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ベトナム:eコマース大手各社、国内市場における収益確保に苦戦(前)

オンライン小売業者各社は、競争の激しいベトナム市場において運営コストが高騰しているため、長い間収益確保に苦労してきた。

ベトナムで最も人気のあるeコマースサイトの1つを運営するTiki.vnは、直近2年間で3220億ベトナムドン(1400万米ドル)もの損失を計上した。

衣料品、家庭用品、電子機器など様々な製品を販売するTiki.vn2017年に計上した損失額は、2016年の7倍にもなり、資本金を3倍に増資する要因ともなった。

近年損失に苦しむeコマース企業はTiki.vnだけではない。

2016年に中国の大手小売企業であるAlibabaに買収される前年となる2015年に、Lazada Groupはベトナムを含む東南アジア市場において33400万米ドルの損失を計上したと発表した。TechCrunchによると、この損失額は2014年の2倍に膨れ上がったという。

Lingo.vnDeca.vnBeyeu.comなどいくつかの地元eコマース企業は長期的な損失に苦しみ、閉鎖を余儀なくされている。



オンライン小売業者の課題

専門家によると、eコマースは投下資本を回収し、収益を獲得するのに時間を要する産業であるため、ベトナム市場における大手企業各社の損失はある意味当然なものだという。 米国のAmazonAlibabaのようなeコマースの巨大ブランドでさえ、収益を獲得するのに10年間を要した。

運営コストの中でも特に、物流コストが損失計上の主な理由の1つである。大手eコマース企業では、数千平方メートルの敷地と数百人もの従業員を抱える大規模な倉庫を必要としており、その物流コストは売上の6070%を占める、と専門家のVu Vinh Phu氏は述べた。

この莫大な費用負担の問題はTikiLazada Vietnamの場合でも同様で、各社ともホーチミン市に、4000平方メートルを超える敷地に300人の従業員を抱える倉庫を保有している。これらの倉庫の運営コストは、1ヵ月当たり10億ベトナムドン(約44000米ドル)もかかると推測される。TikiLazada Vietnam両社で3カ所の倉庫を運営しているため、年間200万米ドルものコストがかかっていると地元メディアは報じた。

加えてマーケティング費用が、ベトナムのeコマース企業にとって高額のコスト負担の一因となっている。市場に参入する際にLazada Vietnamは、ユーザーを増やして市場シェアを獲得するために、テレビやオンライン広告に多額の投資を行った。地元メディアによると、この会社では広告宣伝のために最大で月額200万米ドルを費やしていたという。

またFacebookZaloなど、ソーシャルネットワーク上でのショッピングが人気となったことが、大手オンライン小売業者にとっての新たな課題を生み出している。不動産コンサルティングを行うSavills Ho Chi Minh CityPham Thai Binh代表は、「LazadaTikiShopeeなど大手eコマース企業と、ソーシャルネットワーク販売業者の間の競争は不均衡なものとなっています。」と述べた。

ソーシャルネットワーク上のビジネスは高い投資コストを負担する必要がないため、商品価格帯が低く、多くのベトナム人ユーザーを惹きつけいているとBinh氏は述べた。一方で大手オンライン小売業者は、スタッフ、運営システム、その他関連コストに多額の投資を行わなければならない、と彼は続けた。

ベトナム人は製品に実際に「触って確かめる」習慣があるため、オンラインサイトで実際に注文するのではなく、ただ情報を収集しているだけのことが多い。情報と顧客サービスツールの欠如もまた、この問題の一端を担っている。

市場で生き残るために、ベトナムの大手小売業者は価格競争のプレッシャーに晒されており、そのことが損失の計上につながっている。地元メディアの報道によると、投資家からの圧力によって、多くの企業では時には市場価格の1020%引きで販売せざるを得ないという。



(後編につづく)



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最終更新:2018年05月23日

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