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ベトナム:現地デザイナーが北部少数民族と協業しエコデザインを改良

ハノイ北部カオバン省の山岳部にある辺鄙な村には訪れる旅行者もほとんどいないが、デザイナーのVu Thao氏はここを創造性に富んだ第二の故郷と考えている。ここに住む地元の女性らと協力し、Thao氏は自身によるエコを意識したアパレル・ブランドのKilomet 109向けに、天然染料や生地を育て、生産している。以前にも取り上げた、世界中にいるクリエーターらに旅行者を紹介するVacation With An Artist(VAWAA)というプログラムのおかげで、好奇心旺盛な旅行者はカオバン省のThao氏と5日間を過ごし、大地から天然染料を生み出す秘訣を学ぶことができる。

職人技能はベトナム文化に深く根付いている。この国には独自の職人技の伝統を引き継ぐ54の民族グループがある。カオバン省の女性は主に米やトウモロコシを生産し、水牛を育てて生計を立てているが、彼女らはまた、色鮮やかで伝統的な顔料の原料となる藍とマゼンタ植物を育てている。デザイン学校を卒業した後、Thao氏はベトナム中の民族の女性を訪ね、自然染色の技術、絹の生産、そして織物を学んだ。

最初にThao氏は、4年半前にカオバン省の女性らとパートナーを組んだ。この村へ行くにはハノイからバスで8時間かかるが、彼女は2ヶ月毎に訪問して植物の植え付けや収穫に参加し、新しい色彩を試した。「彼女らはかつて、何代にもわたって黒藍のような伝統的な色を使って作業してきましたので、私が一緒に作業を始めた際、新しい色合いを試してみようとしても最初は疑心暗鬼でした。」とThao氏はThe Creators Projectに語った。

「私が新しい染色を試した際、それがスカイブルーの非常に明るい色合いだったので、彼女らはそれがあまりに醜いと私を見て笑いました。」 その後数年間でThao氏と女性らはKilomet 109のデザインに使用する10種類の独自の色合いの藍染を完成させた。Thao氏は村人に伝統的な染物を再認識してもらい、一方で常に地元で取れる新たな染料の天然成分を探している。

ベトナムの伝統衣装の熱心なコレクターでもあるThao氏は、先祖伝来の衣装の要素を微妙に取り入れながら、従来のものより改善を加えた小物をデザインしている。「多くの人が民族伝来のファッションを退屈なものとして見なしています。人々はそれを暗い自然の色調で、わくわくすることは何もない、と考えています。でもそれは真実ではありません。だからこそ試してみることが数多くあるのです。」とThao氏は述べた。彼女はアパレル・デザインにも影響を及ぼすあらゆるパーツの生産に直接関与することにしている。「生地生産の最初の工程から関与すれば、その繊維との結びつきは非常に強くなります。素材を理解すれば、よりうまくそれを使いこなすことができます。それは市場で見つけた生地を購入して使用するのとはまったく異なる関係性なのです。」とThao氏は述べた。

豊かな文化遺産の一方で、ベトナムはこの創造的な知識を伝承する現代の気運を欠いている。Thao氏は、「民族の女性らと一緒に働き、1対1で向き合うと、彼女らの技術を受け継いでいく方法を見つけなければならないと責任を感じます。こうした民族の村の子供たちは、ハノイやホーチミン市などの大都市に勉強に行き、世界中と同じような衣料品を着るようになります。多くのベトナム人は民族的なものをファッショナブルやトレンディとはかけ離れたものと見なしています。」と説明した。 VAWAAとの提携は、世代から世代へ口頭で語り継がれる職人技術を保存し、職人技を変革する世界に適合させる小さな試みとなっている。


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最終更新:2016年08月26日

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