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カンボジア繊維業界の実質賃金は10年間で下落

米国拠点の労働者支援グループの最近の報告書によると、繊維産業は飛躍的に輸出が増加し2012年には40億米ドル以上とされているにもかかわらず、2001年から2011年までの間にカンボジア人縫製労働者の賃金は実質20%以上下落したという。

労働者権利組合(WRC)は、15ヶ国の縫製労働者の購買力を研究し、インフレ分を調整すると2011年までの10年間のカンボジアの賃金が「大きく」下落していると発表した。

「2001年と2011年の一般的な基本給を比較したとき、インフレ分を調整すると、賃金は10年間でかなり低下した」と報告書は記した。報告書では、ボーナスを含むが時間外給は含まない平均賃金率を計算し、2001年には51米ドルだった1ヶ月の給与が、2011年には70米ドルであることを明らかにした。

報告書によると、2011年の平均賃金はインフレ上昇分を考慮した実質ベースで22%下がった。消費者価格の上昇を考慮に入れると、2011年の平均賃金は2001年の月給39.78米ドルに相当するという。

また、労働者権利組合(WRC)報告書には、カンボジアの衣料産業が国連の国際労働機関(ILO)によって監視されていることを勘案すると、カンボジアの実質賃金の低下がとりわけ「重大」とされている。

バングラデシュでは、ILOによるモニターはないが、実質賃金の低下は10年間で2%にすぎない。ベトナムとインドネシアのアパレル産業では実質賃金がそれぞれ28.4%と39.7%増加している。そして、中国では、賃金収入は「実質ベースで、129.4%以上増えた。」と報告されている。

「労働者のための購買力の損失が、はるかに重大であるのは、よりによって、この国のアパレル輸出産業が当該期間中ずっと国際労働機関(ILO)のBetter Factories Cambodiaプログラムに見過ごされていたからである。」と報告書は記す。

2001年、カンボジアのアパレル縫製工場での労働条件を監視するために作成されたILOプログラムは、スタンフォード大学法学部学校の研究者による2月の報告書で酷評され、集中砲火を浴びた。報告書では、つい最近まで同様のプログラムを持っていなかった中国やインドネシアやベトナムでは賃金は上昇しているにもかかわらず、カンボジアでは賃金が過去10年間でかなり下落したという。

カンボジアのILO職員は、コメントを求める要求にすぐには応じなかった。

WRCの調査結果にもかかわらず、2011年以降カンボジアの最低賃金は1ヶ月あたり80米ドルまで上昇し、労働者は時間外手当を含めると100米ドル以上を平均的に稼いでいる。

カンボジア縫製業者協会会長Van Sou Ieng氏は、WRCによって提供された数字について1ヶ月あたり70米ドルというのは2011年の労働者の最低賃金であると言って議論した。

「カンボジアは競争力において、他国より有利な立場を維持しなければなりません。」とSou Ieng氏は言う。「WRCは、望むとおりに、手段を正当化するための数字を出すことができるでしょう。しかし、私としては、繊維産業を継続させることを考え、70万人の雇用を維持しなければならないし、牽いては250万人の人たちの暮らしを支えていかなければならないのです。」

カンボジアから商品を調達しているブランド各社には賃金を変える力があるが、そうするのを拒否していると彼は付け足した。バングラデシュが依然として世界一安い製造ハブの1つであるがゆえに、最近、安全基準が欠けていると叫ばれながらも、同国からの商品調達を続けている例をみれば明らかである。

「彼らは決してもうこれ以上お金を出さないでしょう。もっと払うだろうと信じるのは純情すぎるのであり、もっと支払うようにバイヤー言うのは絵空事です。彼らが他のどこかに行くだけです。」

米国拠点の別の労働者権利組織、連帯センターのカンボジア所長Dave Welsh氏は、カンボジア人の労働者は十分に働いていると言う。

「カンボジアでダントツに最大の輸出業界の労働者らが、ブランドや工場経営者らのために巨万の富を生み出しているのに、正当な分け前をもらえないというのは一体全体どういうことだろう?」

 

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最終更新:2013年07月24日

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