インドシナニュース

カンボジア:140以上のアパレル生産工場が閉鎖

12月25日に商業省が発表した報告によれば、今年150近くの衣料品や製靴工場が閉鎖された一方で、新しく50の工場が開設された。

報告によれば982のアパレル生産工場と90の製靴業者が商業省に登録されている。このうち衣料品を製造する130の工場と、靴を製造する14の工場が今年閉鎖され、新たに53のアパレル生産工場と5つの製靴工場が商業省に登録された。

商業省の輸出入担当課長のHo Sivyong氏によれば、新しく開設された工場よりも閉鎖された工場が多いものの、いくつかの世界的に展開するブランドがカンボジアの工場からさらに製品を購入すると約束したことを引き合いに、来年生産は増加するだろうと楽観的だ。

一方でSivyong氏はより高い賃金を求めるストライキは新しい投資を阻むものであり、ミャンマーに製造拠点を移転する動きが進行中だと述べた。「労働者による高い賃金を求めるデモや要求はカンボジアに対して投資を検討している投資家に対する難題だ」と氏は述べ、カンボジアで工場を閉鎖した企業のいくつかはミャンマーに製造拠点を移転したと付け加えた。Sivyong氏はカンボジアと同様、ミャンマーもEBA制度(武器以外のすべての産品に対する無税・無枠措置)のもと、ヨーロッパ市場へ無税・無枠の輸出が可能と指摘した。

いくつかの工場が閉鎖される一方で、他の工場への展開も明らかになった。「ある場所で製造を停止した企業の中には他の場所で新たに操業したり、他の工場と合併したりする事例もあった」とSivyong氏は言う。

経済学者のSrey Chanthy氏は、貿易は今後まだまだ期待できると述べた。衣料品や靴の輸出は昨年と比較して非常に増加していると氏は言う。閉鎖した企業が他の工場と合併をするのであれば効率が改善するとChanthy氏は述べた。

「他の(中規模、重工業もしくはハイテクの)工場や投資対象と置き換えられているのであれば大きな問題ではありません」Chanthy氏は言う。閉鎖している企業のなかには製造拠点をミャンマーやアフリカ、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加盟予定の国など、賃金がより安い国に移転する可能性がある。TPPは北米、南米、アジア地域にわたり自由貿易協定をつくりだすことを目的としている。カンボジアはTPPに含まれていないが、ベトナムやマレーシアは加盟予定である。TPPがいったん発効されれば米国市場における輸出においてベトナムと競争して張り合うことはできない、というのがアパレル生産業者らの懸念事項だ。

Chanthy氏は政府に対してビジネス環境を改善し、マクロ経済の安定を維持し、政治の安定性を向上させ、労働や産業界の規制を改善し、カンボジアの主要輸出市場である米国やEUをしっかりと確保すべくカンボジアが投資家に対して魅力的なものと映り、競争力を高められるよう、いかなる手段も講じてほしいと呼びかけた。

「来年の(衣料品と製靴)業界に関して私はまだ楽観的な見方をしていますが、政府にとっては試練の時であり、厳しい局面を迎えると思っています」とChanthy氏は業界がカンボジア国内だけではなく他国との競争の激化により困難に直面しているとも述べた。

氏によればTPPもまたカンボジアの衣料品や製靴業界に影響を与える可能性があるという。

匿名を条件に語ったカンボジア縫製製造産業協会(GMAC)のある幹部の話によれば、例えば先週スヴァイリエン州バベットの経済特区近隣で発生した労働者らによるデモなどのためにカンボジアへ投資する信頼を失い、生産を停止しているアパレル工場や製靴企業もあるという。

氏によれば投資家らは安全を確保するために近隣諸国の新しい拠点を探し求めているといい、業界における紛争も日常的なことになってしまったと付け加えた。「デモは非常に簡単に暴力化する可能性があり、これが企業の財産だけでなく買主(の決断)にも影響を与えます」と氏は語った。

「労働者らは労働法に対しての理解が浅く、その上政府の役人らは厳しい措置をとらず法を犯しても罰したりしません」と氏は言う。

これ以上労使関係を悪化させず、製造の安定を図り、投資家だけでなく工場が製造する衣料品や靴を購入する企業の信頼を得るために、政府の役人らは労働者らに対して今より上手く労働法を説明する必要がある、とGMACの幹部は述べた。

 


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最終更新:2016年01月07日

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