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ベトナム:小売市場、2015年は海外企業参入にチャンス

大手不動産サービスCushman and Wakefieldベトナム法人・小売サービス部で地域部長を務めるHoa Le氏が、海外小売企業の視点からベトナム小売市場を分析している。同市場は今年、政策の変更によって大きな転換期を迎えると考えられている。

首都ハノイとホーチミン市はベトナムの2大都市であり、主要な小売市場でもある。Vingroupが商業施設を開発したおかげで、現時点ではハノイの方がやや市場規模は大きい。

大型商業施設の開発は現在、増加傾向にある。売場面積は約4万平米にも及び、必要なものは何でも揃う。買い物客はそこで1日を過ごし、ショッピングやレジャー、レストランでの食事などあらゆることを楽しめる。

ダナン市もまた、特に食品や飲料、レジャー業界の小売業者から注目を集めている。インフラが整備され、観光資源もあるダナン市は、今後、ますます繁栄すると期待されており、投資先としても有望である。

小売市場の売上高は過去5年間、平均21.2%の割合で成長しており、2013年には1240億ドルにまで達した。ベトナムの市場規模は、北京や上海の市場規模とほぼ同じだが、成長速度ははるかに速い。一方で家賃や入居率は下がっているが、長い目で見れば、人口や経済といった要因と絡んで大きく成長を遂げるだろう。同市場の発展はまた、特にロッテやイオン、Vivo Cityといった海外企業の活躍からも窺える。

だがこれまでのところ、同市場で海外企業が占める割合は、市場全体のわずか22%となっている。この数字から、海外企業の市場占有率は低く、高級ショッピング・センターの数も少ないことが分かる。

Cushman and Wakefieldが以前、上海、シンガポールあるいは香港の小売サミットに参加して気付いたのは、海外の小売業者が、ベトナム小売市場に対して関心を高めているということだった。また特に話題に上がったのは、若い世代が多く中流階級が増加していること、法的枠組みについての議論、市場の政策や地域間競争についてだった。

では海外の小売企業が、ベトナム市場で成功するにはどうしたら良いのか。言うまでもなく、最も重要な要因に「立地」が挙げられる。一口に小売業者と言っても、業界によって店舗の立地条件は異なるからだ。

例えば、近々ホーチミン市にフラッグシップ・ショップをオープンするある有名なファッション・ブランドは、一等地であることと、約2000平米の売場面積を要求した。彼らには強い「値切り交渉」の切り札があった。オープン後は多くの人が店を訪れるため、ショッピング・センター全体の売上につながるのだ。これによって家賃設定や取引条件もフレキシブルなものになった。

別の重要な要因には、このファッション・ブランドのセグメントが、入居するショッピング・センターのそれと、同等がそれ以上であるべきという点が挙げられる。同じセグメントにあれば、店を訪れた人たちも楽しく思い出に残るショッピングができるだろう。

ファスト・ファッション・ブランドは「中心地」を選び、百貨店のテナントはアクセスの良さや人通りの多い立地、ビルのマネジメントなどについて考える。

このように市場の需要や分野を基に入念に進められたプロジェクトは、その後、物件を変更したり改修したりすることもなく、デベロッパーと小売業者の双方にとってメリットのあるものとなる。また小売業者の多くは、こうしたプロジェクトに関心を示すものである。

では高級ブランドはどうだろうか。世界トップクラスのブランド、プラダが数カ月後、ハノイのビジネス街に300平米の店をオープンする。

多くのブランドは最近、フラッグシップ・ショップをオープンし、多店舗展開をしない。こうした出店の仕方は高級ブランドに人気で、例えばユニオンスクエアのブルックス・ブラザーズやベルサーチなどが挙げられる。また今後もこの傾向は続くだろう。

一方で高級ブランド企業はまた、富裕層は香港やシンガポールで買い物する傾向にあると指摘する。というのも、これらの国々の高級品は安くて種類も豊富だからだ。従ってどの企業でも、新規市場へ参入する際には、入念な戦略を立てる。

さらにCushman and Wakefieldが気付いたのは、新たな販売チャネルの導入である。特に小売市場へ新規で参入する者は、製品やサービスを実店舗で提供するだけではなく、いわゆる「ブリック・アンド・クリック(店舗販売とインターネット販売)」型で販売するのだ。

ベトナムでは、ZaloraやLazadaやMetaといったEコマース・サイトの出現によって、ネット通販への注目が高まりつつある。若年層から中年層を狙ったこれらのサイトでは、その便利さが利用者にうけている。特に食品・飲料業界が、ネット通販の持つ利便性に商機を見出しており、例えば飲食店のフランチャイズや、hotdeal、nhommua、muachungといった共同購入のウェブサイトなどと提携して、事業を展開している。

ベトナムのEコマース市場は依然として発展途上にあるが、長期的には、海外小売企業も同市場の可能性を高く評価するだろう。根拠としては、以前、不動産エージェントらと行った詳細な市場リサーチで、海外小売企業がこうした見解を示したからだ。

ベトナム小売市場は、法的支援の強化や、世界貿易機関(WTO)との公約などによって、今年、間違いなく成長するだろう。

 



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最終更新:2015年01月24日

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