に関する懸念を表明し続けてきた。

 

「強い経済」

労働組合Partido ManggagawaのRene Magtubo氏は、韓国企業が労働組合の組織化を避けるためだけの目的で、フィリピンの事業所を閉鎖していることについて憂慮している。 Magtubo氏は韓国系Sein Together Phils社の例を示した。同社では昨年9月に一時的に営業停止し、10月23日に縫製工場を再開させたが、これにより約400人の労働者が雇用を失ったという。

労働団結権はフィリピンでは悲惨な状況となっている。最近の国家統計によると、20人以上の労働者を雇用している事業所での労働組合加入率は、1995年から2014年までに30.5%から7.7%に減少した。(フィリピンの労働法第298条では、事業所の閉鎖は経営特権として認められているものの、労働組合の排除するために拠点を閉鎖し、海外へ移設することは不正な労働行為としている。)

自由労働者連合(FFW)の労働法弁護士であるJose Sonny Matula氏は、「会社の役員は民事責任だけでなく、刑事責任も負う可能性があります。」と述べた。

Matula氏は、労働組合を排除する目的で移転するような悪質な店や事業所は、経済協力開発機構(OECD)のガイドラインによって対処できるものの、問題の会社の本社がOECD加盟国にある場合だけだと説明した。

FFWは過去に、ILO条約87条または1948年の結社の自由および労働団結権保護に関する条約を踏まえたOECDガイドラインを引用し、フィリピン最高裁判所において勝訴を得たことがある。こうし訴訟は会社が所在するOECD加盟国の連絡事務所に対しても起こされることがある。

Matula氏は、フィリピンを離れようとする外国人投資家に悪質な事案がないことを保証する予防策は現在のところないと述べた。企業の撤退コストを増やすために、「債務返済保証制度」などを施設閉鎖の要件に追加するのは、良い予防策となるかもしれないと彼は述べた。

しかしLee氏は、韓国商工会議所の会員が感じているフィリピンで事業を行うことのコストと難しさについて、この問題が企業レベルでなく国家レベルでのものであることが明白だと述べた。

閉鎖するための最低限の法律要件が満たされている限り、外国企業が引き続きフィリピンにおいて事業を運営する責任はない。最低要件には、解雇給付や労働局への事前通知などが含まれる。また解雇給付は、破産によって事業が終了される場合は免除される。

一方で政府には、国の労働者に彼らとその家族が快適に生活できるだけの仕事を持てるよう、投資家を引きつける義務がある。

だが政府は、「経済戦略が功を奏しつつある」という説に固執している。

大統領広報官Ernesto Abella氏は声明の中で「経済改善の兆し」として、GDP成長率6.4%、2017年上半期の就業率57.7%、10月12日におけるフィリピン証券取引所指数が8,400ポイント高であったこと、2017年8月の輸出売上高が9.3%増の55億米ドルであったこと、世界銀行の2017年の世界経済見通しにおいてフィリピンが世界第10位の経済成長を遂げたことを挙げた。

Abella広報官が指摘したように、数字は安定している。 しかし、フィリピンからベトナムへの製造移転によって失業した人々は、こうした経済成長から抜け落ちている。 彼らはその日暮らしで、選択肢はほとんどなく、将来のことはまったく見通せない。 彼らの関心は次の食事代のことである。

マクロ経済の強力なファンダメンタルズが、彼らのような草の根のフィリピン人に恩恵をもたらすには、まだ多くのことが必要である。

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最終更新:2017年10月28日06:10

東南アジアでのエコフレンドリーなデザインによる伝統文化や手法の保存の試み(後)

(前編より)

タイのチエンマイ県ではインディゴ染めが、多くの若手デザイナーがそのデザインに取り込んだことにより復活した。

ベトナムではFashion4freedomが、ベトナム独自の環境に優しい倫理的な手法によって高級品を制作している地元職人と協業している。その結果、ハイエンドの国際市場向けに様々な衣料品、アクセサリー、靴を生み出すことに成功している。

ラオスではOck Pop Tokが、人々と文化に焦点を当てたソーシャルビジネスを行っている。英国人のJoanna Smith氏とラオス人のVeomanee Douangdala氏が2000年に設立したこのベンチャー企業は、同国において最も重要な繊維・アパレル職人向け機関の1つとなっている。

