インドシナニュース

カンボジア:ファッション業界の変革

世界はあらゆる産業、特に廃棄物管理が懸念される産業による環境汚染から打撃を受けている。資源の投入、生産、廃棄のリニア(直線的)モデルが主流である従来の経済では、素材の寿命はあまり考慮されていない。資源または投入物は環境から収穫され、原料に製造され、製品を製造するための産業プロセスに送られる。その後、消費者はこれらの製品を購入する。これらの製品は、すぐに埋立地または焼却炉で廃棄される。

これはファッション業界に特に当てはまる。特に、ファストファッションという新しい現象である。ファストファッションとは、速いサイクル且つ高い費用対効果でハイファッションブランドのトレンドを一般的な店舗にて安価で展開することを意味する用語である。

新しい使い捨てファッションの性質は、可処分所得の増加とともに、過去15年間でアパレル製品の生産が2倍になっている主な要因である。1兆3000億米ドル市場のアパレル産業は、世界中でこのバリューチェーン内に3億人以上の雇用を生み出している。

しかし、ファッション業界における新しいスタイルへの迅速な転換は、業界による環境汚染の主な要因の1つになりつつある。エレンマッカーサー財団の「新しい繊維経済:ファッションの未来の再設計」というタイトルの研究によると、生産されたファストファッション製品の半分以上が1年未満で処分されると推定されている。過去15年間で、アパレル製品の使用率または衣服の平均着用回数は36%減少した。これは、世界平均の4分の1しか衣服を使用しない米国と、衣服の使用率が70%減少した中国で見られる。

ファストファッション現象に対抗するために、ファッション業界内から新たな動きがある。ファッションの持続可能性に関するグローバルファッションアジェンダとボストンコンサルティンググループによる調査によると、特に中価格帯の小企業および中小企業から、世界中の業界全体で環境および社会的パフォーマンスの改善が進められていることが示されている。この調査では、「パルススコア(Pulse Score)」と呼ばれるパフォーマンススコアメカニズムを使用して、調査対象のファッション企業の75%が昨年と比較してサステナビリティ・スコアが改善していることが明らかになった。

繊維・アパレル産業は、カンボジアの輸出主導型経済のバックボーンであり続け、全国で全工場労働者の86%である80万人を雇用し、国内総生産(GDP)の40%に貢献している。 カンボジアはまた、消費前廃棄物処理の第一人者であるサステナビリティにおける牽引企業Tonléの本拠地でもある。

Tonléのサステナビリティ戦略は、通常、埋め立て地で処分または焼却処分されるアパレル廃棄物の一部を材料として再利用することにより、事業の中核を形成する。この戦略により、ファッション企業は大量の二酸化炭素(CO2)の排出を削減できるだけでなく、水の消費量、農薬の使用、布地の染色に使用される化学物質を削減できる。

「私たちが調達する生地のほとんどは、実際には裁断された廃棄物です。したがって、それは実際のところただの廃棄物であり、計画的に出された廃棄物ではありません。私たちはまた、同社の生産プロセスで発生する廃棄物を処分するための廃棄物ゼロ設計プロセスの先駆者であり、顧客が衣服の寿命に対処するためのイニシアチブに取り組んでいます」と同社のウェブサイトで述べられている。ファッション会社は1.6万kg以上の材料を埋め立て地から集め生地として流用し、大気中へのCO2を49.5万kg削減した。これは約3.3万台の車の丸一日のCO2排出量に相当し、 水の消費量2億リットル、および殺虫剤の消費量を約12 kgの削減となった。

Tonléのような企業によるコミットメントと行動は、実際の貢献に影響を与えるだけでなく、持続可能なファッションについての認識をさらに高めることに大いに役立つ。同業界のその他の企業は彼らに続く事が出来る。さまざまな産業の企業間における積極的なコラボレーションは、この動きを継続するための鍵となる。ファッション業界は、事業を展開し製品を消費している環境とコミュニティに対する長期的な影響の優先順位付けを開始する必要がある。

カンボジア ジャンル:
最終更新:2020年02月09日

このページのトップへ戻る