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ベトナム:TPPにより厄介な「オランダ病」はもたらされるか?(前)

米国の両政党の政治家は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、この12カ国からなる環太平洋貿易協定を近い将来に妥結させることについて疑問を呈し、異議を唱えている。すべての貿易協定に取って代わるものとして歓迎されたものの、TPPの結末がこれほど厳しいものになることは予想もされなかった。米国大統領選挙における民主党と共和党双方の支持者はこのTPPを有害なものと見なしており、共和党候補のドナルド・トランプ氏、民主党候補のヒラリー・クリントン氏共にそれに反対している。トランプ氏は、他の11カ国が彼の許容できる条件を再交渉により提示できない場合は、米国をTPPから完全に撤退させるとさえ述べた。TPPがオバマ大統領の「死に体」政権の下で通過する望みは、上院多数派リーダーのMitch McConnell氏がそれを阻止することにより打ち砕かれた。

米国におけるこうした猛烈な反TPP感情はいくつかのアジア諸国に波及しており、この協定が通過するかどうかについて、TPP協定の潜在的な勝者となるべき国々は不確実な状況に置かれている。ベトナムなどの国々では、TPPは大きなメリットをもたらすと予想されている。クレディ・スイスは、ベトナムでは今後10年間でGDPが10%も増加することになると予測した。Peterson Instituteは、関税の段階的撤廃によりベトナムの履物・衣料品産業の輸出は、2025年までに46%も増加するだろうと推計した。

TPPはベトナムがアジア市場の最前線に躍り出ようとしている重要な時期に発効する。ベトナムは、タイのYingluck Shinawatra元首相による米の補助金制度が見事に裏目に出た際、タイの大規模なコメ輸出市場の一部を獲得するなど、何度かビジネスチャンスをものにしてきた。ベトナムは迅速に需要に応えることで、世界の米輸出においてインドとタイに次ぐ第3位に名乗りを上げた。しかしベトナムが最も優位性を持つ産業は活況の衣料品部門であり、TPPにより多くの利益を得ることが予想されている。中国では人件費の急騰に直面している一方で、ベトナムは低コストでのアパレル主要生産者としてその中国に取って代わろうとしている。2013年にシンクタンクのStratfor社は、低価格製造業のグローバル拠点として中国に代わる16カ国のリストにベトナムを挙げた。

 

(後編につづく)


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最終更新:2016年07月26日

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