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カンボジア:政府はアパレル部門の過当な競争に懸念(前)

カンボジアの海外取引先は国のアパレル部門が競合相手の増大に直面しているという脅威について注意喚起し、カンボジア政府に対して経済の屋台骨であるアパレル産業が繁栄を続け、衰退することのないよう明確で具体的なアクションプランを策定するよう求めた。

1999年に締結されたカンボジアの米国向け衣料品輸出に関する貿易協定に伴い、労働環境を改善するために導入された国際労働機関(ILO)による監視プログラムであるBetter Factories Cambodiaの15周年のセレモニーの場でこうした警告とアドバイスが送られた。

米国大使のWilliam Heidt氏は、彼が大使館の経済分析官であり、カンボジアが約120のアパレル工場でその輸出が10億米ドルにも満たなかった1999年以降、アパレル部門の成長に大きく寄与したこのプログラムを支援してきた。カンボジアでは現在600以上の輸出向け縫製工場があり、約70万人の若い女性らを雇用し、2015年の輸出売上高は60億米ドルを超えている。アパレル部門はカンボジアのGDPの約3分の1を占める。

カンボジアの工場が自社製品をどのように生産するのかについて、国際ブランドに安心感を与えたとして、「もしこのBetter Factoriesプログラムがなければ、私はカンボジアがとてもこのような成功を収められたとは思いません。」とHeidt大使は述べた。

一方でHeidt大使は、こうした国際ブランドのバイヤーはカンボジアの国際競争への対応能力について神経を尖らせていると警告した。

「一旦立ち止まって広く競争環境を俯瞰した上で国際ブランドのバイヤーと話をしてみれば、カンボジアの縫製産業の未来に対する不安要素が見え隠れします。」と彼は述べた。

「現在多くの新規サプライヤーが出現しています。その中にはカンボジアよりも大きく、非常に強力な競争相手となり得るところがあります。また一方で能力がはるかに劣っているが故に、国際的に多くの支援を受けているところもあります。それらすべてが世界のアパレル貿易の一翼を担いたがっているのです。」

カンボジアの経済評論家を最も心配させているのは現在懸案となっている米国と(カンボジアにとって主要な競争相手国である)ベトナムを含むいくつかのアセアン諸国間の環太平洋パートナーシップ自由貿易協定であるが、カンボジアはこの協定に参加しない。ベトナムはまたEUとの間にも自由貿易協定を締結しようとしており、カンボジアの主要な輸出先市場であるEUとの間に現在締結されている協定がもたらす利益を減少させる恐れがある。

対カンボジアのEU大使であるGeorge Edgar氏は、他国で締結予定の貿易協定は、「結果的に、市場アクセスの面でカンボジアの競争優位を脅かすものになるだろう。」とした。

Better Factories CambodiaプログラムのマネージャーであるEsther Germans氏は、最新の調査によると、国内の工場マネージャーやその国際バイヤーも同様の懸念を示しているようだ、と述べた。

「彼らは確かに、近隣諸国による貿易協定の締結がカンボジアにとって脅威になる可能性があることを認めています。」と述べ、さらに拡大するライバルのリストにアフリカ諸国も加わることになるだろうとした。

経営者やバイヤーらはまた、カンボジアの工場が直面するものとして、高額なエネルギー価格や労働者のスキル不足を含む緒課題を挙げた。しかし結局のところ、「彼らは今カンボジアが直面する最大のリスクは結局何の手も打っていないことだ、と指摘しています。」とGermans氏は述べた。

Ith Sam Heng労働大臣とPan Sorasak商工大臣は、電力供給能力の増強、工場検査体制の強化、労働者トレーニング、道路や港の整備改善、法適用の一貫性や平等性の確保など、政府では多くの取り組みを実施してきたとの見解を示した。

しかしバイヤーらはさらに多くの施策を求めているようである。

 

(後編につづく)


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最終更新:2016年10月24日

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