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ベトナム:TPPは米国のアパレル輸出入にほとんど影響なしとの調査報告

12カ国が参加する新しい環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)はその加盟に議会の承認を必要とするが、この貿易協定により米国のアパレル輸出入はわずかな増加しか見込めないという。

アメリカ国際貿易委員会は最近、自由貿易協定に関する単独の調査レポートを公表し、米国のアパレル輸入は2032年までに1.4%、19億米ドル相当じりじりと増加するものの、輸出は0.3%、1000万米ドルの増加と、ほとんど変動しないとしている。

これによる米国のアパレル産業の利益はあまりにもささやかなもので、 2032年までにTPPによって米国の繊維輸入は1.6%、8億6900万米ドル増加するが、輸出はわずか1.3%、2億5700万米ドルの上昇となることが予想される。

この調査によると、非課税要件を満たす地域の糸や布を使用した場合、この貿易協定により多くの製品に対する関税が免除されるため、TPP加盟国の一つであるベトナムがアパレルの製造及び輸出に際して最も恩恵を受ける、としている。2015年、ベトナムからのアパレル製品に課された米国の関税は105億米ドルにものぼり、平均関税率は17%であった。

ベトナムは米国にとって第2位の衣料品供給国であり、米国アパレル製品総輸入額の10%を占める。第1位はなおも中国で、米国が輸入するアパレル・繊維製品の38%を占める。

自由貿易協定が発効しても、ベトナムは免税要件として求められるヤーンフォワード規則を十分に満たすことができないため、ベトナムから輸入する衣料品は短期的にはさほど増加しないだろうと予想されている。ベトナムでは、生産に必要な糸や織物の88%をTPP非加盟国である中国、韓国や台湾から調達している。

ベトナムでも国産の繊維生産はいくらかあるものの、それらの約4分の1しか輸出向けの品質を満たしていない。

またベトナム産の糸や織物は、中国産の同類製品よりも高額である。 2014年において、ベトナム産の糸は中国産よりも5~10%、織物も中国産より5~8%高価であったと推定されている。

2014年ベトナム繊維産業では、145の紡績設備、401の織物設備、105のメリヤス工場、94の染色・仕上工場、そして7の不織布メーカーを擁していた。

ベトナムには免税申請に必要な糸の生産能力が不足しているため、近い将来地域で生産された糸に対する需要が高騰し、米国への衣料品供給におけるベトナムの競争力が低下してしまうことを地元メーカーは懸念している。

しかし長期的には、国産の糸や織物の生産能力の増加により供給リードタイムや価格が低下し、ベトナムのアパレル輸出に恩恵がもたらされるであろう。

TPPにおけるヤーンフォワード規則の適用を見越し、国内および外資系企業はベトナムの繊維・織物生産能力の向上のために投資を行ってきており、この部門に対する外国直接投資は10億米ドル以上にも達する、と推計される。

調査レポートによると、貿易協定が発効した場合、経済全体では米国の年間実質所得は2032年までに0.23%、573億米ドル上昇し、実質国内総生産は0.15%、427億米ドル上昇すると見込まれている。

TPPは、米国アパレル・履物協会だけでなく、全米製造業者協会に支持されているものの、議会では多くの民主党議員がそれに反対している。

TPP協定に参加する予定の12カ国は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム、そして米国である。


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最終更新:2016年05月31日

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