インドシナニュース

ベトナム:繊維産業はFTA向けに仕立てられるべし(後)

(前編より)

 

TPP、EVFTA、その他FTAにおけるビジネスチャンスと課題

(TPPでは16~17%の関税がゼロに、またEVFTAでは12%がゼロになるなど)、ベトナム製品に対する関税撤廃はより多くの製品需要を誘発する可能性がある。(この点について)多くの外国人投資家が着目しており、原材料工程などバリューチェーン上未発達の工程に参入するため、ベトナムのアパレル生産に投資しようと検討している。これらの分野への投資は、ベトナム製品に対する需要増に対応するためにその生産能力を高めるのに寄与するだけでなく、現在担っている(バリューチェーン上の)機能を拡張するのにも貢献する。実際、過去数ヶ月にわたりベトナムは、台湾、韓国やインドの投資家による多くの大規模な繊維・衣料品プロジェクトから、かなりの新規直接投資(FDI)を受け入れてきた。これらの投資を通じて(外国資本との)貴重なパートナーシップが形成され、ベトナム企業は外国人専門家の助言に従い、多くの利益を得ている。さらにこれらのパートナーシップは、ベトナム企業がバリューチェーン全体に亘る機能を拡張するために、より多くの人々を雇用し、トレーニングする余力をもたらす。今のところベトナム企業にとって、例えば賃金やトレーニングに多くの支払いを要する染色技術者などよりも、はるかに給料が低く抑えられる裁断・縫製労働者を雇い続ける方が容易である。だが、ベトナム企業と国内外の投資家との間にパートナーシップが結ばれれば、ベトナム企業にとって自社サービスを拡大する資金的余裕が生まれることとなる。

 

その他のハードル

ベトナム製アパレル製品に対する低い関税率(の適用)は、TPP加盟国に対する輸出の拡大に寄与するが、その中でも特に、米国と日本は現在ベトナムにとって最大の輸出市場となっている。綿などの投入原材料に対する輸入関税の撤廃も、ベトナムが生産コストを削減するのに役立つ。しかしTPP加盟国市場に対する非課税でのアクセスを得るためには、ベトナムはTPP加盟国によって生産された糸などの原材料を使用することが求められる(ヤーンフォワード原産地規則)。現在ベトナムは生産に使用する糸の40%をTPP非加盟国である中国から輸入しており、この依存度を下げていくことはアパレル業界にとって実務的、政治的な課題となる。(同じくTPP非加盟国である)インドなどの諸外国は、ベトナムのアパレル部門に資金を投じることにより、ヤーンフォワード原産地規則に沿ったベトナムの(原材料供給)能力が増強されること、また同時に、予想される輸出の急増による利得を期待し、この機に乗じようとしている。業界企業はまた、市場原理の下で稼動する必要があるため、Vinatex、Dong Xuanやその他国営企業にとってその生産効率性を向上させる必要が生じる。アパレル産業において同条件の下では、民間企業の方がより多くの成長機会を得ることになるであろう。

 

ベトナム企業は対処の必要

ベトナムのアパレル産業は岐路に立っている。市場とビジネス環境はこの産業に対して変革することを求めており、適時に適切な対応を取る企業が勝ち残り、巨額の利益を得ることになる。外資系と国内企業は共に、FTAが導入される前の期間を利用して、一旦立ち止まって今後の成長のために取るべき選択肢を評価すべきである。

国内企業にとってそれは、(増加する)需要に応えるためだけでなく、持続的な成長を実現するためにその機能拡張に取り組むことを意味する。一方外国人投資家にとってそれは、最良の対応方法を選択するために、市場、及び現在のビジネスチャンスや課題に対する深い洞察を得ることを意味する。アパレル業界で進められているすべての開発において、国内外の企業は本質的な変容が求められている。

 


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最終更新:2016年04月20日

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