インドシナニュース

ベトナム:H&M、ファストファッションフィーバーを巻き起こす(前)

ベトナム二大都市の一つでは、ファストファッションブランドが紛れもない大成功を収めている。しかしながら、こうしたブランドが成功する一方で地元小売業者は一歩退く形になっている。

H&Mがベトナムでファストファッションフィーバーを巻き起こしているのだ。

 

流行だけにはとどまらない

流行に敏感なLe & Brothers Co., Ltd.の広報部員Thuy Linhさん (26)は、衣料品はもちろん、化粧品や香水などに毎月600万ベトナムドン(264米ドル)を費やすという。大衆にも人気なH&MやZaraの2ブランドの他にも、Rap Thiet Ke、Magonn、Design、Up to Seconds、LIBÉなどのいくつかのベトナム高級デザイナーブランドがLinhさんの買い物リストにしばし名が挙がっている。

「ファッショニスタ(ファッションセンスが抜群で最新のトレンドを常に把握している人たち)をフォローの上、彼らのスタイルをチェックし、変化をすぐに追っています。H&MやZaraの服はシンプルで肌をそこまで露出しないので私に合っています。」とLinhさんは語った。

Linhさんのような趣味を持つ人々は数多くおり、9月9日に行われたホーチミン初のH&M店舗のオープニングは数千もの人々を惹きつけるイベントとなった。会場では新シーズンの衣料品全てが20%割引となるなど、熱は高まる一方であった。

食品・娯楽業界の個人実業家であるLe Thai Sonさんは90年代後半生まれで、自他共に認めるZaraファンだ。「私のクローゼットの30%がZaraで占められていますし、H&Mの商品もいくつかあります。」

こうした商品はSonさん自身が海外旅行中に買い求めたか、ブランドに直注文したものである。

「次にホーチミン市に出張する際は必ずH&MとZaraに立ち寄ります。」

スイスで修学し、これまでに世界中の数多くの国々を旅行したことがあるSonさんは、一流で名も知られたこれらのブランドがベトナムに来たことを大変喜んでおり、一般に受け入れられることを望んでいる。

「こういった変化がなければ、同系列のベトナムファッションブランドが商品やコミュニケーション戦略に進んで投資を増やすことはないでしょう。」とSonさんは語った。

LinさんやSonさんの様な仕事を持つ若者にとって、H&MやZaraの価格は非常にリーズナブルである。こうしたブランドが代理店を通すことなくベトナム市場に直接参入したのにはこういった背景もある。

さらに重要なことに、こうしたブランドは顧客の需要を巧みに満足させることに非常に長けている。店で買い物をすれば、売り棚に溢れる色やスタイルの豊富な選択肢に多くの客が少しめまいを感じるほどである。

「恐らくこれが彼らの戦略なのです。買い物客が特定の商品を見過ごしたとしても、次の売り棚には似た様な商品が並んでいます。また求めるスタイルやサイズが売り切れているとしても、似た様な商品はいくらでもあり顧客の購買意欲をそそります。」とSonさんは述べた。

Zaraに対するSonさんの賛称は、有名ファッションブランドが行う「魔法」の様ななビジネス戦略からも来ている。世界的に有名なブランドが人気商品を出せば、Zaraはほとんどそっくりの商品を、低所得層や予算に敏感な顧客向けの低い価格で直ちに売り出すと言う。

加えてZaraでは売切れる分しか生産しない様、各シーズンごとに商品数を厳格にコントロールしているため、在庫をほとんど持たない。気に入ったらすぐに買わなければ2度と買えないと言うプレッシャーを顧客に与えるのだ。

Sonさんは毎月収入の30-50%程をファッション品の買い物に費やす。ZaraやH&Mで1000万ベトナムドン(440米ドル)もあれば沢山の商品を購入するのに十分な額である。しかし、Sonさんは特別な日のためにGucciやOff White、Givenchy、Saint Laurentなどの高級ブランドも試している。

「私の様な世代やスタイルの顧客にあった流行商品を高級ブランドは周期的に発表しています。恐らく5-7年のうちに、私がZaraやH&Mなどのファストファッションブランドのアイテムを使うことは少なくなると思います。」とSonさんは述べた。

現在、ベトナムの若者はファッションや娯楽に多くの金を費やしている。

ファッションや流行への興味がかつてないほど高まっているのは明らかである。そのため、H&MやZaraは大衆をターゲットとしており、特別なカリスマや独自のカラーを持つブランドではないが、こうしたブランドの価格の低さや商品品質の高さ、そして多くの需要を満たす様なスタイルをコンスタントに提供していくことが、ベトナムの若年消費者層を十分に魅了していることは明白である。

 

(後編につづく)


無料レポート提供中!
~~ ミラン・コンサルタント ~~
ベトナムでのアパレル生産は
中国での生産とどこが違うのか?



その他 ジャンル:
最終更新:2017年09月26日

このページのトップへ戻る