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カンボジア:「統合ではなく、細分化」が産業のバリューチェーンを変える(前)

2015年の終わりにアセアン経済共同体(AEC)が発足する。それにより、製造業者たちはより安価な投資先を求め、メコン川流域の未発展の経済地域によるバリューチェーンの配置換えが起こり、東南アジア地域のダイナミックな変革に拍車がかかると、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の専門家は考えている。

ANZのチーフエコノミストであるGlenn Maguire氏は、中国の成長の減速や製造コストの上昇といった鍵となる経済指標を指摘し、メコン川流域の未発展の経済地域の若い人口構成、低い賃金、世界的にみたアジア市場へのアクセス優位な位置と合わさり、市場の細分化と専門化に基づき、製造拠点の南への移転が起こると予測している。

「北側の国々の賃金が上昇し続けるにつれ、この細分化は、私たちが南への大移動と呼ぶものにつながっていきます。中国、韓国、そして日本といった、コストのかかる地域から、若い労働者がいて、コストの低いアセアンの経済地域へと工場が移転してきます。」と先週プノンペンでANZが公表した「アセアン:次なる地平(ASEAN: The Next Horizon)」のプレゼンテーションで述べた。

AECが発足すると、高い付加価値のある衣料品、電化製品、そして軽工業といった領域への市場細分化により、メコン川流域の未発展の経済がそのバリューチェーンの配置を替えていく可能性がある。

「統合ではなく、この細分化が、サプライチェーンの拡張と、地域の発展の鍵だと考えています。」と彼はいう。しかし、この拡張は、この地域と関連して比較優位を専有している経済を中心に展開していくだろう。

「比較優位の観点で自身を配置することなしに、低所得経済から高所得経済への移行に成功した経済はありません。」と彼は話す。

ベトナムの電化製品製造への移行に話題を向けながら、Maguire氏は、特にAECがグローバル・サプライチェーンをこの地域の経済により広く、深く浸透していくにつれ、どのようにこれがメコン川流域で比較優位が展開していくかを理解する手掛かりになるかを説明した。

彼は、タイとベトナムがより価値の高い製品を製造し続けていくことにより、カンボジアの産業基盤が多様化する機会を創出するだろうと語った。

しかし、カンボジアの経済は衣料品製造の発展から恩恵を受けたが、カンボジアが産業基盤を多様化し、バリューチェーンを細分化するためには、カンボジアは戦略的に、地域経済の文脈の中で、自分自身の位置を確立しなければならない。

「カンボジアは最も近い近隣のサプライチェーン、たとえば、タイの自動車産業やベトナムの家庭用電化製品産業と、これらの製造拠点がバリューチェーンをさらに細分化するための強力な提案をすることで、提携する必要があります。」とANZロイヤル銀行の最高経営責任者であるGrant Knuckey氏は話す。

しかし、Knuckey氏によると、課題は「これは、労働費用とスキル、輸送と貿易のプロセスの観点で細分化されたチェーンのニーズを理解し、適切な経済のレベルでそれに見合う努力をするということを意味しています。」

「それは難しい課題で、長期的なヴィジョンが必要となります。」と話した。

ANZの最新のメコン流域地域の四半期展望によると、近い将来のカンボジアの比較優位は、依然、低い賃金に頼っていて、現在問題に直面している衣料品業界中心にあり続けるという。

「現在の問題は、労働集約型産業での他の競合に比べ、私たちは生産性が低く、かつコストが高いということです。例えばベトナムよりも生産性は低く、しかしミャンマーよりもコストが高いのです。」

Maguire氏によると、産業化が定着し、国々がより価値のある製造業へ移行する際に、比較優位を利用することは、アジアで繰り返し行われてきたものだという。彼はこの傾向が加速し、国が近代化するのに要する時間が短くなったとも付け加えた。

「日本の産業化は30年かかりましたが、新しく産業化した経済、例えば韓国は25年、中国は15年でした。私たちの予想では、メコンの国々では、10年から15年に近い期間になるでしょう。アジア経済の歴史の中で、最も早い近代化の発展になるでしょう。」と彼は言う。



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最終更新:2015年07月18日

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