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ミャンマー:欧州市場のサプライヤーである縫製工場が労働組合代表を標的にしていると非難(1)

労働者や活動家は、欧州主要ブランドの供給元も含めたヤンゴンの縫製工場における組合活動の弾圧を申し立てている。

本紙Frontier12月にMa Thin Thin Aye氏と会った際、Ayeyarwady Delta出身の33歳のシングルマザーであった彼女は、将来についてあまり考えすぎないようにしていた。彼女は2人の子供と要介護の母親がおり、西ヤンゴンのHlaing Tharyar TownshipにあるInfocham縫製工場で3ヶ月前に職を失っていた。それ以来、彼女は他の4つの工場で求職したものの、いまだ面接に進めずにいた。

Thin Thin Aye氏は、ミャンマーで基本労働組織として知られている小さな労働組合の議長を務めていた。その労働組合は、ミャンマーのPou Chen Co, Ltdとの契約に基づき、スポーツウェアブランドのアディダスに供給するロゴを製造するにあたり、Infocham縫製工場の労働者によって立ち上げられた組織だ。労働者への要求がより不条理になったため、Thin Thin Aye氏と他の上級労働者は、ほとんどの中国の工場管理者とより良い条件を交渉しようとした。

「会社には機械オペレーターやシルク縫製者として雇用されていたにもかかわらず、私たちは荷物の運搬を強制されました。私たちは一般的な労働者ではありませんでした。また、職場では失礼で時には暴力的な言葉が使われていました」とThin Thin Aye氏は説明する。

Thin Thin Aye氏と同僚に対する要求範囲は、熟練作業を担う労働者に対するボーナス水準の決定から、女性・男性用のトイレの仕切り作りまで渡った。彼女らは、経営者は労働者側と真剣に交渉していないと考えていたため、昨年729日に工場の62人の労働者全員を代表すると表明し組合を結成した。911日には、Thin Thin Aye氏と他の3人の組合代表が略式解雇された。

 

欧州ブランドへの影響

労働権利活動家によれば、Thin Thin Aye氏に起こったことは珍しいことではない。労働組合活動に積極的に関わった労働者に対する嫌がらせおよび不当解雇は、履物・縫製部門では当たり前のことであるとのことだ。さらに、労働活動のため解雇された人々は、工場は雇用者が面倒だと思う労働者に関する情報を共有していると疑うくらい、他の工場で仕事を見つけるのが難しい。

しかし注目すべきは、これらの会社が労働者の組合結成権を明確に認める方針を掲げているにもかかわらず、このような慣行が依然として欧州の主要ブランドや小売業者のサプライヤーとなる工場で起こっていることだ。ブランドにはアディダスだけでなく、世界的なディスカウントスーパーマーケットチェーンのLidlAldi、および非公開企業となるデンマークのアパレル・卸売業者であるBestsellerも含まれる。

本紙Frontierによる調査は、デンマークの独立系調査ニュース組織Danwatch、およびMyanmar Nowと共同で、4つのブランドを提供するヤンゴンの6つの縫製工場で、基本労働組織の代表らに対する差別の証拠を発見した。調査ではまた、トイレの休憩時間が不適切であることや、監督者による虐待的な言葉の常用など、その他さまざまな苦情を裏付ける証拠が明らかにされた。これらの慣行の多くはブランドポリシーに違反しており、場合によってはミャンマーの法律に違反しているように思われる。

ミャンマー労働組合連盟の実行委員会メンバーであるDaw Khaing Zar Aung氏は、「工場管理者による基本労働組合の代表また労働者に対する扱いは受け入れらるものではなく、明らかに集会および結社の自由権利を侵害している。」と述べる。

本紙Frontierは、問題を起こした各ブランドに質問した。全てのブランドの回答が、サプライヤーとの会合を開くなど、申し立てを調査しまた対処するための措置を講じているとのことであった。場合によっては、サプライヤーは環境的・社会的責任の遵守に焦点を当て、ミャンマーにおける衣服の持続可能な消費と生産を支援する、SMARTミャンマープロジェクトにサプライヤーを加盟させていることに触れた。

ミャンマーの20億米ドル規模(その急激な成長はまれな経済的成功事例である)の縫製部門が、欧州市場への輸入課税や輸入割当なしのアクセス(縫製の輸出は現在この対象となっている)を見直すというEUの決定によって脅かされている中、RakhineKachinShan州における国連捜査官からの重大な人権侵害の申し立て、および労働権への懸念から、この申し立ては発生した。

222日、EUからの視察団は、Everything But Arms貿易スキームの下でミャンマーの貿易特権を無効にするか否かを決定する前に、人権と労働権の指標に関する進捗を確認するべく2回目のモニタリング視察を完了した。

ミャンマー縫製製造業者協会のデータによると、2018年には欧州が縫製輸出の47%を占めており、今年は60%に達すると予想されている。SMARTミャンマーのチームリーダーJacob Clere氏は、欧州の大手バイヤーが、労働安全衛生の向上、および未成年労働、差別、強制労働などの問題への対処により、この労働水準を引き上げるのに一役買ったと述べた。当初、一部のブランドや小売業者はサプライヤーへのサポートが不足していたものの、最近ではより関与するようになった。

「それらの企業は監査を行うだけではなく、サプライヤーの管理能力を高めようとしています。」と彼は言う。しかし、ブランド企業は工場を所有または管理していないため、サプライヤーで労働者が直面している状況は、依然として認識がかなり異なる可能性がある、と彼は付け加えた。

一方、組合問題への取り組みはより困難になっている。欧州へ輸出する工場の多くは、労働組合主義が本質的に禁止されている中国やベトナムなどの国から事業をシフトした外国人投資家によって所有および管理される。彼らのミャンマーの法律に関する知識もまた不十分である可能性が高い。労働組合主義はミャンマーにとっても新しい隆盛だ。SMART2013年に縫製工場で始まったとき、組合はほとんど存在しなかった。

「誰もがこのシステムにおける権利と責任を把握しようとしています。」とClere氏は言う。「フラストレーションとなっているのは、あまりにも多くの不条理で暴力的な係争を目にすることです。」

 

2へつづく)



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最終更新:2019年03月15日

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