「我々がOck Pop Tokを開始した際には、本当の意味でエシカルファッションが何であるかを知りませんでした」とDouangdala氏は言った。「我々は何か人と違ったものを作りたいと考えていただけだったのですが、この国のアパレル製品の伝統を保存しつつも、海外市場において伝統的製品の経済的価値を生み出すことに主眼が移りました。我々は、ラオスの文化や伝統に忠実でありながら、現代的な製品を作りたいと考えています。」

すべての製品はハンドメイドで、原材料は国内調達である。また75人の従業員がフルタイムで雇用されており、400人の製織職人がOck Pop TokVillage Weaver Projectsの指揮のもと、全国で働いているという。

「ラオスは人口の少ない小さな国ですが、多様な文化を持っています。我々は49の民族グループと100を超えるサブグループを傘下に擁しており、各グループには独自の文化、言語、織物文化があります。それらは各民族グループにとってのアイデンティティの一部となっているのです。」とDouangdala氏は言った。また各民族グループは、デザインにさまざまな色や技法を取り入れていると続けた。「ラオスには、織り、アップリケ、バティック、刺繍など、さまざまなアパレル製品の伝統があります。」

エシカルファッションの動きが拡大するにつれ、ほとんど忘れ去られていたクリエイティブな民族グループが、古来より伝わる伝統を現代に蘇らせることへの期待が高まってきている。

「我々が出会った、伝統技法によって製品を制作をする人々の多くが、各製品に対する愛着や喜びを示し、その想いがどのように優れた製品を生み出すのかを強調しました。」とO'Malley氏は言った。「それはまた、人間同士のつながりをも生み出します。プロセスについてもっと良く知れば、衣料品を作る人々やその製品に、より大きな尊敬の念を抱くようになるのです。」



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最終更新:2017年10月14日12:03

東南アジアでのエコフレンドリーなデザインによる伝統文化や手法の保存の試み(前)

東南アジアへのツアーを通してWalk Sew Goodキャンペーンの参加者らは、ファスト・ファッションなどによる資源浪費に反対し、地域社会の活性化や技術の保存を図ろうとするデザイナーやプロデューサーと会った。

一年にも及ぶ東南アジアツアーを経て、エコファッション・キャンペーンの参加者であるMegan O'Malley氏とGab Murphy氏は、持続可能な商品を提供するデザイナーの数が増加することによって、地域のアパレル産業における廃棄物や搾取がなくなることを望んでいる。

「ファスト・ファッションのビジネスモデルは、この巨大なアパレル業界を通じて世界の人々に安価で生産される衣料品を次々と利用させるよう操ってきました。」とWalk Sew Goodの共同設立者であるO'Malley氏は述べた。「このような風潮は持続可能ではなく、理にかなっていません。」

彼女とオーストラリア人の同僚であるMurphy氏は、11月にメルボルンを出発して以降、タイ、ベトナム、カンボジア、ラオスを訪問し、正当で持続可能な方法で生産された環境にやさしいアパレル品を探して歩いた。「この問題に対する多様な解決策を生み出そうとしている人々が多くいます。私たちはそうした人々と会って、話を聞きたいと考えたのです。」とO'Malley氏は言った。

この二人は、布地、仕立や製織技術の長い歴史に携わる多くの進歩的なデザイナーに会った。

カンボジアでは地元デザイナーのVannary San氏が、アパレル産業がこの国の主要な輸出産業にまで発展し、約70万人を雇用していることによって、伝統的なシルク産業と文化に対する誇りが忘れ去られつつあることを心配していた。

プノンペンでファッションブランドのLotus Silkを所有するSan氏は、「カンボジアのシルク産業が衰退していることを聞き、とても心配しています。」と述べた。「カンボジアのシルク生産には長い歴史があります。アンコールワットの彫刻からもそれを見て取ることができます。シルク生産は我々にとって大切な歴史遺産ですが、残念ながら最近では衰退しかかっています。」

San氏は3年前に、シルク産業を復興して創造的なコミュニティを再び活性化させ、彼らが安定的な収入が得られるよう支援するというミッションを自身に課した。公正な賃金と労働条件を提供するエシカル・ファッションブランドを運営することは、彼女の最優先事項である。

San氏は、カンボット州の蚕のエサとなる桑の木を育てる3つの農業コミュニティ、プレイベン州とタケオ州の製織業者、バッタンバン州のオーガニックコットン栽培業者、カンダル州の染色専門家らと協業している。各生産プロセスはトレーサビリティと高い透明性が確保されていると彼女は述べた。

国際水準に見合った質の高い製品を制作するためにコミュニティに教育を施した後、彼女は昨年Golden Silk Collectionを発表した。このコレクションは既に海外、特に韓国、オーストラリア、米国、カナダのバイヤーから引き合いを得ている。

