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カンボジア:「フットワークの軽い」アパレル産業が成長持続を牽引(前)

米国大統領選挙の先行不透明、迫り来る欧州・ベトナム間自由貿易協定の発効や米ドル高などのリスクがあるにもかかわらず、当面のカンボジア経済の見通しは明るい、と世界銀行は10月5日発表のレポートにおいてこのような見解を示した。

しかしカンボジアが将来的に競争力を維持していくためには、現在直面している課題に対処する必要があると経済学者はこの報告書で指摘している。

世界銀行のSodeth Lyシニアエコノミストは、世界銀行が半年ごとに刊行する「東アジア・太平洋経済アップデート」リリースの場において「アパレル部門が経済成長の最も強い牽引役となっている。」と述べた。

「しかしアパレルは「フットワークの軽い」業界で、(その生産を)他国へ素早く移すことが可能です。」とLy氏は外資系メーカーについて述べた。

このレポートによると、アパレル産業に対する投資の90%以上を中国企業や台湾、香港、マカオなどのその関連会社が占めているという。それに対して国内からの投資は全体のわずか1.4%であった。

それにもかかわらず欧州向け輸出の増加に支えられ、カンボジアのアパレル部門は今年の国内総生産の伸びに2%も寄与し、7%という国の力強い成長率を下支えすると予想されている。

この7%という予測値は、6.9%の成長率を予測した4月のレポートからわずかに上方修正された。世界銀行では今後2年間についても6.9%の成長を予測する。

「カンボジア経済は順調で、マクロ経済の面からも非常に安定しています。」と世界銀行のMiguel Sanchez Martinシニア・カントリーエコノミストは述べた。「しかし同時に、改革を進めていく必要があります。」

農業部門は世界のコモディティ価格の低迷により不振で、GDPの成長率に一切の寄与をしておらず、また観光産業についても、タイなどの近隣諸国と比較して旅行者のリピート率の面で劣っているとこのレポートでは指摘している。

「カンボジアはアンコールワットだけでなく、エコツーリズムやその他多様化している訪問ニーズに対応することが求められています。」とSanchez Martin氏は述べた。

東南アジアは世界でも最も急速に成長している地域で、先進国経済が低迷している中で稀有な輝かしいスポットである、と世界銀行において東アジア・太平洋地域を管轄するSudhir Shettyチーフエコノミストは、ブリーフィングの場でワシントンからビデオを介して述べた。

「良いニュースとしては、ほとんどの国で先進国から良い条件の金融取引を受けられる環境が整っているということです。」とし、Shetty氏は多くの先進国から低金利で融資や投資を受けられるメリットについて言及した。

「一方で悪いニュースとしては、こうした環境がいつ失われるかもしれないということです。そのため今、アクションを取るべきなのです。」

Ly氏は、カンボジアのアパレル部門では60万人以上の労働者を雇用し、昨年約60億米ドルもの輸出売上高を上げており、このことはいくつかの不安要素がある中で、着実に競争力が向上していることを意味すると述べた。

「我々はカンボジアにおいて賃金が非常に速く増加し、ドルが上昇し続けたのを目の当たりにしてきました。」と彼は述べた。 「以前は米国が(衣料品の輸出先として)最大の市場であったため、その点問題となりませんでしたが、今では欧州に主要市場が移っており、為替レートが重要要素となっています。」

コストが上昇する際、衣料品・履物メーカーはより付加価値の高い製品の生産に移管したり、商品を多様化したりする必要がある、とLy氏は指摘した。

 

(後編につづく)


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最終更新:2016年10月10日

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