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ベトナム:履物輸出先市場としてEUを抜いて米国が首位へ(前)

ベトナムの履物、ハンドバッグの輸出売上高は、2015年に約41億米ドルに達したが、環太平洋戦略的経済連携協定(TTP)に向けて地元の製靴業者が生産拡大した結果、米国がEUを抜いてベトナムの履物製品の最大輸入市場となった模様である。

Gia Dinh ShoesのNguyen Chi Trung社長は、米国に対する靴の輸出に強気の見通しを示した。「私は靴、ハンドバッグ、傘部門で、これほど多くの米国の輸入業者が供給能力の高いベトナムのメーカーを探しているのを今まで見たことがありません。環太平洋戦略的経済連携(TPP)に向けた準備のため、より多くの輸入業者が中国製ではなく、ベトナム製を選択しており、米国市場に対する輸出のペースは2014年半ば以降上がっています。米国はGia Dinh Shoes社にとっても最も重要な市場であり、4500~5000万米ドルある会社の輸出売上高の55%を占めています。」と彼は述べた。

Lac Footwear社もまた、米国市場向けの輸出がTPP締結を前にして、2014~2015年にかけて20%も急増していることを明らかにした。信頼の高いベトナムの製靴企業は米国の輸入業者にも高く評価されており、過去2年間でその発注の多くが他の市場からベトナムへ変更されていることにも表れている。米国がEUを上回り、ベトナム履物製品の最大の輸入市場となるのは時間の問題である。

商工省(MoIT)の公表した統計によると、ベトナムの米国に対する履物製品の輸出は2011年に19億1000万米ドルであったのが、2012年に22億5000万米ドル、2013年に26億3000万米ドル、そして2014年には33億3000万米ドルとなった。この金額は、2015年には41億米ドル近くまで達した。

「2014年と比較して、ベトナムから米国市場への皮革・履物製品の輸出は約7億5000万米ドル増と、20%の成長率となりました。」とベトナム皮革履物協会(Lefaso)のNguyen Duc Thuan会長は述べた。

Lefasoによると、ベトナムは中国、インド、ブラジルに次ぐ世界第4位の履物生産国であると同時に、付加価値の面から見ると中国とイタリアに次ぐ第3位の国である。ベトナム製の靴は世界50の国々に輸出されており、米国、EU、日本市場における市場シェアでは中国に次いで第2位の位置につけている。

米国履物卸・小売業者(FDRA)によると、ベトナム履物業界の潜在的な競争力は、この部門に注目する米国の輸入業者が増加していることもあり前途有望である。

多くの企業では2018年のTPP協定発効を見越し、来るべき輸出増加に向け、ベトナム皮革・履物産業への投資を増やしている。

ヴィンフック省にあるLap Thach Shoes社は、生産能力を増強することにより、この3年間に米国への輸出を増加させた。「TPPが発効した際には、ベトナムの履物業界は米国のゼロ関税のメリットを享受することができます。米国における一部製品に対する関税は、我々が生産能力を高めている3~5年の間に削減されることになるでしょう。」と、同社のTran Quang Khai社長は述べた。

Khai社長はまた、米国市場には国内の製靴業者にとっても、事業拡大のための素晴らしいチャンスがある、と続けた。国内産業を保護しようとするEU市場よりも、国内で販売されている履物の約90%が輸入品である点を鑑みても、米国市場の方が、潜在的市場としてリスクが少ないと考えられる。

ビンズン省にあるまた別のシューズメーカーであるTBSグループは、2014年に新工場を落成した。キンザン省に5400万米ドル規模の投資を行った製靴工場の第1フェーズは、昨年操業を開始した。また鞄の製造工場は、Coach、Decathlon、Vera Bradley、Tory BurchやTitleistのようなブランドの注文に対応するために、フル稼働している。

Lefasoによると、国内の皮革・履物産業は、TPPによる有利なインパクトや部門の持つ大きな生産能力のため、より多くの受注を獲得することになるだろう、とした。ベトナムの製靴企業は既に、米国パートナー企業とのビジネスの経験があり、貿易協定から得られるビジネスチャンスを利用する能力を有している。大規模生産、および自社のサプライチェーンを持つDong Hung Group、台湾のPouchen VietnamやPousung Vietnamなどいくつかの企業では、さらに輸出を増加させるチャンスが多く見込まれる。

Lefasoは、米国に対する履物の輸出売上高が2016年末までに、50億米ドルに達すると予測する。また、米国におけるベトナムの市場シェアは、2018年には12%まで増加するとしている。

 

(後編へつづく)

 


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最終更新:2016年06月09日

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