インドシナニュース

カンボジア:労働組合、さらなる賃上げを要求

カンボジア縫製工場の労働組合らが、最低賃金の引き上げをさらに要求する構えだ。

労組の代表らは、縫製労働者の給与について、物価上昇に対応するには1カ月当たり少なくとも177米ドル必要だと話す。カンボジアの縫製産業は国内最大の雇用者数を誇る産業で、現在、約60万人が働いている。

カンボジア・アパレル労働者民主組合連盟(CCAWDU)のメンバーらは引き続き、国際的な団体や海外の委託企業と会談し、賃上げの支援を呼びかけるとしている。

CCAWDUのAth Thorn代表は、VOAクメールの取材に対して、自身や関係者はこれまで過去数カ月にわたってアジアや欧州、南米などを巡り、賃上げを支援してくれる組織を探してきたと語った。

カンボジアでは2013年、賃上げを求めてデモが発生したが、翌年1月、当局による厳しい弾圧を受け、少なくとも5人が死亡、数十人が負傷した。

だがこれにより、1カ月の給与は128米ドルへと引き上げられた。しかしThorn代表やその他関係者らはこの額を十分ではないとし、「やはり177米ドルは必要だ」と述べている。

Thorn代表および関係者らは先月、日本、ブラジル、ノルウェー、スウェーデンなどを訪問し、国際的な団体や海外の委託企業と話し合いを行った。同代表は、「オスロでは100社以上もの企業と会談しました」と話す。

労組らは賃金の引き上げを望んでいるが、実現できない場合には、公共の場で賃上げを求める集会を始めたいと考えている。Thorn代表は、デモ活動は最終手段だとし、「平和的な話し合いで解決できない場合には、われわれは国会前に集結し、自分たちの姿勢を示すつもりです。必要であれば、デモ活動も止むを得ません」と述べた。

一方で国際労働機関(ILO)は、カンボジアの物価を割り出すなどデータ収集を行うことで、賃上げ交渉の支援を行っている。ILOは、Eメールで「労働組合には、こうしたデータを利用して詳細な情報を得た上で、2016年に向けた最低賃金の賃上げ交渉に臨んでもらえれば」とコメントしている。

カンボジア労働組合連盟のYaing Sophorn代表の話では、Sophorn氏はこれまで、組合内で提起された懸案事項や生活水準に見合った給与などについて、メンバーらと話し合いを行ってきたという。同氏は、「われわれはこれまで、問題を提起してきたメンバーや労働者たちと話し合いを行ってきました」といい、「懸案事項として挙がっているのは、給与の引き上げについてです」と述べた。そして話し合いで解決しなければ、最終的には抗議行動に及ぶ可能性もあると補足した。

当局による厳しい弾圧の後、労組代表の多くが、2013年末から2014年頭に発生した縫製労働者のデモ行為において、これらの暴動を扇動したとして提訴された。

提訴された代表らには、Yang Sophorn氏やAth Thorn氏のほか、Pao Sina氏(労働者運動共同組合)、Chea Mony氏(自由貿易組合)、Rong Chhun氏(カンボジア組合連盟)などが挙げられる。これらの代表らは皆、他の労組と会談したり、集会に参加したりしないよう警告されている。

彼らは自己の潔白を訴え、こうした禁止命令は、賃上げ要求を止めさせる一種の作戦なのだと主張している。そして公正な賃金や適切な労働環境は、労働者が心身ともに健康であるために、極めて重要なものなのだと述べた。

カンボジアの縫製工場では、労働環境が劣悪だったり、単に栄養不足だったりするために、毎年、何百人もの労働者が貧血を起こしている。近年発生している工場建物の崩壊によってもまた、労働者が負傷したり、死亡したりしている。つい先週も、19人の縫製労働者が自動車の衝突事故によって亡くなった。通勤費用を節約するために、1台の小型トラックに何十人もの労働者が乗り込んでいたためだ。

Pao Sina代表は、欧州連合(EU)の関係者らに、賃上げの支援を要請していると話す。同代表は、「賃金が上がれば、労働者たちは、乗車人数が定員以内の安全なトラックを利用することができます」といい、これによって労働者の安全を確保することができると述べた。現在、カンボジアで生産される衣料品の多くがEUに出荷されている。

労働者らは、賃金を上げて欲しいと話す。Morn Saveinさんもその1人だ。Saveinさんは現在、Svay Rieng州のBavet市で働いており、月収は129米ドルだ。この月収で、生活費、子供の学費、往復の通勤費用を賄わなければならない。通勤には片道2時間かかり、「通勤に利用するトラックには、毎月20米ドル支払っています」と話す。

Saveinさんは、先日の衝突事故で、姉妹のMorn Savonさんを亡くした。Saveinさんは、「給与が今よりも高ければ、事故は起きなかったかもしれない」と語った。



無料レポート提供中!
~~ ミラン・コンサルタント ~~
ベトナムでのアパレル生産は
中国での生産とどこが違うのか?



カンボジア ジャンル:
最終更新:2015年06月01日

このページのトップへ戻る