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カンボジア:アパレル・ブランドが仕入価格引上の誓約を反故に(前)

世界で最大級の労働組合連合の一つであるIndustriALLは12月9日に、主要な国際ブランドグループの大半が、カンボジアの工場にその労働者に対する最低賃金を引き上げさせるように善処する、との昨年取り交わされた誓約を無視したようであることに対し、失望したとの声明を出した。

2014年9月にIndustriALLは、8社の衣料ブランドがカンボジアの工場に対する衣料品の仕入価格を上昇させることにより、それを原資に工場が労働者に対して賃上げができるようにする、という“前例のない”誓約に署名するという動きを歓迎した。カンボジア縫製業協会(GMAC)もこの誓約に対して歓迎の意を示し、国内最大の独立系労働組合もその動きを“重要な進歩”と位置づけた。 "

政府はそれ以降、最初は月額100米ドルから128米ドルへ、2度目はこの1月から140米ドルへ、2回にわたって衣料品部門の月額最低賃金を上昇させた。しかしIndustriALLによると、実際にはこの8社のブランドは仕入価格を上昇させていないと見られている。

この誓約に参加したブランドには、カンボジアに最大級の受注をもたらしているスウェーデンの衣料大手H&Mが含まれ、その他C&A、Inditex、New Look、Next、the N Brown Group、PrimarkとTchiboの8社が参加した。

「昨年これまでで最も強力な声明を、国際衣料ブランド8社は公のものにしました。それによると、“我々は合意された最低賃金の引上げに見合った額を(縫製工場に)支払うことになるだろう”としています。」と、水曜日にプノンペン開催された労働組合連合の年度執行委員会における休憩時間に、IndustriALLのJyrki Raina書記長は述べた。

「しかしながら実際のかなりの取引において、このことは実現されていません。」と彼は述べた。

Raina書記長は、この問題の一部は、IndustriALLがこの誓約を発注・支払を管轄するブランドの購買部門と取り交わしたのではなく、企業の社会的責任(CSR)を管轄する部門と交わしたことに原因があるかもしれない、とした。

「H&M、Inditex、Gapやその他のグローバルブランドは、一般的な評価は高いものの、彼らの内部組織は完璧にはほど遠いと我々は見ています。従って、CSR部門やサステナビリティを管轄する部門の人々の基本的な業務は、ただ会社にとっての悪いニュースや悪い事象が発生していないことを確かめるのみです。彼らはこれまで、購買部門とグローバルの生産体制を結び付けるようなことは実施してきませんでした。」とRaina書記長は述べた。

「もし購買と生産部門の人々がお互いに話をしていない場合、(この取り決めは)適切な人々に伝わらないでしょう。これは、会社全体のリーダーシップの問題です。今回、衣料ブランドが彼らの仕入価格を明らかに上げていないことに対し、私は非常に失望しています」と、Raina書記長は続けた。

衣料ブランド各社は、購買政策の問題として、彼らが仕入先に支払っている価格について、最初にこの誓約を彼らに承諾させた団体であるIndustriALLにさえ明らかにしないであろう、と彼は説明した。

GMACは9月に、工場会員の99.4%が、前年比で同額かそれ以下の購買価格をバイヤーから提示されたという調査結果を公表した。この調査によると、回答した工場の3分の1が、(前年比で)最大10%も価格を下げられた、としている。

しかしながら、衣料ブランドが実際に支払っている価格を明らかにしていないため、この信憑性を確認する手段はない。

GMACの調査以降、2014年の誓約書に参加した全8社は、The Cambodia Daily紙から仕入価格を実際に上げたのかについて質問を受けた。 H&MとPrimarkだけは返信したものの、この質問に対して明確な回答をすることを拒否した。

 

(後編へつづく)

 


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最終更新:2015年12月17日

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