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ベトナム:第4次産業革命(4IR)に乗り遅れないための取組が必要(前)

ベトナム経済は第4次産業革命を受けて急速に変化している。元国際協力・投資委員会(現計画投資省)副議長の Nguyen Mai博士は、特に外国直接投資の面において、この産業革命がベトナムにいかに影響を与えるかについて執筆した。

 

世界は、ベトナムを含む世界中の多くの国々に様々なビジネスチャンスを開くことになる第4次産業革命(4IR)の進展を目の当たりにしている。一方でベトナムが本当に工業化へ向かうのであれば、一足飛びに第4次産業革命(4IR)を志向するのではなく、まずは第2次産業革命に注力すべきとの意見も寄せられている。

実際のところベトナムは、世界のバリューチェーンの中で自国の地位を高めようという熱意と、その結果得られた様々な実績をもとに、世界経済に深く組み込まれている。ベトナムでは現在、社会的・技術的インフラの整備を含む第二次産業革命を推進しているが、また一方ではIT、オートメーションシステム、インターネットの発展に伴う第三次産業革命にも対応している。そしてこの国では、地域や世界の発展に追いつくために、4次産業革命(4IRにも積極的に関与しようとしている。

20175月に首相は、インフラやITアプリケーションの革新に向けた多くのソリューションの導入、国の事業環境の改善、国家開発における重要戦略製品の選出、エコシステムビジネスの立ち上げなど、4次産業革命(4IRに対応するために必要な国力を強化する法令を施行した。

 

外国直接投資への影響

4次産業革命(4IRにおいて外国直接(FDIをさらに誘致するには、ベトナムは政策の転換が必要とされている。ベトナムでは今のところ、ハイテクや環境技術、教育トレーニング、研究開発(R&D)、ヘルスケア、インフラに対する外国直接投資(FDIを最優先としているが、4次産業革命(4IRにおける IT、エレクトロニクス、インターネットオブシングス(IoT)、人工知能、バーチャルリアリティ、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、メカニック、自動化、バイオテクノロジーに対する外国直接投資(FDIが、高付加価値分野への効果的な突破口になると考えている。

ベトナムがグリーン成長の目標を達成するには、セメントや鉄鋼、石油精製などに対する外国直接投資(FDIプロジェクトを推奨するのは望ましくない。投資家を選別することによってこうした種類の外国直接投資(FDIを制限し、発電所に現代的で効率的な技術を導入すべきである。また、太陽光、風力、潮力などの再生可能エネルギー源を利用するプロジェクトの建設に、より多くのインセンティブが提供されるべきである。

開発レベルの比較的高い地域においては、高い技術と付加価値を求められる分野や製品への外国直接投資(FDIを誘致し、労働集約的で環境に負荷をかけるプロジェクトを誘致すべきではない。こうした方針によって、ベトナムは新たな成長モデルの構築が可能となるであろう。

一方で開発レベルの低い地域においては、経済大国との間の経済格差を縮小するために、インフラ整備を推進すべきである。また、繊維、衣料品や履物分野における労働集約的なプロジェクトに向けた特別な施策を取るべきである。そして近代的なテクノロジーやサービス産業に対する投資を誘致するために、観光やサービスを開発したり、近隣地域における外国直接投資(FDI企業とのコネクションを活用したりすることも必要であろう。

また、中小企業からの外国直接投資(FDIを誘致し続ける一方で、ハイテク分野において世界で活躍するようなリーティング・カンパニーや、高付加価値でグローバルレベルでの競争を可能とする高品質製品を生み出すための巨大なR&Dセンター建設などの投資を誘致するようにすべきである。

ベトナムが魅力的な投資先となり得ることの証明として、Samsungグループは携帯電話事業のグローバル製造拠点にベトナムを選択し、昨年は500億米ドルの輸出売上を計上したが、この売上はベトナムにおける輸出総額の約25%を占めることとなった。

ベトナムの外国直接投資(FDIインセンティブ政策は、各プロジェクトの効果に沿ったものとすべきである。そして投資インセンティブを受けられるプロジェクトは、開発に向けた最優先プロジェクトとしてリストアップされるべきである。

 

(後編へ続く)



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最終更新:2018年03月10日

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