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ベトナム:繊維企業における労働問題の難しさ

ベトナムの繊維・アパレル企業は、特に人材育成の面から事業拡大が困難な状況に直面していると、専門家らが述べた。

ベトナム商工会議所(VCCIWTO統合センター所長Nguyễn Thị Thu Trang氏は、近年の賃金状況は改善しているものの、ベトナム労働者の生産性が低いことが主な問題であると指摘する。ベトナムの労働生産性は、タイやシンガポールなど他の東南アジア諸国と比べてかなり低いという。人口が高齢化している一方、労働者の増加率は緩やかなものとなっていると彼女は付け加える。

ベトナム繊維公団(Vinatex)のVũ Đức Giang会長によれば、近年、ベトナムは労働コスト面でミャンマー、バングラデシュ、ラオスとの厳しい競争に直面しているという。繊維・アパレル部門には300万人の労働者と約7000の企業が存在する。

訓練施設は、この部門の熟練労働者を生み出すための需要の1%しか満たすことができない。ほとんどの労働者は企業によって訓練を受けており、企業は一人の熟練労働者を生み出すために、給料と資金援助を併せて6ヵ月から12ヵ月を要する。

また、外国直接投資(FDI)企業は高い賃金を支払うことをいとわないため、現地企業が労働者を奪われる可能性もある。さらには、政府レベルでの繊維・アパレル部門の開発計画がないため、地方当局が投資を呼び込むことができ、結果的に同じ地域に企業が密集する結果になったとGiang会長は言う。

労働者は企業間を自由に移動できるため、企業の構造が不安定になるという。ベトナムでは、第4次産業革命により、近い将来、手動工程が機械へと完全に置き換わるようになり、低コストの労働力への依存度が低下するとTrang氏は述べる。

 

ベトナムの優位性

ベトナムは繊維・アパレル産業において中国よりも労働コストが低いことが比較優位であると、Vũ Đức Giang会長は述べる。Giang会長は、EU・ベトナム自由貿易協定とベトナムの繊維・衣料品部門への影響に関するオンライン会議で、同産業における中国の労働者の平均月給はベトナムの2倍の700800米ドルであり、衣料品生産への投資魅力度においては、ベトナムに対する中国の競争力は低下していると述べた。中国沿海地域の繊維工場はすべて閉鎖され、西部地域に移転した。工場主らは事業を海外に移すことを余儀なくされ、中国はベトナムの繊維・アパレル製品を購入し始めたという。労働条件は、欧州や日本などの厳格な市場がベトナムの輸出業者に課している重要な要件のひとつであり続けている。

Nguyễn Thị Thu Trang氏によると、ベトナム企業はヨーロッパや日本などの市場においてさえも、より厳格な労働条件を満たしていたという。かつて欧州の消費者は、労働者がぞんざいに扱われたためにバングラデシュのアパレル輸出をボイコットしたことがある。しかし、ベトナムには同様の問題は起きていない。

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最終更新:2019年08月07日

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