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カンボジア:アパレル労働者、H&Mに公正な賃金の支払いを訴える(前)

健康不安、虐待、労働搾取に蝕まれた業界で、Yim Srey Neangさんと彼女の同僚は比較的安定した安全な縫製工場の仕事を喜ばしく感じている。

彼らはカンボジアの首都プノンペンの郊外に位置するファッション業界大手のH&Mに衣料品を供給する4000人の労働者を抱える工場労働者を代表して雇用主を高く評価した。

しかし、会話がいわゆる「公平な生活賃金」に変わると、口調が重くなった。一部の工場労働者は、食糧、住む場所、教育、保健医療などの生活必需品リストを手放し、不満を並べ立てた。

Srey Neangさんは、71カ国に4800以上の店舗数を誇る世界第2位のファッション小売業、H&Mが主催する工場のツアーで「それ(賃金)は公正ではない」と語った。

「私たちの給料では貯金することができません。生きていくたけで精一杯です」

国連国際労働機関(ILO)によると、H&Mを供給する工場で働いている工場労働者は世界中で160万人にのぼり、少なくとも6000万人を雇用しているファッション業界の1つであり、Srey Neangさんは、そのうちの一人である。

安価な労働力(主に若い女性)を雇用している業界において、公正な生活賃金の概念は、労働者の事故や緊急事態によって家族までもが経済的危機に陥る可能性がある目先の給料に依存した生活を超えることを目指している。

2013年、H&Mは、バングラデシュの7階建て商業ビルのRana Plazaの崩壊により1130人の労働者が死亡し、繊維産業の劣悪な労働環境が世界的な関心を集めてから7カ月後に、サプライチェーンの改革を宣言した。

消費者や活動家は同社に行動を要求したが、2017年には約18億米ドルの税引き後利益を報告したH&Mは、5年間経った今でも同社製品を生産する労働者により大きなシェアを確保するための仕組みに取り組んでいる。

H&Mのグローバル生産責任者のDavid Savman氏は、世界中の工場で賃金が上昇している中、公正な生活賃金を受給している工場労働者数はほぼ「ゼロ」に留まっており、「労働者組合と製造業者が合意するまでは、公平な生活賃金が何であるかわからない」と、工場訪問中にトムソン・ロイター財団に語った。

一部の参加者は、それぞれのブランドが自らのサプライチェーンの中で焦点を絞って賃金を上げるための直接行動をとるよう求めているが、Savman氏はそうしたアプローチは持続不可能だと述べた。

「我々は、公正さがバラバラになった変化など生み出したくはないのです。業界全体の基準を引き上げるための枠組み、つまり我々が引きあげた後でも市場に残る枠組みを見たいのです」と同氏は述べ、H&Mは労働者と雇用者の代表が賃金に関して交渉する団体交渉を見ることを望んだと加えた。

 

新しい潮流

何十年も議論されてきた問題に取り組むというH&M2013年の誓いは、賃金構造を見直し、労働者により多くの報酬を与える5年間計画を掲げた繊維産業において初めてのことであった。

先週プノンペンで開催された「公平な生活賃金サミット」(5年間継続中)にてH&Mは、より多くの収入を得る方法を教育した労働者、および代表者を選出できる従業員数が目標を上回ったと報告した。

米国の非営利団体であるThe Microfinance Organizationは、H&Mの第2の供給源市場であるバングラデシュの180人の工場員を調査し、スウェーデンの巨大サプライチェーンの労働者が他の工場労働者よりも多くの収入を得ていることを明らかにした。

これらの労働者は、毎月8米ドルを食費に費やし、負債の負担が少なくなり、より良い健康状態になったと報告している。しかし、調査によると、H&Mのサプライチェーンの多くのスタッフは、平均時給49セントというバングラデシュの労働法に違反する時間給で従事しており、労働組合員は「全体を見回してもほぼ存在しない」という。

H&Mは、この調査は全般的に、労使交渉の場において政府の影響を受けずに工場の上司と直接対峙し、低賃金を保つことに異論がない労働者を求めている、と述べている。

Savmanは、工場の上司達は当然これを恐れており、そのため、H&Mは工場オーナーとの購入交渉から賃金を取り除き、発生した変動を補うことで賃金に制限を付けることを約束した、と述べた。「彼らを労働コストから切り離し、交渉の場に自信をもって来られるようにしたい」と彼は語った。

 

(後編につづく)



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最終更新:2018年12月20日

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