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ベトナム:国内企業はTPPにほとんど関心を示さず(前)

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から大きな利益を得ることが期待されているにもかかわらず、ベトナム全土の約2000の衣料品会社のうちわずかな会社しか、この貿易協定に興味を示していない。TPPは、特に米国、日本、オーストラリアなどの大市場に対する、輸出ビジネスチャンスが増加することが予想されるため、アパレル生産会社Phong Phu社は強い興味を示している。

Phong Phu社CEOのPham Xuan Trinh氏は、2016年同社では、製織、染色、縫製からなる製造ラインを拡大する予定である、と述べた。月間300トンもの処理能力を持つこの製造ラインは、会社が生産とその輸出を増加させるのに貢献することが期待されている。

TPPがもたらすビジネスチャンスをつかむために彼の会社ではまた、地元または外資系企業と協力し、原材料のサプライチェーンを開発することを計画している。現状ベトナムのアパレル業界は、中国やいくつかのアセアン諸国からの輸入原材料に過度に依存しているためである。

しかし、他のほとんどの企業がTPPに無関心で、そのチャンスを利用するための準備をしておらず、その中でPhong Phu社は特別のように見える。

ホーチミン市事業者協会によると、市内の中小企業20万社のうち半分しか、TPPに関する情報を得ていない。

多くの中小企業はTPPに興味がなく、このビジネスチャンスを利用するため、またはこの協定がもたらす課題に対処するための何の準備もしていない、とホーチミン市貿易振興センターのPho Nam Phuong所長は述べた。

この貿易振興センターでは、TPPに関する多くの無料のセミナーを企画し、企業に案内しているが、彼らはまるで興味を示さない、と彼女は述べた。

なぜ(TPPに)関心がないのか尋ねると、多くの企業ではすぐには直接影響を受ける訳ではなく、経済的にその他いろいろな困難や課題がある中、どうやって生き残るかに全力を注いでいる、とのことであった。

コーヒーの生産・輸出会社Thang Loi社のNguyen Xuan Thai社長は、次のように述べた。 「私はTPPに興味がありません。(TPPがもたらす)関税の削減は、我々にとってはさほど重要ではありません。我々の大きな課題は、いかに製品の品質を向上させるかなのです。」

ベトナムでは、毎年約36億米ドル相当のコーヒー豆を輸出しているが、米国や日本などの主要市場へ出荷する際には既に0%の関税を享受しており、「このように、TPPはコーヒー出荷に何らメリットをもたらさないでしょう。」と、Thai社長は述べた。

新たに署名されたTPPにより、米国、カナダ、オーストラリア、日本など多くの大規模な加盟国における関税が下がる予定である。なお、中国は加盟国ではない。ベトナムの主要輸出品である衣料品の最大輸出先である米国における関税は、現状の17~32%からゼロとなる。

TPP発効によって特に利益を享受することが期待されているにもかかわらず、全国約2000のアパレル生産会社もまた、ほとんど興味を示していない。大企業だけがTPPを研究し、そのための準備を行う能力があるように見える。

実際多くの地元企業が、ベトナムが署名したTPPについて無知である、とベトナム商工省自由貿易協定(FTA)部門のPhung Thi Lan Phuong部門長は指摘し、ある会社では日本-アセアン間の自由貿易協定について、日本の取引先がこの協定によるメリットを享受しようと原産地証明書の提出を求めてくるまで知らなかった、という事例を引き合いに出した。

多くのベトナム企業はこのような調子で、FTAによる利益(を享受する機会)をみすみす逃してきた。

TPPについてベトナム商工会議所(VCCI)に問合せる数少ない企業でさえ、主に関税削減に着目しており、労働、環境、知的財産に関するその他の重要な義務要件に全く関心を示していない、とPhuong部門長は述べた。

TPPに関心のある企業は、主にハノイやホーチミン市に拠点を置く外資系大企業であり、地方に拠点を置く中小企業は、この貿易協定について知らないようだ、と彼女は言った。

これら中小企業がTPPについて知らないのであれば、企業はTPPによって供される利益を確保するための法的規定を整備・改正するよう、政府に働きかけたり、アドバイスしたりすることは不可能である、ということは言うまでもない。

 

(後編に続く)

 


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最終更新:2015年12月21日

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