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ベトナム:繊維企業が賃上げ凍結を提案

国内繊維・アパレル企業は競争力の低下と輸出受注の減少により、2016年の輸出目標が未達となるリスクがある、と先週末にハノイで開催されたベトナム繊維協会(VITAS)主催の会議において専門家が指摘した。

ベトナム通貨の対米ドル価格は安定的に推移しているが、インド、バングラデシュ、アセアン諸国や中国など繊維・アパレル製品の競合他国は、通貨の価値を切り下げることにより輸出競争力を高めようとしている、とVITASのTrương Văn Cẩm副会長は述べた。

またベトナムにおける銀行の貸出金利は8~10%の間と高い水準にあり、国内企業の資本調達コストはより高くなっているとした。

その他に競争力の低下に影響を及ぼす要因として、2008~2016年の間に国内企業で毎年平均26.4%、外資系企業で18.1%上昇してきた最低賃金が挙げられる。

VITASは、最低賃金の上昇により保険、組合会費の支払いが増加し、さらに企業に負担がかかると指摘する。

VITASは、2016年上半期ベトナムの繊維・アパレル製品輸出売上高は126億米ドル、昨年比4.72%の増加を示し、この部門の年間目標の41%に達したとレポートした。

しかしアパレル産業における輸出売上高の増加は、外国直接投資(FDI)による企業の成長に大きく起因しており、一方で国内企業は新たな輸出契約、特にシャツ、ズボンやジャケットの受注を獲得するのに苦戦している。

このレポートでは、輸出受注の不足により多くの中小企業の採算が悪化し、閉鎖しなければならない事態について警鐘を鳴らした。このためVITASは、状況が改善しない場合、アパレル業界の年間売上は当初の目標から20億米ドルも低下し、290億しか獲得できないかもしれないと予測している。

このような困難な状況を打開しコスト競争力を有利な状態にするために、VITASは政府に対し、2017年は最低賃金を据え置き、今後も2〜3年に1度のペースでしか引き上げないようにすることを提案した。

会議においてまた別の専門家は、国内の繊維・衣料品企業に対し、糸や織物生産のために現代的な技術に投資するよう促した。ハイテク機械は特に、輸出向け織物でより高品質の製品を生産することを可能とする、と国内オンライン新聞のcafef.vnが報じた。

しかし、建物や排水処理施設に多額の投資が必要であるため、糸、生地、染色などの生産に投資できた国内企業はほとんどない、とHồ Gươm 縫製会社のPhí Ngọc Trịnh副社長は述べた。

 

行政改革

地元の繊維・衣料品企業はまた、生産性と競争力を高めるための手段として、通関の際にアパレル原材料を検査する頻度と時間を削減することを提案した。

Cẩm副会長は最近のVITASと行政手続きを管轄する法務省との間の会議の中で、多くの地元の繊維・アパレル企業が、製品の輸出入にかかる手続きが煩雑すぎるという不満を持っていると述べた。

例えば、ジャケットの加工に必要なキツネの毛皮、羽毛、クマの毛皮を輸入する際、CITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の加盟国から動物検疫と原産地証明を得ているにもかかわらず、地元のアパレル企業はなおも国内の規制に従って輸入ライセンスを取得する必要がある。VITASの代表によるとこの手続きには6〜10日もかかるという。

協会では、輸入企業が動物検疫と輸出国の原産地証明書を持っている場合は、キツネの毛皮、羽毛、クマの毛皮の検疫に必要な行政手続きを省略するよう農業地方開発省に求めた、とCẩm副会長は明らかにした。

生産に必要な綿を輸入する際も、国内企業は重複する手続に煩わされている、と彼は述べた。企業はまた、アパレル生産に必要なプリンタを購入しようとする度に輸入ライセンスの取得が必要で、企業の代表者は印刷の資格を保持している必要がある。

Thắng Lợi International Investment and Development社のThanh Phong代表は、プリント工程は繊維・アパレル生産プロセスの中でごく一部であり、こういった手続きは不要だとした。

行政手続管理部門では、繊維・アパレル企業から行政手続きに関するあらゆる意見を収集し、解決策を探るために首相にそれらを提出した、とこの部門の副部長兼行政手続改革諮問委員会の副書記長であるĐỗ Thu Hà氏は述べた。

 


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最終更新:2016年07月27日

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