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ラオス:伝統織物とその職人がアメリカ人夫婦にインスピレーション

店ではラオスの織物の歴史や文化に焦点

Above the FrayオーナーであるMaren Beck氏とJosh Hirschstein氏にとって、複雑な織物スカーフや彼らの売店に展示しているショールは、ただ美しいだけでなく、異国情緒を感じさせる作品と捉えている。ラオスやベトナムからの旅行者やバイヤーに対し、こうした作品はその背後にいる人々や文化的な意味を想起させている。

彼らはオレゴン州Eugeneにある売店で束の間、顧客と商品や背後の物語を分かち合う。

「(お客さんは)ここで、作品の意図やそれらを制作している人々のことまで真に理解することができます。」とBeck氏は述べた。

非常に旅行好きなEugeneのこの夫婦は、当初ラオスを含む東南アジアの旅に9歳と12歳の子供を連れて出かけた。そこで彼らはこの国に魅了されたが、一旦帰国しなければならなかったため、次回のアジア旅行はラオス一国に集中することとした。

「人々が物を制作しているところへ旅行するなんて(信じられないほど素晴らしいことでした。)」と彼女は言った。「大量生産されている工芸品なんて、ここではほとんど価値がありません。」

通訳の助けを借りてBeck氏とHirschstein氏は地域社会、特に複雑で美しい織物を織る女性らに惚れ込んでいった。彼らはそれらを制作する女性らの素晴らしさや制作プロセスに関する知識を得て、友人らに販売するためにいくつかの作品を購入して帰るようになった。

その後、この夫婦は航空券代を捻出するためにさらに販売を強化するようになった。2007年に彼らはAbove the Frayを設立し、オンラインや現地のポップアップ・ショップを通じてハンドメイド作品を販売するビジネスを立ち上げた。現在この夫婦はラオスとベトナム山岳部の村を定期的に訪問し、手織りで天然素材によって染色した絹やその他の織物、宝飾品、骨董のマスク、中古工具などを仕入れている。

この家族は旅をして、仕入れた商品をビジネスとして販売する一方で、Hirschstein氏は1990年に設立されたLane Tutoring Serviceという会社も運営している、と彼は言った。長年に亘って彼らは作品を購入しているラオスの職人らと親密な関係を築いてきた。

「彼らは家族みたいなものです。」とBeck氏は言った。この夫婦はハンドメイド作品を販売するだけでなく、よく知っているラオスのコミュニティに関する本も執筆する予定である。

「ラオスにおいて機織りは文化、伝承芸術、そして衣服を通して伝えられる歴史です。」とBeck氏は言った。「機織りは、(古代から)世代を超えて受け継がれてきた芸術なのです。」

農村部のラオス人の約80%は依然として自給自足農業に頼っているとされているが、これはただ家族が生活するために農業を行っているのであり、豊かになることが目的でないことを意味している。

「彼らは肉のために動物を育て、アメリカの開拓民のように自分の家を建てます。自分のためだけにものを作っているのです。」とBeck氏は言った。

家族に誰か機織りのできる人がいれば、現金を得られる作品を生み出すことができるため家族にとって利益である、とこの夫婦は言った。複雑なパターンを織ったり染料したりと、書籍やデザインに頼らず作品を制作することは知性の証である。

「機織りは誇りの持てる重要な仕事です。」とHirschstein氏は言った。機織りはまた、男性が農業に勤しみ子供の世話する間、女性がシルク経済を受け持ち仕事をすることで女性に力を与えてきた。

売店には、ほとんどの作品に制作者の写真とその作品の情報が添付される。織物作品について制作過程のスライドショーや機織りプロセスに関するビデオに加え、この家族の旅の歴史や制作者との関係構築に関する情報が掲示されている。

「私たちの活動の半分は一種の教育です。」とBeck氏は言った。「あなたは手に取ったものについてどのような成り立ちなのか知らなければ、その作品を本当に理解したとは言えないのです。」

繊維製品は現地の文化や儀礼と密接につながっている、と彼女は生地のパターン内の複雑なデザインに表現されている様々な精神や動物の抽象模様を指し示して言った。様々な布地にはヒーリング効果もあると信じられている。

Hirschstein氏は彼らの利益の15%を、ベトナム戦争によってラオスとベトナムに残された未処理の爆弾を除去するのを支援する組織であるMines Advisory Groupに寄付していると明らかにした。

Beck氏は、ラオスでは何世紀にもわたって手織物などの工芸品を生み出してきたが、「我々は衣類、道具、バスケットなど、実際どのように制作されているのかについての理解をしてきませんでした。」と述べた。

「彼らは人であり物ではありません。」と彼女は続けた。「富によってあなたが実行できることは多くあるのです。」

しかし西洋世界では、ラオスの村人は遠隔地にいるためほとんど知られていない、と彼らは言った。そしてラオスの機織り職人が、もしこの大量生産の世界で彼らの伝統作品を販売する市場を見出せない場合、果たして作品を制作し続けることができるのか、それとも消え去ってしまうのか?という疑問について、「市場がないのであれば、それは消え去ってしまうでしょう。それは一つの芸術様式が消えていくということです。」とHirschstein氏は言った。

このことこそがBeck氏とHirschstein氏が、自分の仕事を売りこみ、彼らの第二の故郷である遥か遠くのコミュニティを支援する理由である。


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最終更新:2017年01月02日

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