インドシナニュース

カンボジア:賃上げの影響をめぐり侃侃諤諤

国際労働機関(ILO)の最近の報告によれば、1月に128米ドルの最低賃金を施行したにも関わらず、国内の衣料品や靴業界は今年の第一四半期で10%以上の成長を遂げた。ただし専門家らはこれが全体にどのように影響を及ぼすかについては引き続き成り行きを見守る必要があるとしている。

四半期ごとに発行される新しい業績速報のなかで、ILOはカンボジアの衣料品業界が昨年9.3%、58億米ドルにまで成長を遂げ、640の工場で60万人以上の労働者を雇用していると報告している。

次年度のさらなる賃上げにむけて再開された話し合いの最中に発表された報告によれば、今年の賃上げが「輸出量の減少」という結果に終わる懸念が指摘されるものの、業界は「期待できる」成長を見せたと述べている。

ILOアジア事務所のチーフテクニカルアドバイザーであるMatthew Cowgill氏は、ILOは最低賃金の適切なレベルに関しての見解は示さないものの、業界はよい業績を残したと述べた。

「雇用は成長を続けている。工場は結果、開設し続けている。」とCowgill氏は言う。

Cowgill氏は、第一四半期における賃上げの結果は目に見えないものかもしれないが、次回からの速報のなかでその影響はどのようなものでも反映されるだろうと述べた。

「どのような影響も遅れて実感できる可能性は、非常に高い」と氏は述べる。

「これは想定内であって、その可能性を除外することはない」。

政府、労働組合、製造業者による三者間の話し合いは現在進行中だ。政府の調査結果が、労働者の生活賃金が157米ドルから177米ドルの間であるとしたことから、労働組合は最低賃金の賃上げを要求している。

GMACの事務総長であるKen Loo氏は第一四半期の成長を示す数値は、必ずしも業界の賃上げの影響を直接的に示すものではなく、今後の四半期の中で影響はみられるだろうとの見解を示した。

「最低賃金の賃上げによるいかなる影響も第一四半期の輸出に影響をもたらすものではない」と氏は述べた。

Loo氏は、はじめに待って1月の賃上げの影響を査定してから、将来の賃上げの話し合いを持つのが理想的だっただろうと述べた。

「実際は政府がすでに年間の評価をすることを表明していることから、この状況に取り組まなければならないということだ。」とLoo氏は述べた。

「理想としては、待つべきだ」

Loo氏はまた賃上げの圧力が、バングラデッシュ、ミャンマー、スリランカといったほかの衣料品製造国と比較して、カンボジアの衣料品業界の競争力を弱めてしまったとはいえ、生産性を改善することでコストのいくらかを相殺できるとも述べた。

「すべてのコストを相殺できるだろうか、いやできない。」とLoo氏は述べる。

近年改革路線にあるミャンマーのような国との競合が高まっていることは懸念事項だ、と経済評論家のSrey Chanthy氏は述べた。カンボジアの経済を単なる安い労働力ではないとみる投資家は、賃上げにやきもきすることはない。

「搾取しようとする投資家はいつも賃上げに関して何かしら問題を抱えている。」と氏は述べた。

「良い投資家は正常の利益を得ることで満足するものだ。

しかし搾取しようとする投資家は経済的な利益を得たいだけだ。」

Chanthyによれば、衣料品業界が短・中期的には好調さを保つものの、経済を衣料品業界への依存から脱却させ、多様化を図る必要性があるという。

「他の価値ある業界への多様化が遅れることなく行うことができるかどうかは、政府が衣料品業界への依存を脱却する意思と努力にかかっている」



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最終更新:2015年08月03日

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