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カンボジア:出稼ぎ労働者には高い賃金が一番の魅力(後)

(前編より)

 

2年前に韓国に移住した28歳のカンボジア人建設労働者であるKoeun Anさんは、低学歴で、職業訓練も受けていないにも関わらず、アパート建設工事で月に2000米ドルを稼ぐと言った。

カンボジアでは、彼は農業や整備士の仕事しか見つけることができず、月給は月に50米ドル程度であったという。

「私たちは村にいる間農業に従事していましたが、ほとんど稼ぐことができませんでした。でも私たちの収入源は農業だけだったのです。」と彼は言った。「いったいどのようにしてお金を稼ぐことができるというのでしょう。私には非常に限られた知識しかなかったので、良い仕事を探すのは非常に難しいものでした。」

またAnさんは、包括的で強力な影響力を持つ労働組合の存在によって、韓国人上司のふるまいはけん制されていると言った。カンボジアでは、労働者のほんの一部しか組合に加入しておらず、今のところ組合は雇用主にほとんど影響を及ぼしていない。

「プノンペンに戻って自動車修理工場で働いても、そんな少ない収入でどうやって生きていけるのか想像もできません。」と彼は言った。

先週発表された政府の統計によると、カンボジアで急成長を遂げている建設業界では、今年上半期に49億米ドルの新規プロジェクトが承認されたという。アパレル部門では、毎年50億米ドル以上の輸出を達成しており、この国における年間7%ものGDP成長率を政府関係者は誇りに思っている。

それでもカンボジア経済は、出稼ぎ労働者が向かう豊かな近隣諸国よりもはるかに小さく、一人当たりでは貧しい水準に留まっている。

労働権グループCentralでエグゼクティブ・ディレクターを務めるMoeun Tola氏は、カンボジアの最低賃金に関する議論は、単純に賃金率を見ていくだけでなく、この国で働くことをより魅力的にするために、労働者の保護や利益を考慮していく必要があると述べた。

カンボジアの最低賃金は近隣のタイ、ベトナム、マレーシアのように、地域の生活費水準を反映したものにすべきであると彼は言った。

地域によってはベトナムのアパレル業界の最低賃金は、108~157米ドルといったカンボジアの最低賃金よりも低い水準であるかもしれないが、労働者らはきちんと保護されている、とTola氏は続けた。

「ベトナムは地域別に異なる最低賃金が設定されていますが、給与は1年に13カ月分支給されます。」と彼はボーナスについて言及した。「労働者らはまた、無料のヘルシーなランチとソーシャルネット、社会保障制度によって守られています。」

「カンボジアの(アパレル産業の)最低賃金は153米ドルですが、労働者には何も残りません。」

「2014年に政府は、カンボジアの最低生活費は月額208米ドルと算出しましたが、最低賃金はわずか153米ドルなのです。」と続けた。

 

一方でカンボジア縫製業協会(GMAC)のKen Loo書記長は、カンボジア人が国内でまともな生活を送ることができるのであれば、なぜ海外の工場で働くのかと疑問に感じていると言った。

「私にはその理由かわかりません。」と彼は言った。「アパレル部門は成長を続けています。実際海外で就労するよりも、我々の産業で働く方が良いと思われます。」

Loo書記長は、数年前は労働者がタイで働けばより多くの収入を得られた可能性があるが、今日の為替レートではタイの米ドル換算での賃金は下がっていると言った。

「彼らが出稼ぎに出る際、300タイバーツという最低賃金に惹かれるのでしょうが、(米ドル換算で見ると)以前は10米ドルだったのが、今では8米ドル程度となっているのです。」と彼は言った。

オンラインで公表されている為替レート表によると、300タイバーツは約9米ドルに相当し、タイで働く労働者は週に6日勤務すると月額約216米ドルを稼ぐことができる。Loo書記長は、この金額は「カンボジアで週7日働かずとも簡単に得られます。」と述べた。

「労働者はカンボジアの縫製工場で働くほうがずっと良いのです。」と続けた。

マレーシアに移住した36歳の縫製労働者のKhim Sophanyさんは、その意見に異議を唱える。

Sophanyさんは国内でウェイトレスとして生活するのが苦しくなり、2010年にプノンペンからマレーシアへ移住したと言った。

マレーシアでは月額最低250米ドル、もし毎日2時間の時間外労働をすれば月額360米ドルを稼ぐことができると言った。彼女は週に最大6日間勤務しているが、雇用者は食事も提供してくれ、こんな状況では国に帰ることはまずあり得ない、と言った。

「私はプノンペンの縫製工場で働きたくありませんでした。給与は満足に得られず、日々残業し、食べるものさえ満足に得られないと聞いたからです。」と彼女は言った。


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最終更新:2017年08月07日

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