インドシナニュース

ミャンマー:サステイナブル(持続可能)なアパレル工場への変革が急務(前)

世界のアパレル業界において2017年は貿易関係が先行き不透明と予想される中、大手ファストファッション・ブランドのHennes & Mauritz(H&M)は、ミャンマーのイベントに株主らを招待した。このイベントには、オンラインニュースサイトjust-styleも随行し、H&Mが労使関係を改善することでいかに工場の安定稼動を維持しているのかを示した。

最近ミャンマーにある調達センターでH&Mが主催した会議では、よりサステイナブル労働慣行を支援することがミャンマーのアパレル部門の成長を促進するとした上で、この業界でより成熟した労使関係を維持するために、人権と良好な労働条件を確保する取り組みをさらに強化すべきであることが示された。

先月ヤンゴンで開催されたH&Mの公正および公平に関する会合においては、ブランド、工場、労働組合を代表するスピーカーが講演した。

特にH&Mグループのサステイナビリティ責任者であるAnna Gedda氏は、公正で公平な職場づくりにはまだ多くの課題があり、サプライヤーを直接管理するだけでは不十分であるという考えを示した。これらの課題の多くは長年に亘るものであり、H&Mに供給する世界のアパレル工場のわずか22%が団体交渉協定を結んでいるに過ぎず、また18%しか労働組合代表を定めていないと彼女は説明した。

「同時に、多くの国の多くの労働者が自らや家族の最低限の生活を賃金で賄うことができず、その窮状を訴えることもできません。彼らは労使交渉の場を持っていないのです。」

結社の自由と団体交渉権は基本的な人権である、とGedda氏は主張した。それらはまた、生活賃金や健康と安全の問題など、他の人権問題に対処するための鍵となり得ると彼女は述べた。

イベントの開催国であるミャンマーは、何十年にも亘る孤立と産業の国家統制の末に生まれ変わった。

この東南アジアの国では昨年4月の文民政府への移行と、旧軍事政権による虐待を理由として国際社会が課した制裁が2011年以降に段階的に廃止されたことを受け、アパレル産業が急速な盛況を遂げつつある。

Adidas、Gap、H&Mなどの欧米のブランドは、ミャンマーを生産拠点として再び活用し始めた。

当分の間このスウェーデンのブランドH&Mは、ミャンマーの社会的進展について楽観的な見通しを持っている。また、H&Mグループの生産統括長であるHelena Helmersson氏は、H&Mの調達先の国では労使関係の改善が求められ、H&Mのマネージャーが現地の労使関係にプラスの影響があると考えない限り、同社では生産委託契約に署名しないとした。

H&Mではサステイナブルな労働政策として、良く機能する労使関係は労働条件を向上させ、労働争議をより効果的に解決することによって、生産はより安定することになるという考えを持つ。さらに、賃金交渉の予測可能性や最終的には価格にも影響するとしている。

この点に関しミャンマーでは、国際社会、特に欧米アパレル市場に再参入するに際し、前倒しで解決すべき懸案がある。

ミャンマー労働組合連盟のRonnie Than Lwin事務総長は、以前の軍事政権下のミャンマー社会では結社の自由がなかったという事実について強調した。「結社の自由の文化は、私たち国民にとっては新しい考え方であり、最近になって私たちの社会に再導入されたものです。」

ミャンマー労働組合連盟は24年間もの間活動を休止しており、2012年にようやく再開した。

またRonnie Than Lwin事務総長は、ミャンマーでは結社の自由に対する脅威がまだ残っていることを指摘した。彼はパネルディスカッションの中で、2015年にはアパレル工場には37以上の労働組合があったが、うち22の組合が経営陣によって解散させられたと主張した。このことは企業のためにならず、マネージャーらは独立した労働組合に属する労働者との対話のパートナーになることが重要であると主張した。

 

(後編につづく)

 


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最終更新:2017年01月12日

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