インドシナニュース

カンボジア:故郷での雇用機会を夢見る移民労働者(前)

Phorn Yen氏にとってカンボジアを去ることは、本当に仕方のないことだった。

多くの同国人のように、Yen氏と彼の妻は故郷ポイペトに子供を残し、仕事を探すために隣接するタイへと渡った。カンボジアにおける物価が急速に賃金を上回ったからだ。

Yen氏は家族に1万米国ドルほどのささやかな家を購入するため、十分なお金を貯めたかった。彼らがポイペトを去った2013年の平均年間世帯所得が850米国ドルだったことを考えると、1万米国ドルは巨額である。

この夫婦は仕送りをするために毎月約600米国ドルを貯めることが出来たが、外国で働くことの難しさが彼らに負担となっていた。Yen氏と妻は今年初めにポイペトへ戻ったが、それ以降、仕事を見つけることができていない。

「どう働けば良いのかまったくわかりません。お手上げです。気候が農作物生産に向いていないため、農業は選択肢にはなりません。漁業も考えたのですが、採算が合いません」とYen氏は述べる。

2005年以降、就職口も農業の仕事さえもない貧しい村や地域からの何百万というカンボジア人たちが同じ道をたどり、自立や新しい機会を求めてはるか遠くの地まで行くカンボジアの若者も増えている。

同国政府がタイや他国への経済移民の一部を支援している一方で、仕事を求めて海外へ行く多くのカンボジア人は不法就労をしている。合法経済移民でさえ、不法ブローカーや外国企業による搾取といった問題を抱えている。

2014年に工場労働者による激しいデモと治安部隊の衝突で少なくとも5人が死亡し、その後、カンボジア労働組合は政府から譲歩を引き出し、アパレル縫製工場労働者たちの最低賃金は月170米国ドルまで引き上げられた。しかし、賃上げは生活費上昇に追いつけていない、と専門家は言う。

2014年にタイへ移ったカンボジア人アパレル縫製工場労働者のSok Heng(32)によると、環境や賃金は彼女が以前働いていたコンポンチャム州で提供されていたものよりもかなり良いという。

「カンボジアでは賃金が上がれば賃料も上がりました。タイは違います。賃金が上がっても、出費は増えません」

しかし、状況が改善されたのにもかかわらず、Heng氏はいまだ故郷にいる家族を養うほど十分に稼げていないと言う。

故郷を離れたくなかったし、賃金や環境が改善されるなら故郷へ戻りたい、とHeng氏は話す。「もう疲れました。ホームシックなんです。ここはカンボジアとは違います。私達は家族と遠く離れているのです。たとえ空腹でも、家族と一緒に住む方が良いですし、幸せに生きられます。しかし、故郷に戻っても、仕事があるかどうかわかりません」とHeng氏は述べた。

かつて韓国で出稼ぎ労働をし、現在はカンボジアでタクシー運転手をしているYon Chomnab氏(30歳)は、自身のために明確な貯蓄目標を設定することが故郷から離れて過ごすことに役立つし、帰国後に自身で小さな会社を始める計画に集中して取り組むことができる、と述べた。

「出稼ぎを終えた後、次に何をするか?いくら貯蓄できるか?自身で適正に資金管理をしなくてはいけません。そうしないと、仕事をしようと他国へ到着しても、仕事をしに来たことを忘れ、ただ浪費してしまいます。何も持たずに故郷へ戻ってくるのは危険です」と彼は述べた。



(後編につづく)



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最終更新:2018年08月21日

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