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ベトナム:TPPの影響により労使関係に変化の可能性も(後)

(前編より)

 

世界銀行の統計によると、輸出に大きく依存し、低賃金を強みとした経済のベトナムでは、主に繊維・アパレル産業の貢献により、2030年までに約10%とTPP加盟国の中で最も高水準での経済発展が見込まれている。

一部の外国投資のおかげもあり、ベトナム経済は昨年年率6.68%と、ここ5年間で最も速いペースで成長した。しかし、さらに高品質のTPP関連投資を誘致するためには、一人当たりGDPや競争力ランキングが参加国グループで最低水準にあるこの共産主義国において、幅広い改革を導入する必要がある。

「ベトナムにおいて完全な市場システムを導入し、国家の役割をより改善するには、多くの労力を必要とします。」と経済学者であるPham Chi Lan氏は言った。

非効率な国営企業はなおも経済のあらゆる分野において影響力を持っており、そのリストラは、長く、痛みを伴うものとなるだろう、と彼女は言った。しかし、ベトナムがTPPに加盟したとき、それは「国は真剣に(現在の)仕組みを変えることを考えている」ことを示した、とも言えるとした。

ベトナムのTPPへの参加には、国の支配エリートの間での外交政策の方向性に関する「新たなコンセンサス」が反映されている、と香港城市大学のベトナム専門家であるJonathan London氏は述べた。この共産主義国家は米国や日本に接近することを望んでいるが、一方で、現在最大の貿易相手国である中国の反感を買わないようにしたいと考えている、と彼は言った。

「ベトナム政府はTPPがどのような意味を持つかを認識しています。即ち、経済的および戦略的に、ベトナムの評価を高めるのに千載一遇のチャンスであるということです。」

TPPは、国有部門を徹底的に見直しするための長期にわたる取り組みに“構造と方向性”を指し示すことにより、ベトナムの国内改革の助けとなり、さらに、この協定はベトナムに多大なビジネスチャンスをもたらすものの、それは特効薬ではない、とBay Global Strategies社のVirginia Foote氏は述べた。

「企業は(投資環境について)全体像を評価しているのであり、優れているのが関税水準だけであれば、工場やサプライチェーンを(ここベトナムに)移したりしないでしょう。」と彼女は言った。

ハノイ郊外の繊維・衣料品工場において、同社では熱心にTPP発効後の計画を練ってきた、とThan Duc Viet次長は述べた。

この工場では生産能力をほぼ倍増し、他のTPP加盟国から糸を調達することによって得られるTPPの優遇条項を利用するため、地元のサプライヤーを確保するのに多忙を極めている。一方で、新しい労働基準を求める条項については一切心配しておらず、会社では既に、熟練労働者をつなぎ止めるのに必要な処遇に多額の投資をしている、とした。

「TPPの有無にかかわらず、優秀な労働者が働き続けてくれないことには、我々は確実に破産に追い込まれることになるのです。」と、彼は言った。

 


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最終更新:2016年01月20日

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