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<製造業の移動>貿易戦争により、ビジネスが 「世界の工場」から移転(後)

(前編より)

 

-労働問題-

中国の米国商工会議所が今月行った調査によると、中国にある米国企業の40%以上が、東南アジアやメキシコなどへの移転を検討しているか、すでに検討したことがあるという。

しかし、この移行は一筋縄ではいかなそうだ。東南アジアは低賃金労働国であるが(中国の約540米ドルに比べ、ベトナムの工場の月給は約290米ドル、カンボジアとインドネシアの工場の月給は180米ドル)、労働者の経験が浅い。

「中国では人件費は3倍ですが、効率も3倍です」と、ベトナムの米国商工会議所の製造委員会の共同議長であるFrank Weiand氏は述べる。また、利用できる労働力のプールが小さいということもある。

国際労働機関のデータによると、ベトナムの製造業部門の従業員数は約1000万人で、中国は16600万人である。また、インドネシアが1750万人、カンボジアが140万人となっている。専門家は、中国からの過剰流出を吸収する能力がなければ、企業は発展途上国市場でサプライチェーンの問題、インフラの問題、土地不足に直面する可能性があると警告する。

 

-グローバル化-

これはインドネシアの問題かもしれない。インドネシアは煩雑な官僚制度のせいで、近隣諸国に後れを取っているからだ。

しかし今、インドネシアは貿易戦争から外国投資を吸収しようとしている。

「われわれは、投資家が事業許可を得る手続きを迅速化することで、投資を容易にしようとしています」とあるインドネシア投資委員会の幹部は述べ、インフラ整備や人材育成に力を入れ、法人税減税も実施しています、と付け加える。

アナリストらは、貿易戦争の終焉が見えない中で、中国からの製造業の移転は今後も続く可能性が高く、長年定着してきた世界の貿易パターンが再定義されるだろうと指摘する。

「「米国の工場 」としての中国の支配に終止符が打たれることは間違いないでしょう」とピーターソン国際経済研究所のシニアフェローであるGary Hufbauer氏はAFP紙に対し述べる。米国企業や消費者にとっても、中国からの輸入品に対する関税が高いということは、平均的な米国人がナイキのスニーカーやリーバイスのジーンズに、より多くのコストをかけなければならないことを意味する。

そして、もしトランプ大統領が「アメリカを再び偉大にする 」クラリオン・コールの一環として、これらの関税を課すことで米国の製造業者を本国に呼び戻そうとしているとしたら、彼の望みは叶わないだろう。米国の産業と賃金は、中国ほど低コストの製造業には向いていない。代わりに、ベトナムのような国は、そのような仕事を獲得し続ける可能性が高い。

「もっと注文があるといいのですが。より多くの仕事と収入を得ることができます」とハノイのGarco10工場で縫製するLe Thi Huong氏は話す。

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最終更新:2019年05月31日

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