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カンボジア:縫製工場の空きスペースを保育施設に

Kampong Speu州のHirota工場の保育園は、部屋の中央に折りたたみベッドがあり、サイズはおよそ6平方メートル、大型のクローゼットより少し大きい程度である。カンボジアの他の多くの工場付設保育園と同様、Hirota工場の保育園は常に空である。

「こういった施設は非常に狭いので、誰も工場付設保育園に子供を連れてきません。」縫製工場の約1200人の労働者の一人であるChhorn Sophaさん(26歳)は言った。Sophaさんには2歳になる息子がおり、現在第二子を妊娠中である。彼女の息子は、Kampong Cham州で、彼女の母親によって育てられており、Sophaさんは月に1回だけ息子に会うことができる。「息子は私の母と一緒にいるので大丈夫です。」と彼女は言った。「でも私としては、息子と一緒にいれたならもっと幸せでしょう。」

100人以上の従業員を抱える縫製工場は、労働法により、従業員のための無料の保育施設を提供するか、保育にかかる費用を補助することが求められている。実際のところ、工場付設の保育所は狭い上、子供の世話をするスタッフも配置されておらず、また工場労働者は子どもが2歳になった後は、保育費用の補助もほとんど受けていない。

「カンボジアのどの工場もまともな保育サービスを提供していません。」コミュニティ法律教育センターのMoeun Tola氏は言った。「工場ではただ、いくつかのがらくたを置いた、ベビーシッター不在の小さな部屋を提供しているだけです。」

カンボジアにおける70万人の衣料品労働者のうち、女性が約90%を占めている。その多くに子供がいるが、便利な育児サービスの選択肢がないため、3ヶ月の有給出産休暇が終了した後、親子は離れ離れになることになる。多くの場合子供たちは、工場から遠く離れたところにいる祖父母の世話になり、母親は毎月仕送りをする。

保育サービスにおいて、衣料品労働者にはほとんど選択肢がない。「我々の知る限りでは、多くの産業分野において、残業時やいつ(移動手段である)バンやトラックが動くかに頼っている工場労働者が容易に利用できる保育施設はありません。」と労働者権利団体Solidarity CenterのカントリーディレクターであるWilliam Conklin氏は述べた。

たとえ保育所が近くにある場合でも、その費用を支払う余裕のある労働者はほとんどいない。一部の工場では育児費用を従業員に支給しているが、たいていの場合、子供が18ヶ月に達するまでの期間、たったの月額6米ドルを支払っているのみである。工場労働者に対する8月の調査によると、子供の世話にかかる費用は月額平均50米ドル以上であり、彼らにとってローンの支払いに次いで多額の出費となっている。

こうした育児費用は(子供と一緒に暮らす)母親にとって負担となる一方で、幼い子供から引き離されることは、(子供と一緒に暮らせない母親にとって)感情的な負担となっている。 「私はとても悲しく思っています。」 Kampong Speu州のAnful工場で働き、娘はKampong Thomで彼女の母親と暮らしているPunh Pomh(35歳)さんは言った。

「私は自分の子供から引き離されているのが嫌です。」Cambo Kchom工場で働くSoeung POVさんは言った。「私は毎日、自分の子供に何か起こっていないか、事故にでも遭っていないか心配です。」

工場組合のリーダーたちは、もっと良い保育施設の整備を要求するとしているが、工場経営者の動きは鈍い。Hirota工場の副組合長のSok Sala氏は、経営者がより大きな保育施設を設置することに合意したものの、1年半前に合意してから未だ設置されていない、と述べた。

「彼らはいつも(サービスを)提供すると言うが、遅れ遅れです。」と彼は言った。この点について、Hirota工場の経営者からコメントは得られなかった。

カンボジア縫製業協会のKen Loo書記長は、もし十分な保育施設を準備したとしてもほとんどの母親は、子供たちに自宅で家族と一緒に過ごさせることを望むだろうと述べた。 「カンボジアの文化においては、保育所を利用する習慣はなく、祖父母に自宅で子供たちの世話をしてもらうのが一般的です。」と彼は言った。 「工場が保育施設を整備しても、そこに誰も子供を預けないでしょう。」

文化慣習に関係なく、多くの衣服労働者にとって、子供と離れ離れであることは依然として受け入れがたいことである。

「毎月娘と母のところに行くたびに、工場に戻りたくなくなります。」とPunh Pomhさんは言った。「でも私は工場で働かねば彼らをサポートするお金がないのです。」

 

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最終更新:2015年11月20日

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