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ベトナム:TPPの影響により労使関係に変化の可能性も(前)

ベトナムは主に繊維・アパレル産業の貢献により、2030年までに約10%とTPP加盟国の中で最も高水準での経済発展を期待

 

製靴工場で共産主義国ベトナムにおいて初となる平和的な集団ストライキを組織した後、労働活動家のDo Thi Minh Hanh氏は逮捕され、警察に殴られて流血した上4年間の懲役を課された。

ベトナム当局は、目覚しい経済成長を牽引している輸出向け工場で働く何百万人もの労働者が、独立した労働組合を結成することを認めていない。しかし、バラク・オバマ米大統領によって「21世紀の貿易」の礎とうたわれている環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の発効に伴い、この方針は変更されねばならない。

TPPは世界経済の約40%において商取引を自由化することを目的としており、米国、日本、カナダ、ベトナムなどのこの協定への署名国は、独立した労働組合を認めるよう義務付けられている。しかしHanh氏のような活動家らは、一党独裁体制においてこのような変革を確かなものにするには、長い道のりが必要となると言う。

「ベトナム国家はまだ、労働組合のコントロール権を保持したいと考えています。」と2014年に刑務所から釈放されたが、まだ常時警察の監視下にあるHanh氏は言った。

現在すべての労働組合が、与党共産党より古い歴史を持つ、ベトナム労働総連合(VGCL)に属している。このような公的な労働組合は、「労働者を代表するのではなく、労働者をコントロールするために組織されています。」と、労働活動家のHoang Dung氏は述べた。

意味のない代表権は、より多くの山猫ストライキにつながり逆効果である、と労働活動家Nguyen Ngoc Nhu Quynh氏は言った。

「そういった公的な労働組合ではまともな交渉をすることができない、として労働者らはデモを行っています。」と彼女は言った。

Quynh氏はTPPについて楽観視しておらず、「労働組合が本当に自立的に活動し、労働者の問題に耳を傾けるかどうかについて、いったい誰が保証できるというのでしょう。」と問うている。

TPPには、企業がもし自らの権利が侵害されたと考えた場合、政府を相手取り裁判に持ち込むことを認める、という賛否両論の投資家寄りの紛争解決メカニズムが含まれている。しかし一方でTPPには、加盟国が労働や環境に対する約束事を果たしていることを確認するような同様の執行メカニズムはない。

(貧困と不正を根絶するための国際協力団体である)OxfamのAndrew Wells-Dang氏によると、ベトナムは過去に多くの権利と労働に関する契約に署名してきたが、その実行には移せなかった。

TPPは「労働問題に風穴を開ける助けとなる可能性はあります。ですが、うまくいかない場合はどうなるでしょうか?」と彼は言った。

リスクは、TPPによって単に、「国内のある者によって支配されていた状況が、国際的な企業による別の状況に置き換わる」だけであり、ほとんど労働者や農民の利益にならないということである。

 

(後編に続く)

 


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最終更新:2016年01月20日

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