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ベトナム: TPP発効後のベトナム繊維・アパレル産業(前)

ベトナムの繊維・アパレル産業は多くの巨大な外国直接投資プロジェクトを惹き付けており、投資家らは環太平洋パートナーシップ協定(TPP)のビジネスチャンスを活用するために、ベトナムに工場を建設したいと考えている。

TPPが承認された後、日本のアパレル企業はベトナムで増産し始めた。

Nikkei Asian Review誌によると、ベトナムの競争優位性は世界の輸出ハブとなるべく強化されてきており、日本も含め外国資本にとって魅力的なものとなっている。

そのためベトナムの多くのメーカーでは、ベトナムも加盟するTPP発効後はより強い引き合いがあることを期待している。

専門家らは、TPPによりベトナムにおける生産や輸出が後押しされ、米国との海運貿易が増加するだろうと述べている。

アパレル会社にとってベトナムの熟練労働者は、その労働コストがバングラデシュやミャンマーと比較して高くとも、一種の強みとなっている。

昨年開催されたベトナム日本投資貿易推進フォーラムにおける講演において、経団連(日本経済団体連合会)の専務理事である椋田哲史氏は、2014年末時点で日本企業はベトナムに対して総額373億米ドルもの投資を行っており、ベトナムに投資する国の中で二番目に多い水準となっている、と述べた。

ホーチミン市は、日本企業にとってベトナムにおける最も重要な投資先であり、(日本企業の)765拠点もがここで稼動している。

椋田氏は「ベトナムはアセアン市場へ向かう日本の玄関口と考えられています。」と述べ、2015年末までのアセアン経済共同体の設立により、グローバルサプライチェーン戦略におけるビジネス拠点としてのベトナムの役割が高まることになるだろう、とした。

Nikkei Asian Review誌によると、合成繊維メーカーであるクラレ傘下で、大阪に本社がある商社のクラレトレーディング社は今年、ベトナム中部最大の都市であるダナンの関連会社に、スポーツウェアの生産ラインを導入するために3億円(251万米ドル)を投じる。

この会社では、日本から輸入した生地を使用してスポーツウェアを生産し、米国向けに製品を輸出することとしており、これによりこの会社の縫製作業におけるベトナムでの生産の割合は、現在の55%から60%以上となる。

クラレトレーディングはまた、ベトナム最大の都市ホーチミン市において、織物や染色などの繊維生産に対する数十億円規模の投資を検討している。

別の日本企業である伊藤忠は、TPPの議論が熱を帯びる以前から、ベトナムでのプレゼンスを確立してきた。 2014年に同社は、毎月50万メートルもの生産能力を持つ織布工場をベトナムに設立した。

日本の繊維メーカーである東レは最近、蝶理と協力し、ホーチミン市にある縫製拠点での増産を進めている。東レでは、ホーチミン市の工場をグループの主要生産拠点に位置付ける計画とし、蝶理がその完成品を米国やその他の市場へ出荷する役割を担う。

日本の紡績業者であるシキボウは、中国の縫製工場での生産を縮小し、ベトナムの合弁工場での生産を増加させる。同社では間もなくこのベトナム工場において、寝具用生地の生産を開始する予定としている。

2015年には繊維・衣料品分野において、多くの巨大な外国投資プロジェクトが認可され、実行に移された。

ビンズン省は、台湾のFar Easternグループ傘下のPolytex Far Eastern社が、2億7400万米ドル規模の衣料品プロジェクトに着手するのに投資ライセンスを与えた。

この工場はBau Bang工業地区に99ヘクタールを占め、アパレル部門向けのサポート製品を生産する。

この工場では、年間4万3200トンのポリエステル、1億2700万平方メートルの編地、9600万平方メートルの綿織物の生産能力を持つよう設計されている。

Far Easternグループではプロジェクトの第2フェーズにおいて、7億から10億米ドルを追加投資する計画としている。

ドンナイ省は、Nhon Trach 5工業地帯で産業用繊維を生産するために6億6000万米ドルを投じるHyosung Istanbul Tekstil社プロジェクトを承認した。

このプロジェクトはトルコで登録されているが、実際の投資家は韓国のHyosungグループである。Hyosungベトナム社は、既に9億9500万米ドル以上の資本投資を登記しており、ドンナイ省の繊維・衣料品部門においてよく知られた存在となっている。

香港のWorldonベトナム社はまた、ホーチミン市のアパレル部門で、3億米ドル規模のプロジェクトを実行する承認を得た。このプロジェクトはクチ県のDong Nam工業地区で、50ヘクタール以上を占めている。

巨大な繊維・衣料品プロジェクトにより、ベトナムの製造・加工部門は、2015年上半期で過去最高となる41億8000万米ドルもの新規FDIを受付け、この期間における総FDI承認額の76.2%を占めている。

 

(後編へつづく)


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最終更新:2016年03月11日

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