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カンボジア:Hun Sen首相、労働者の年金増額をアピール

来年の国政選挙を前に大勢の有権者らを引きつけるためにHun Sen首相は、縫製労働者に対する月額最低賃金を現在の153米ドルから「最低」168米ドルへ増額することを含めた、大幅な待遇改善策を8月20日に発表した。

2013年の国民議会選挙の前後、野党カンボジア救国党(CNRP)の党集会では賃金増を求める縫製労働者が大勢を占めた。2014年1月にはプノンペンにある工場外での抗議活動が暴動に転じ、少なくとも5人の労働者が治安部隊によって射殺された。

それ以降、アパレル部門の最低賃金は毎年着実に上昇し続けており、現在も来年の最低賃金を設定するための政府、経営者、組合の交渉が進行中である。

しかしHun Sen首相は、20日にプノンペンで開催された4000人規模の縫製労働者を前に演説し、この交渉の結論を先取りで明らかにした。メディアは会場であるKoh Pichのコンベンションホールに立ち入ることは許されなかったものの、直後にHun Sen首相はFacebookに投稿し、新しい最低賃金は、約70万人が働くアパレル産業において縫製労働者が現在稼ぐ金額より約10%多い168米ドルを下回ることはないだろうと発表した。

首相はまた、現在約50%のカバー率でしかない国家社会保障基金への加入について、1月付けで経営者に100%カバーさせる計画を発表し、さらに縫製労働者にはプノンペンの公共バスを今後2年間無料で利用させることを明らかにした。またHun Sen首相は、縫製労働者の年金制度について、労働省の計画していた年よりも1年遅い2019年に開始させると述べた。また保健省に対し、工場近接地域に病院を建設するように指示したという。

イベントを過度に政治的なものにしたとの批判に対しHun Sen首相は、今回の大衆主義的政策は縫製労働者の賃上げ問題を2013年のキャンペーン活動の柱の一つとし、長らく一党独裁であったカンボジア人民党(CPP)を追い込んだCNRPに対する対抗措置ではないと主張した。

「この賃上げは野党の要求によるものではなく、王政による多大な努力の賜物です。」と彼は投稿文にて述べた。「カンボジアをより良くするために変革をもたらすのは、CPPだけであることは間違いありません。」

Hun Sen首相はまた、地元を離れて工場の近くに住む縫製労働者に対し、7月には地元に戻るのではなく、勤務する場所近くで票を投じるよう求めた。多くの工場がCNRPの優勢な都市部に集中しているが、最近の選挙法の改正により国民は地元を離れて投票することが認められるようになっており、CNRPが既に強い基盤を築いている場所に対抗票を集めることで、CPPを有利にしようとしていると一部の政治記者は指摘した。

このイベントから帰宅する労働者らは、公約された賃上げと新しい保障に歓迎の意を示した。

政府はこの日のイベントを皮切りに、Hun Sen首相が全国の縫製労働者らと直接会い、彼らの問題をヒアリングする一連の会合を開始した。しかし出席者によると、(対話ではなく)首相の話がすべてであったと明らかにした。

「会議では何の意見も表明できず、ただ聞いているだけでした。」とプノンペンの工場で品質管理責任者を務めるMeng Kimhuot氏は言った。

また、参加者らが新しい社会保障の話によってCPPへの投票を心に決めたとは言いがたいようである。「私はその件について、今意見を述べようとは思いません。」とKimhuot氏は言った。

この国最大の独立系労働組合のカンボジアアパレル労働者民主組合連合のAth Thorn会長は、縫製労働者が年金を支給され、国家社会保障基金への拠出が免除されるこの計画は労働者にとって大いに助けになるだろうと述べた。

しかし首相が発表した新しい最低賃金については依然として低すぎるため、交渉にもっと注力すべきであると述べた。彼や他の労働組合の指導者らは、ほとんどの縫製労働者にとって1ヵ月の生活に必要な200米ドルにまで最低賃金を近づけたいと考えている。Hun Sen首相による政策宣言は法律上の執行力を伴う傾向があるが、Thorn会長は新しい賃金がもはや規定の結論であることについては否定した。

彼は今回の賃上げや新たな保障制度の背後に政治があることについては疑いようもないが、それがどれほど有効に働くかは分からないと述べた。

「今回首相が労働者側の支援という役割を果そうとしているのは、逆に労働者からの支援が必要だからに他なりません。」と彼は述べた。「もし提示された条件が十分と感じれば、労働者らは支援に回るでしょう。一方で十分ではないと感じた場合、彼らはサポートしません。」

多くの工場を代表するカンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo書記長は、新しい最低賃金の水準は近年の傾向に沿ったものだと述べた。

「それはまったく想定外の水準というわけではありません。過去3年間を見ても約10%の伸びでしたので、特別なものではないです。」

しかしGMACは、過去3年間の賃上げはアパレル業界の成長に劇的な変化をもたらし、GMACに加盟する工場では労働生産性の補完的な改善がないままに、競争力を維持するのに四苦八苦していると指摘した。衣料品輸出は前年比で増加し続けているものの、その成長スピードは減速している。世界銀行やその他機関では、少なくとも一要素としてその賃金上昇が原因で、カンボジアにおけるアパレル産業の景気減速や、以前より緩やかな成長見通しを予想している。

Loo書記長は、首相は新しい最低賃金の設定に対して経済的根拠を示さねばならないと述べた。彼はこのペースでの賃上げを続けることはできないため、政府が経営者への経済的打撃を和らげるために、何か別の政策を発表することを期待していると述べた。例えば工場では、2008年以降凍結されている1%の事業所得税の免税期間が延長されることを期待しているという。

今回の賃上げについて、「今回のような高額の賃上げは最後となって欲しい。」と彼は言った。


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最終更新:2017年08月25日

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