彼女はまた12月に、プノンペンにおいて啓蒙を目的としたインタラクティブな博物館「The Silk House」をオープンさせる予定としている。

「カンボジアの素晴らしいシルク産業を復活させるのを支援するだけでなく、地元の生産者に対しても、彼らが作り出しているものに価値があり、こうした伝統は存続させるべきであることを啓蒙することを目的としています。」と彼女は述べた。「シルク生産は私たちの歴史の重要な一部分であるだけでなく、高品質で倫理的に生産されたこれらの製品は、潜在的な可能性も有しているのです。」

「世代を超えて伝承されたカンボジアの織物や製織技術の多くが、19751979年の残酷なクメール・ルージュ政権時代に失われました。また、ベトナムや中国などの諸外国から輸入される安価な材料が浸透したことによって、複雑で時間のかかるこうした工芸品を習得するインセンティブはほとんどなくなってしまいました。」

「またこうした技術は、工場生産によってほとんど失われつつあります。」と地元職人から原材料や工芸品を買い付けるフェアトレード・ブランドであるANDの創設者であるAlan James Flux氏は言った。「今はまだ手織りの素晴らしい職人が存在しますが、その子供たちは条件が良く、給料も高い縫製工場へ働きに出ようとしています。」

イギリスで教育を受けたこのファッションデザイナーは、全国の熟練した職人家族と協働し、複雑なikat製織技術をしばしばその作品に組み込んでいる。

「我々はカンボジアにおける潜在能力のほんの表面に触れているに過ぎません。」とFlux氏は言った。「カンボジアにはまだまだ多くの素晴らしい製品があります。様々な種類の製織技法や、まったく異なるタイプの絞り染め、ジュエリー製作、木彫りなどがあり、その潜在的な可能性は無限大です。」

カンボジアにおける同様の草の根活動は、伝統的な工芸品や技法の再生に貢献している。

(後編につづく)



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最終更新:2017年10月14日06:03

依然として中国に代わるアパレル調達の選択肢はなし(後)

(前編より)

 

その他のサプライヤー国

中国と並んで、バングラデシュ、ベトナム、インドも成長に陰りが出ているが、これらの国々はこの先も調達先の主要国となり続けることが予想されている。ミャンマーや特にエチオピアも、新たな選択肢として脚光を浴びているとこの調査は指摘した。

バングラデシュは今後5年間において、購買先としてのトップの地位を維持するだろうと、回答者のほぼ半数が回答した。

またエチオピアは、今後5年間におけるホットな購買先として、アジアの有力な競合国であるミャンマーとベトナムを抑え、第2位に躍り出た。

特に年商10億米ドル以上の企業が、将来の調達先候補の中で最も魅力的な国としてエチオピアを挙げた。また回答者の大多数は、2025年までにミャンマーとベトナムからの調達シェアを増やす予定と答えた。

 

近接地購買と国内回帰

低コストの国々が世界のアパレル産業におけるサプライチェーンの重要な一部となっている一方で、アパレル企業の機動性とスピードに対するプレッシャー、総保有コストの考え方が広まったことにより、近接地購買と国内回帰に対する関心が高まっている。

CPOに対する調査では54%の回答者が、近接地購買が重要となると答えた。ヨーロッパを拠点としている調達部門幹部のうち39%が、東欧からの調達額を増加させようとしており、約3分の1がトルコからの調達を望むとした。

米国を拠点とする調達部門幹部のほぼ半数が中米からの調達シェアを増加させる計画を示しており、中米各国ではこの需要に応えて取り組みを強化している。

しかしMcKinseyのレポートでは、「近接地購買に対する関心は高いものの、ベトナム、ミャンマー、エチオピアなど、低コスト国重視のスタンスを覆すほどのものではない。」と述べている。

全体として調査に参加した企業では、近接地購買市場よりも低コスト国からの調達を増加させる予定としている。

また回答者は、リードタイムの短縮と、顧客需要の多様化に対応するためにより柔軟な生産が求められているため、生産の国内回帰を促進させることにも関心を示した。

CPOの3分の1以上が生産の国内回帰を予定していると回答したのに対し、国内生産の減少を予定しているのはわずか16%であった。また残る半数は、変更なしと回答した。

大西洋を挟んで両側に違いが見られたのは、米国に拠点を置く回答者は欧州よりも、生産の国内回帰を多く想定している傾向があった。

低コストと近接地購買の共存が示すように、アパレル購買組織が将来成功を収めていくには、調達価格にのみ着目しては成し遂げられない。

スピードと機動性を実現するためには、企業は調達国の選択、サプライヤーとの協業、コンプライアンスとリスク対応、プロセス一貫での効率性追求の4つの要素を最適化するために、一層の努力をしていく必要がある。

