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カンボジア:遅延していた労働法の施行--雇用者の年功補償が必須に(前)

カンボジア労働法は、1997年の制定以来ほとんど手付かずのままであったものの、昨年の政府による改正案により、22年間の歴史の中で最も重要な変化が起こっている。2018年中頃より、カンボジア労働法と福利厚生を強化また改善するため、多くの専門職による活動が起こった。簡潔に述べると、雇用主は現在、無期限の雇用契約(「無期雇用契約」と呼ばれる)を結ぶ雇用者に継続的な年金支払を義務付けられている。さらに、この年功補償は2019年以前の勤務期間に応じて遡及支給されなければならない。この支払いは多額となることが見込まれ、有期労働契約を結んでいる雇用者も、契約期間中の給与総額の5%を受け取る権利がある。そして、全従業員に月2回払いするという要件、および2019年末までに開始予定の年金制度の制定など、その他の大きな変更が伴う。

 

年功補償

2018626日にカンボジア労働法は年功補償、すなわち無期雇用契約を結ぶ雇用者に対する定期的な年金支払を含むよう修正された。年功補償制度は、以前に制定されていた解雇補償金(退職金に相当する現地の法的概念)を、無期雇用契約について置き換えたものだ。この改正また委任立法の以前は、雇用主が雇用者による重大な違法行為以外の理由で、一方的に無期期間契約の従業員を解雇した場合、解雇補償金は勤続年数あたりの雇用者の15日分の給与の割合で計算された。201911日以降、雇用主は解雇補償金を支払う必要がなくなり、その代わりに、無期雇用契約の従業員に年功補償を支払う必要がある。年功補償の支払いには、次の2つの要素がある。

1)前年の15日分の雇用者の賃金・手当の割合で計算される継続的な年功補償。

22019年以前の勤続年数に対して15日間の賃金・手当の割合で計算される遡及的年功補償。

最初の要素は、毎年6月と12月に、それぞれ7.5日分の年功手当を雇用者に支払うことを義務付けている。新規雇用者が支払期間である6月または12月の少なくとも1ヶ月前に勤務していた場合、その従業員は7.5日分の年功手当を受けとる権利がある。しかし、雇用主が最後の年功手当の支払から少なくとも1ヶ月間勤務した雇用者を一方的に解雇した場合、その雇用者には7日分の賃金・手当しか与えられない。また、解雇が雇用者の重大な違法行為によるものである場合は賃金・手当は支払われない。さらに、辞職した雇用者については、残りの年功手当を受ける権利がないことは間違いないが、これはまだ裁判所による先決例がない。

第二の要素は、2019年以前の雇用期間について、雇用主が雇用者に遡及して年功補償を提供することを要求する。遡及的年功補償は、2019年以前の各勤続年数に対して15日分の賃金・手当で計算される。遡及的年功補償の支払は一度に行われる必要はなく、支給対象となる従業員には、年功補償と同じタイミングとなる半年毎に追加で7.5日分の年功手当が支給される。衣料品、織物、履物などの縫製産業の雇用者は、遡及的年功補償がより手厚くなり、半年毎に15日分の賃金・手当で支給されるようになる。すべての場合において、遡及的年功補償の額には、雇用者の実際の賃金の6ヶ月分に相当する限度額が設けられる。退職した雇用者は、未給付の遡及的年功補償を受け取る権利はない。

年功補償の平均日給を計算する正確な方法に関して法的解釈が残っているが、カンボジア労働職業訓練省は、民間部門との協議の後、この問題についてのさらなるガイダンスを発行することを示唆している。雇用主の観点からは、この改正は潜在的な未払債務、すなわち解雇した雇用者に対する解雇補償金の潜在的な支払が、全従業員に定期支払するための流動負債に変換されることになる。これらの変更の結果として、無期雇用契約を結ぶ雇用者は総報酬の約5%を多く受け取ることになる。これは確かに雇用者にとって喜ばしい知らせだが、予算や利益率に逼迫している雇用主にとっては懸念材料となろう。

 

(後編につづく)



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最終更新:2019年03月07日

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