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ベトナム:アパレル産業がアジア域内における最低賃金遵守率で首位

ベトナムのアパレル産業における最低賃金違反は、アジア域内の7つの衣料品輸出国の中で最低であった、と国際労働機関(ILO)は新しく公表したレポートで明らかにした。

国際労働機関(ILO)は1919年に設立された国連の専門機関であるが、国連加盟国と共に「労働基準や労働政策を開発、制定し、すべての人々にとって働きがいのある人間らしい仕事を実現するプログラムを促進する」ために活動している。

この「アジア太平洋地域の衣料品・履物部門」に関するリサーチ第5版は、国際労働機関(ILO)により8月に発行され、アジアのアパレル産業における最低賃金の遵守率について取り扱っているが、ベトナムはアジア7カ国の衣料品輸出国の中で、最高の遵守率であると指摘した。

このレポートによると、最低賃金は雇用主が労働者に対して支払う報酬の合法的な最低金額水準を設定しているが、その根源的な目的は不当に低い賃金から労働者を保護することにある。

ベトナムの最低賃金の遵守違反率は6.6%でアジア7カ国の衣料品輸出国の中で最低であり、違反率が高い方からフィリピン、インド、インドネシア、タイ、パキスタン、カンボジアの順となっている。

この数字は、アパレル部門における100人の賃金労働者のうち、6.6人が国の定める最低賃金を稼ぐことができていないことを意味する。

ベトナムの遵守違反率は第2位のカンボジアの25.6%と比較してもはるかに低い数字であり、7か国中最下位のフィリピンの53.3%と比較すると約9分の1であった。

最低賃金に対する遵守意識はアジアのアパレル産業全般において弱いものの、その程度は国によって異なる。

ベトナムではまた、最低賃金の5分の4未満しか支払われないような悪質な違反が3.8%しか発生しておらず、この点においても良い方に際立っている。

また、最低賃金の80%以上100%未満しか支払われていないのはベトナムの縫製労働者の2.8%のみであり、その違反の程度は穏やかなものとなっている。

対照的に、フィリピン、インド、タイ、パキスタン、インドネシアでは、約25~38%超のアパレル部門労働者が最低賃金をはるかに下回る賃金しか支払われていない。

「最低賃金違反の程度は大変重要な評価基準です。(同じ違反であっても)最小賃金の99%が支払われている労働者と、最低賃金の半分だしか受け取れない労働者とでは全く異なる状況にあるためです。」 ILOのグローバル・サプライチェーン部門の労働基準主任テクニカルアドバイザーであり、このレポートの執筆リーダーであるMatthew Cowgill氏のこの発言がILOニュースにおいて紹介された。

ILOレポートで調査したすべての国において、アパレル部門で最低賃金を下回る支払いを受けた女性の割合は男性よりも多かった。

ベトナムはまた、こうした最低賃金違反の男女比率のギャップが5.7%と調査対象国の中で最も小さく、それにカンボジア、インドネシアが続いた。最もギャップが大きいのはパキスタンで60.4%であった。

「ベトナムは近隣諸国と比較して際立っていますが、最低賃金の遵守違反率についてはどのような水準であっても問題とすべきであり、こうした課題は今後もしっかりとモニタリングを続けていかねばなりません。」とのCowgill氏の発言が報じられた。

「もちろん最低賃金の遵守率が唯一の着眼点ではありません。最低賃金の水準も問題です。近隣諸国のアパレル部門における標準賃金レベルと比較して、ベトナムの最低賃金は比較的低いのです。」とCowgill主任テクニカルアドバイザーは続けた。

ベトナムでは現在4つの地域で240万~350万ベトナム・ドン(108~157米ドル)の最低賃金を設定している。

年次最低賃金は、政府、経営者、および労働者団体の代表で構成される全国賃金審議会によって提示される。

ベトナムの成長著しい繊維・衣料品・履物部門における最低賃金の遵守率を賞賛する一方で、ILOのベトナム担当ディレクターのChang-Hee Lee氏は、統計データの解釈は慎重に行われるべきであると警告した。

Lee氏は、リサーチに必要な国の統計データの集計が開始された2013年以降、ベトナムにおける最低賃金の高い遵守率が「大幅な」改善と共に継続されていることを検証するには新しいデータが必要であると述べた。

ベトナムの地域最低賃金は2014年から2016年の間に毎年約12~15%増加しており、来年は7.3%の上昇が予想されている。


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最終更新:2016年09月22日

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