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ベトナム:最低賃金の引き上げ、この3年間で最低水準か

ベトナムにおける最低月収は来年、ちょうど10%を少し超える見込みである。これは2013年以来最低の水準であり、企業部門の圧力に屈する動きである。

今年初めに施行された政府の法律によれば、ベトナムは地域により最低賃金を215万-310万ベトナム・ドン(101.4-146.2米ドル)、つまり15%相当引き上げた。政府はまた2014年に最低賃金の引き上げを15%前後承諾した。

賃金政策に関する最近の対話のなかで、ベトナム商工会議所(VCCI)の議長であるVu Tien Loc氏はマスコミに対し、商工会議所が最近の通貨の下落を相殺すべく「10%以上」の賃上げを提案し、昇給が現在の労働生産性に沿っていることを確認していると述べた。

賃上げが生産性を上回るようであれば企業運営に影響を及ぼし、いずれは経済成長に影響をもたらすだろう、と氏は述べた。

国家賃金評議会の議長で、副労働大臣でもあるPham Minh Huan氏は、Loc氏の意見を支持した。VnExpressのニュースサイトは「政府は両当事者にとってうまくいく解決策を導き出さなくてはならない」と氏の意見を報じている。

賃金政策について政府に助言を提供する全国賃金評議会は、提案されている賃上げを今月まとめるとしている。

計画は10月に政府の承認を得るべく提出される予定で、2016年に施行される。

 

企業の意見

外資、ローカルの企業ともに最低賃金の値上げは企業活動に影響を与えると遺憾に思う企業が多い。さらなる賃上げは、短期的にはベトナムの競争力に深刻な影響を及ぼすと警告し、慎重に検討を重ねるべきだとしている。

アナリストは、政府の経済政策の不確実性を示すものとして企業が賃金の大幅上昇を通常15%程度の一度で行っていると言う。これは当然の懸念事項であり、インフレ率やそれよりやや上の数値に従って最低賃金を引き上げるための政策を設定した方がよりよい、と彼らは言う。

最終的には「最低賃金はまだかなり低く、労働生産性はベトナムで高くないとはいえ、この生産性のレベルの低さは低賃金を正当化するものではない」と米国メリーランド州ボルチモアのロヨラ大学経済学教授のDennis McCornac氏はThanh Nien Newsに対して語った。

「外資系企業は労働者に対してはそうでなくても、自分たちにとって有益な政策を立案するよう、ベトナム政府に対してロビー活動を行っているようだ。」

世界銀行によれば、ベトナムの一人当たりの国内総生産はいまだに2000米ドルを下回る。専門家は最低賃金の引き上げは正しい方向に向かう一歩だが、年末調整を行ってもなお労働者にとっては生活をやりくりするには十分ではないと指摘する。ベトナム労働総連合よれば、これは労働者の基本的な生活必需品の60%しか満たすことができない。

今年に入ってから、不満をかかえた労働者が賃金の引き上げや労働条件の改善、残業に対して抗議し、ベトナムじゅうで合計235もの山猫ストが繰り広げられた。

3月下旬、ホーチミン市において何万もの労働者が、すべての従業員を退職日まで国家の年金システムに入ることを目的とした強制的な年金基金の新しい規則に対し、抗議した。

ストライキはベトナムの議会である国会に対し、議論を呼び起こしている規則を改正するよう、6月に投票を行うよう求めている。改正が実施されれば、労働者は企業を退職するときに社会保険の一時払いをうけ、国家の年金プログラムをやめることができるようになる。

企業の影響力が高まりつつあるにも関わらず、3月のストライキで勝利を収めることができたことにより「海外投資家、商工会議所や経済学者が自身の利潤になるよう法の支配に影響を与えようとしても、労働者が団結することで、労働組合や政府は懸念事項に耳を傾ける」ことを証明した、とモンテレーベイのカリフォルニア州立大学政治経済学教授Angie Ngoc Tran氏は言う。

「数が集まれば強さは発揮される。労働者が結集し、3月にしたように経営者や政府当局と対話による平和的な解決を図る」ことをしない限り、安価な労働力により海外からの投資を引き付ける競争で賃金の引下げがもたらされるのみだ、とTran氏は述べた。

 



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最終更新:2015年07月10日

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