依然としてアパレル産業の大半では、これらの要素について大幅な改善の余地が残されている。

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最終更新:2017年09月27日12:01

依然として中国に代わるアパレル調達の選択肢はなし(前)

バングラデシュ、ベトナム、インドを合算しても、2016年の中国アパレル輸出額の71%に過ぎない。

サプライチェーン幹部に対する調査によると、中国はアパレル調達先として支配的な頂点の地位から少し後退したかもしれないが、この国の役割は今後も不可欠であり続けると予想されている。

ここ数十年間、アパレル各社のバイヤーはその調達先として低労働コストの国々を執拗に追い求めてきたが、グローバルマネジメントのコンサルティング企業であるMcKinsey & Companyによる詳細な調査によると、今では新しい潮流が生まれているという。

これは低労働コストの国々がその魅力を失っているということではなく、そのことは購買責任者がベトナム、ミャンマー、エチオピアなど、新興市場に関心を寄せ続けていることからも明らかである。

しかし、McKinseyのレポート「アパレル調達部隊による次の目的地:デジタル化」における主な調査結果では、地方需要の増加や、人口の年齢構成の変化、高付加価値業務へのシフトによる廉価な労働力が減少し、結果として中国がアパレル調達先国のトップの座を守るだろうと指摘した。

現在中国のアパレル輸出額は2012年の水準を下回り、中国と香港の輸出量は前年比で8%も減少しているが、同時にその他バングラデシュやインドなどの大規模輸出国についても減少傾向にある。

これは以前よりも労働コストが調達コストに与える影響が小さいためと考えられる。この調査によると、米国の回答者の69%と欧州の回答者の61%が、為替レートと原材料のコスト増によって、次年度の調達コストが増加するだろうと予想した。

また、調査に応じた63人の国際アパレル企業の最高購買責任者(CPO)のうち半数が、2025年までに低賃金だけが調達先を選定する際の要素というわけではなくなり、むしろデジタル化への対応機能が重要になるとしている。

調達責任者にとって川上から川下までのプロセス効率が唯一の最優先事項であり、すなわちサプライチェーンの柔軟性が求められている。企業はスピードを重視し、現在近接地での調達や国内回帰に着目している。

「多くの企業が経験しているマージンの減少は明らかにCPOの頭痛の種であるが、それと同時に、競争の激化と市場スピードの加速が、サプライヤーとの協業や開発、アパレル企業との機能連携を促している。」

 

中国が引き続き有力

調査対象となった幹部役員のうち62%が、自社の購買における中国のシェアが、2025年までに縮小するだろうと回答した。

このように中国は盛りを過ぎつつあるかもしれないが、アパレル調達先としての支配的かつ不可欠なこの国の役割は、今後も続くと予想されている。

その理由の一つとして中国のアパレル製造産業の規模が大きいことが挙げられる。2016年の輸出額は1770億米ドルもあり、2番手のバングラデシュは280億米ドル、3番手のベトナムは250億米ドルにしか過ぎない。

また、「One Belt、One Road」や「Made in China 2025」などの中国政府の取り組みが、アパレル部門の近代化と世界との関係性向上を後押ししている。

中国のアパレルメーカーはまた、ベトナムやエチオピアなどの国への投資を拡大しており、自国域を超えた大規模生産を可能とすることで、グローバルのアパレル調達先としての役割を強化している。

中国が唯一無二である理由は他にもある。中国のアパレル部門ではデジタル化と自動化の促進により、効率化を追求している。

生産活動における自動化は、調達における新しい方向性を示す上で特に重要な要素となる。調査回答者の半数以上が、2025年までに調達先の選定において、コストだけでなく自動化が重視されるようになるだろうとした。

そして調査を受けたCPOの81%が、調達活動において中期的に中国は、デジタル化でリーダーとなるだろうと予想している。

「当分の間は、成熟市場におけるアパレル製品の自動生産と、低コスト国での手作業生産が同時に見られることになるでしょう。」とMcKinseyのファッションコンサルティンググループのリーダーであるAchim Bergシニアパートナーは述べた

 

(後編につづく)

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最終更新:2017年09月27日11:14

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