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ベトナム:台湾のアパレル企業による進出(前)

ベトナムは、台湾の繊維・アパレル・皮革企業にとって特に魅力的な投資先となっている。Phuong Thu記者が伝える。

 

1942年に設立された台湾のアパレルコングロマリット、遠東新世紀(ファーイースタン・ニューセンチュリー)は、今やベトナムにおける戦略を確立した外国投資企業のひとつである。

「新しい製造拠点を建設するのにこれ以上いい場所は考えられません。ベトナムは安価で質の高い労働力を提供しており、自由貿易協定(FTA)の恩恵を受ける立場にあります」と同社は2019年の年次報告書で述べている。

遠東新世紀は今年初めに発表した、ベトナムへの投資額を3億米ドルから76000万米ドルに倍増させる計画を再確認している。遠東新世紀は、アセアン自由貿易地域および環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)への加盟、近く発効されるEUとのFTA、豊富な労働力供給、そしてアセアン経済における中産階級の拡大による需要増大によって、ベトナムにおける製造業の恩恵を享受しようと態勢を整えている。

「現在稼働中の年産能力40万トンのPETラインや染色加工工場を含め、垂直統合された生産拠点の建設が完了しました。また、ポリエステル長繊維・短繊維工場の増設も進めています」と報告書は述べている。

会見では、ベトナムでの新しいPETの処理能力が向上した後、極東新世紀は世界3PET生産企業のひとつになると予想されている。PETとは、ポリエステル樹脂の中で最も一般的な樹脂であるポリエチレンテレフタレートを指し、衣料用繊維や食品・液体容器に使用されている。

 

チャンスを掴む

台湾の製造業を代表する中華民國全國工業總會のWang Wen-yuan会長は 、ベトナムは台湾の発展戦略において重要な投資先であり続けていると述べた。「台湾は今後、衣料品や繊維製品、履物業界への投資を増やしたいと考えています」と彼は言う。

台湾を拠点とし、主要国際ブランド企業の製造会社であるPou Chenは、ベトナムにいくつかの履物製造子会社を有しており、推定年間輸出収入は15億米ドルである。同社はベトナムのFTAを活用し、ベトナムでの生産を引き続き強化するとみられている。Pou Chenの広報担当者Ho Ming-kun氏は、同社は南アジアと東南アジアに生産拠点を持っているため、履物製品は中国製品に対する米国の関税の影響を受けず、リスクを低減していると指摘した。

今年第一四半期のベトナムの生産比重は46%、中国は14%、バングラデシュとミャンマーはそれぞれ3%だった。2016年初頭から、子会社のPouSung Vinaが数千人の労働者を採用し、ベトナムのPou Chenの労働力は22000人近くになった。台湾企業の中には、例えばYuan Chi GroupがベトナムVega Ballsのイニシアチブの下で2つの新工場の開発計画を発表したように、大規模な投資が行われている例もある。

これらの製造業者はベトナムへの投資の先駆者であり、FTAという機会を歓迎している。1月にベトナムに対し発効されたCPTPPを通じ、多くのCPTPP市場に輸出されているベトナムの履物製品の78%は、以前の税率と比較して、関税なしまたは75%の減税を受けている。革靴の輸入税は、協定発効後16年を目途に段階的に軽減・撤廃される。メキシコ・ペルーに輸出される履物に対する関税も着実に削減されており、同時期に撤廃される予定であり、ベトナムの企業がビジネスを拡大する大きな機会に繋がるだろう。

一方、この新協定は製品の原産地に関する厳しい要件を設定しており、特に中国、インド及び他のアセアン加盟国からの輸入原料に大きく依存している場合には、繊維・アパレル・履物部門の企業にとって大きな課題となる。

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最終更新:2019年07月30日

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