インドシナニュース

アジア繊維輸出業界における最低賃金遵守率の低さ

最新の報告によると、アジアの繊維輸出主要7カ国における最低賃金の非遵守率はフィリピンとインドにおいて最も高く、半数以上の労働者が十分な賃金を与えられていないと言う。

それに対し、国際労働機関(ILO)の調査によると非遵守率が最も低いのはベトナムで、最低賃金以下の額を受け取っているのは労働者の6.6%のみであった。

報告書『アジア繊維輸出業界における最低賃金遵守率の低さ』では、各国で繊維労働者が実際に受け取った賃金を計測するために最新の労働人口調査を行い、その時点で施行されている最低賃金と比較している。

非遵守率が最も高いのはフィリピンで、53.3%の従業員が最低賃金以下の額を受け取っており、それに続くのがインドの50.7%であった。

インドネシア(39.1%)、タイ(37.5%)、パキスタン(37.4%)では繊維業界労働者の3分の1以上が、カンボジア(25.6%)ではおよそ4人に1人が最低賃金を下回る額を受け取っていた。

またアジアの繊維業における最低賃金の遵守率が全般的に低い一方、その不履行の深度は国によって異なっている。

この点においてもベトナムは際立っており、国の定めた最低賃金額の5分の4以下が労働者に支払われる、きわめて著しい不履行率は3.8%であり、比較的穏やかな不履行(最低賃金の80%-100%以下の賃金を労働者が受け取る)率は2.8%であった。

一方でフィリピン、インド、タイ、パキスタン、インドネシアでは最低賃金を大きく下回る額を受け取っている繊維業労働者がそれぞれ大きな割合でおり、フィリピンとインドにおけるきわめて著しい不履行率はそれぞれ38.8%と34.9%で、またインドネシアの繊維業労働者も4分の1が最低賃金を大きく下回る額を受け取っていた。

「最低賃金の99%の支払いを受けている労働者と半額しか受け取っていない労働者では状況が全く異なるため、不履行の深度は重要な側面であります。」ILOの最高技術アドバイザーであり、報告書の第一著者であるMatthew Cowgill氏は述べた。

また調査によると、各国では女性の方が教育レベルが低く、男性よりも最低賃金を下回る支払いを受ける傾向が高いと言う。

男女間の遵守率の差が最も大きいのがパキスタンで、繊維部門で働く女性の86.9%が最低賃金を下回る支払いを受けている。一方男性の数字は26.5%で、非遵守の差は60.4%となる。インド、フィリピン、タイにおいても遵守率には10%以上の性差があるが、パキスタンにおける不均衡は大幅に少なかった。

反面、カンボジア、インドネシア、ベトナムにおける男女間の非遵守率の差は比較的小さい。カンボジアにおける女性の非遵守率は男性よりも4%高く、インドネシとベトナムの男女間の遵守率差はそれぞれ5%と6%のみであった。

報告書によると、最低賃金率と賃金構造の複雑性を含む最低賃金システムの設計は、コンプライアンスを改善する上で重要な検討要素であるという。

労働者及び雇用者代表の賃金修正過程における役割、そして労働市場の管理や労働監査の強固性もまたコンプライアンスに影響を与える。

「ベトナムは近隣諸国と比較した場合優れてはいますが、最低賃金はいかなるレベルの不履行も憂慮すべきものであり、本件は密に監視し続けるべきものであります。」とCowgill氏は加えた。

「もちろん最低賃金の遵守だけが関心の対象ではなく、最低賃金の水準も重要です。近隣諸国と比べ、ベトナムの最低賃金は繊維部門の平均的な賃金の割合としては比較的低いのです。」

ベトナムには、月額240-350万ベトナム・ドン(108-157米ドル)の幅がある、4つの地域別最低賃金が設けられている。 最低賃金の水準は年に一度、政府・雇用者・労働者の組織代表者を含む、全国賃金協議会によって決定される。2014年から2016年の間に、ベトナムの地域別最低賃金は年間約12-15%上昇しており、来年は7.3%上昇する予定である。

ILO/IFCベターワーク計画によって査察された工場では、最低賃金の遵守率が一般的に著しく高いことにILOは注目する。

例えば、Better Factories Cambodia(カンボジア工場改善プログラム)の最新の統合報告書によると、常勤労働者の通常の労働時間に対して1.1%の工場だけが最低賃金を支払わないことが判明した。

ベターワーク計画の独自の査定では、先月、アパレル産業における改善された労働環境と工場の競合性工場の関連性を確立している。


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最終更新:2016年10月12日

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