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ベトナム:EUとの自由貿易協定で課せられるハードル(前)

専門家によると、2018年に発効予定のEUとの自由貿易協定は、ベトナムで生産されるアパレル製品、履物、繊維製品の、EU加盟28か国における小売売上高を大幅に引き上げる見込みであるという。

ハノイで開かれたフランス商工会議所によるフォーラムにおいて、フランス・ベトナム両国から出席した専門家やビジネスリーダーは、協定の速やかな批准と発行を促した。

商工会議所のGuillame Crouzet氏はフォーラムにて、フランスの小売部門はベトナムに大きな関心を持っていると述べた。

フランスの小売業がベトナムに関心を寄せている理由としては、ベトナムが小売店の成長市場であること、衣料・履物・繊維製品の生産国トップ3の一つであること、さらにはベトナムを売れ筋の日用消費製品の良い供給源としてみていることが挙げられた。

自由貿易協定による関税の撤廃により中国製品に対するベトナムの競争力が上がり、EUの日用消費製品の小売輸入が急増する可能性は高い。

ベトナム繊維協会のNguyen Thi Tuyet Mai部長はこれに対し、関税の引き下げは中国だけではなく、カンボジアやミャンマーなどの近隣諸国に対する競争力の強化にもつながると述べた。

中国やカンボジア、ミャンマーからの日用消費製品の輸入が無関税であるのに対し、ベトナムの日用消費製品には現在平均12%の関税が掛けられている。そのため、全てが平等になれば貿易にも有益となるはずだとMai氏は述べた。

しかしながら、関税の撤廃は7年以上かけて段階的に行われる。

また、衣料品などの製品は厳格な原産地規則が設けられており、EUの他の自由貿易提携国である韓国原産の布地を除き、ベトナムで生産された布地を使用しなければならないという規則がある。

ベトナム企業が原材料や中間財の多くを中国から調達していることを考慮すると、運用方法を変えて原材料や中間財の調達先を韓国やその他の提携国に変更しない限りは、関税引き下げの恩恵は受けられないということになる。

その他考慮に入れるべき点としては、多くのベトナム生産者がそもそもとして関税を支払っていないため、免税の恩恵は受けないということが挙げられる。多くの小規模繊維企業はベトナム国内における代金引換払いで商品を販売しているのである。(積出地荷渡しと称される)

そのためこういった企業は関税を支払っておらず、いかなる恩恵も受けないということがMai氏によって指摘された。EUのバイヤーもまた、生産者ではないため免税の特典を受けるということはなく、関税の引き下げから恩恵を受けるということはないのである。

もしベトナムの生産者がEUへの製品輸送に売り方を変え、バイヤーに仕向地で商品の権利を受けるようにすれば(仕向地渡しと称される)、両方の当事者が関税の引き下げから恩恵を受けることになる。

この場合、ベトナムの生産者はメーカーであるEUへの輸入者であるため関税を支払うことはなく、EU内で利権が通過するためバイヤーに税金が課せられることもない。

郵送費、輸送中の損失や損害に対する保険、商品受領時の点検、支払い方法などが全て複雑になるため、これは想像するよりも難しく、多くの場合は実践的ではないとMai氏は強調した。

しかしながら、この方法の実行自体は可能で、中規模・大規模の国内メーカーにとっては多くの場合好都合であることは明白であり、また、業界全体で見直しを実行すれば、全てのビジネスに現実的になる可能性もあるという。

その他の代替案としては、EUのバイヤーに対し、ベトナムの生産者が契約メーカーから外部委託の請負人に契約のステータスを変更するということが挙げられる。

 

(後編へつづく)


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最終更新:2016年12月26日

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