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カンボジア:故郷での雇用機会を夢見る移民労働者(後)

(前編より)

 

国際労働機関(ILO)によると、タイにおける移住労働者の平均月収は163米ドル、マレーシアでは137米ドルである。これは多くの労働者にとって短期的な利益にはなるが、移民の多くは管理されていないためかなりの危険が伴うと専門家は指摘する。

ほとんどの移民労働者は祖国へ戻った後、失業者となってしまう。彼らに対する雇用機会や就職斡旋制度が不足しているためだ。

労働者の権利擁護団体CentralMoeun Tola会長は、200万人以上のカンボジア人が移民労働者であり、そのほとんどが信頼できない仕事に就いていると述べた。「これらの移民労働者は、出国期限前に本国へ送還されることになっています。彼らはそこで永遠に働き続けることはできません。なので、一度外国企業が労働者を雇うのを止めれば、私たちは深刻な問題に直面するのです。多くの失業者が出るでしょう。政府がこの問題に対応すべきなのです。そうでなければ、これら失業者達はすぐに、食べ物を手に入れるために盗みや強盗を始めるでしょう。それは、社会全体への負担になります」とMoeun Tola会長は述べた。

ILOと国際移民機関(IOM)によると、カンボジア移民労働者の10人に8人が人権侵害を体験している。また、彼らの約70%は、現地到着後から身体的・精神的健康問題を抱えている。

経済学者のNgeth Chou氏は、移民労働者のほとんどが海外での就労中に技能を高めず、それはつまり、本国へ帰国後も国を去ったときと同程度にしか雇用されないことを意味すると述べた。また、経済移民の結果として、より多くの高齢カンボジア人が両親が海外で就労している間の彼らの子供たちの世話を任され、より多くの若者たちが早くに学業から去ることを余儀なくされているとChou氏は付け加えた。

「私は、未熟練の経済移民が長期的な利益になるとは思えません。むしろ短期的な解決策です。私は自身が競争市場にいるので、この問題に重大な懸念を抱いています。さらに悪いことに、私たちは物を作ることがまったく得意ではなく、私達の人的資源は外国の経済を支えています。これでは、私たちが競争から利益を得る可能性はほとんどありません」とChou氏は述べた。

ILOによると、自身の技術に合った仕事を海外で見つけることができるのは、カンボジア人20人に対し1人だけで、移民労働者は現地人に人気のない低賃金産業の需要に合わせて雇われているという。

しかし、労働省報道官のHeng Sour氏は、全般的に経済移民はカンボジアにとって長期的利益になると話す。「移民労働者はより高い収入を得て、新たな労働経験を得ます」と述べ、移民労働者の帰国後の状況改善に政府が取り組んでいると付け加えた。

「まず私たちは、違法に海外滞在していた移民労働者たちを保護する制度を作らなければなりません。次に、彼らが送還された場合、彼らがどの仕事を続けることができるか考えられるように情報提供をする必要があります。また、彼らの海外就労技術と経験を証明する必要もあります」とSour氏は述べた。

過去数年間に渡る大規模な政府の取り組みと、2014年以降にタイが不法滞在の移民労働者数万人を強制的に送還してくるで、何十万人と言うカンボジア人が移民労働者として登録している。

近年では、当局により1000人近いカンボジア人が虐待的環境から救助されている。

CentralTola会長は、政府の対策は不十分だと話す。

「政府は、経済移民防止策を打ち出すべきです。賃金を定め、農業を促進するために人々への特権として土地を与えることで労働市場を強化するべきなのです。

私達がこのような行動を実行すれば、移民を防ぎ、国内で労働者に仕事を提供できるようになるでしょう。もし、彼らがカンボジアで仕事を見つけられない場合、彼らは国外へ行き他の仕事を探さねばなりません」とTola会長は述べた。

このような考えはカンボジアの移民労働者に好評だ。

「政府が国民にもっと仕事を提供することを望んでいます。そうすれば、国を離れて国外で働く必要は無いのです。外国では、年齢は関係ありません。仕事の無いカンボジアとは異なり、いつでも仕事を見つけることが出来ます。私は故郷で仕事が欲しいのです。海外で働きたくありません」とYenは述べた。



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最終更新:2018年08月21日

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