インドシナニュース

タイ:「弱まった」労働者の権利

最低賃金の引き上げにもかかわらず、労働組合・労働者団体は軍事政権を酷評

51日、タイ全国で労働者がメーデーのイベントに参加し、雇用の不公平や雇用者の権力の減少がタイ労働者の幸せを損なっていると労働権利団体が強調した。プラユット・チャンオーチャー首相は国中の労働者の状況を改善すると約束し、メーデーのプレゼントとして、タイの全労働者の最低賃金を5%引き上げたと語った。

労働者の権利に関する問題は解決しておらず、国家平和秩序評議会(NCPO)による「全体主義」政権が問題をさらに深刻化させていると労働組合主義者は訴えた。タイ労働会議と繊維産業・革細工組合は共同で声明を発表し、軍事政権は今年中に選挙を実施して人民に権力を返還すべきだと訴えかけた。そうすることで自由・平等・友愛と人権の理念の下、労働者の生活は改善し、よりよい社会になるだろうという。共同声明の中では主権が人民のものであると主張され、NCPOは政治、経済、文化に関する力を人民に返すべきだと命じた。政治に関して労働者団体は、今年中の選挙実施、NCPOの指揮権の取り消し、 職場においての労働者の投票権の保証、社会保障制度に対する改正の取り消しなどを求めた。経済に関しては、累進課税徴収の強化や全労働者に対する適正な賃金体系の保証などが求められている。文化面では、教育システムの改正、全人民に対する教育の無償化、十分な社会保障制度、社会保障専門の病院の設立などを労働組合が強調している。

在バンコクアメリカ大使館で平和的なデモが行われている際に、4人の労働権利擁護者が罪状もなく警察に拘留された。逮捕された4人はタイ貧困者連合(AOP)の役員で、ジェネラル・モーター(GM)タイランドの労働者に対する労働権の違反の緩和策を訴えかけていた。GMタイランド労働者組合のリーダーのBoonyuen SukmaiNaruphon Meemuan,、組合コーディネーターのChanchai ThoopmongkolNatin ChaonsriTheyは、公共の場で集会を行うことは禁止されているとして警察に逮捕された。これに対しBoonyuenは、平和的デモンストレーションに関する法的要件に基づきグループは関係当局に2日前に前もって通知を行っていたことを警察に説明していた。また同様に、大使館に対しても彼らの予定を連絡していた。Boonyuenによると、警察は彼らをルンピニ警察署に連行して尋問したうえで、逮捕歴がないかを確認したという。のちに、4人とも罪状なしに解放された。

GMタイランド労働者組合のメンバー約70人が、ワイヤレス・ロードで行われたアメリカ大使館に対する行進に参加していた。行進の目的は、アメリカ政府とGM本社に対して、GMタイランドの労働者116名に対する不当な扱いへの助けを求めることにあった。警察は当初、大使館への行進を認めず、代表者3名だけが嘆願書提出のために大使館に入ることを許可していた。

「タイで行われる捜査をアメリカでも注意深く監視し、GMの子会社による労働権の違反を調査し、ILO条約が順守されていることを確認し、アメリカのGM本社に対してきちんと私たちの嘆願書を提出するよう、アメリカ政府に要請しました。」とBoonyuenは述べた。Boonyuenによると、工場閉鎖時の労働者の保護策が依然としてなく、不当な一時解雇、職場における不公平な扱いなどが横行しているという。

一方、プラユット首相は全労働者に対する愛を語り、最低賃金の引き上げや社会保障制度・退職システムの改正など、これまでにないメーデーのプレゼントを全国の労働者に対して政府が贈ったことを説明した。「どうか我慢強くいてください。労働者は、国の発展の要です。労働者こそが、政府が最も注力している人的資本なのです。」と週次の記者会見でプラユット首相は語った。「すべての人を愛しています。人々の問題は認識していますが、投資、経済、そのほかのことを考慮に入れつつ、問題は徐々に解決していかねばなりません。」予算には限りがあり、労働者の問題を一気に解決することはできないのだと首相は説明した。国は税制面でのメリットや低い最低賃金を保証することで投資を呼び込み、他国との競争を行わなければならず、労働者は政府が直面しているこの状況を理解してほしいと首相は訴えかけた。



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最終更新:2018年05月07日

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