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カンボジア:縫製労働者の労働デモ減少

最新の産業データによると、55億ドル規模のカンボジア縫製産業において、2013年に急増した労働デモの件数および労働損失日数は昨年、急激に減少した。

縫製産業はカンボジアにとって極めて重要な産業だが、同時に不安定な産業でもある。カンボジア縫製業協会(GMAC)は現在、約500の縫製工場の代表を務めているが、その会員らがまとめたデータによると、同産業は2013年、前例のない数の労働デモに見舞われたという。

だが最新データでは、2013~14年にかけて労働デモの件数は約25%減となり147件から108件まで減少した。労働損失日数も改善され、88万9000日から40%減の51万3000日となった。

同データには、2013年12月末から翌年1月あたまにかけて行われた15日間にわたる全国規模のストライキは含まれていない。だがこの期間中、ほとんどの縫製工場は業務を停止し稼働していなかった。

GMACのVan Sou Ieng会長は11日、同15日間をデータに含まなかった件について、このストライキを産業的というよりはむしろ政治的なものと捉えたためだと説明した。そして総選挙が行われた2013年に労働デモの発生率や労働損失日数が増加した背景には、カンボジア救国党(CNRP)による民衆の扇動があったとし、投票結果に対する縫製労働者の不満を煽り立てた結果だと非難した。同会長は「政情が不安定だったことと、CNRPが最低賃金の問題を利用して政治的支援を得ようとしたことが、労働デモ増加の原因です」と話した。

CNRPは、同年7月の総選挙に向けて縫製労働者の票を得ようと熱心な遊説を行い、政権与党となった暁には、公約として賃金の大幅引き上げを行うと伝えていた。その後、労働省が縫製産業の最低賃金を従来の月額80ドルから95ドルへ引き上げる旨を発表したが、この額に不満を持った労組らは12月、全国規模のストライキを開始した。

縫製産業に広がった動揺はおさまらないまま、翌年には、労組・工場・政府間で最低賃金の引き上げ交渉が改めて行われた。Sou Ieng会長は、この動きが緊張を和らげ、労働デモの減少につながったとみている。結果的に労働省は、労組がデモ活動を再開しようとは考えない額として、新賃金を128ドルに設定した。

同国最大の非政府系労組、カンボジア縫製労働者民主組合連盟(CCAWDU)の組合長Ath Thorn氏と、2013年12月の大規模ストライキのリーダーもまた、同年の労働デモの増加について、その年に行われた総選挙がその火付け役になったものと考えている。

だが2014年の減少については、当局によるデモやストライキの鎮静化だけでなく、賃金交渉を行ったことも少なからず関係しているのではないかと分析しており、Thorn氏は「政府は、抗議活動を禁止する代わりに、最低賃金を引き上げることにしたのです」と話した。

軍警察は2014年1月3日、首都プノンペンで、縫製工場の建物付近に増え続けるデモ隊を封じ込めようと武力行使に踏み切り、投石を行う暴徒に向けて発砲した。これにより数十人が負傷し、少なくとも5人が死亡した。翌4日には、治安部隊および武装警察が、棒や斧を持ってプノンペンの自由公園で野営を行うCNRPの支援団体に突入した。その後数カ月間、同公園ではいかなる抗議活動も禁じられたほか、プノンペンでも抗議活動が全面的に禁じられた。またThorn氏など数人の労組トップは暴動を扇動した罪で起訴され、今後、組合員に接近しないよう命じられた。

Thorn氏の話では、労働省が昨年11月、最低賃金を128ドルに設定すると発表したとき、労組らはしぶしぶではあるがそれを受け入れたという。

一方でThorn氏とSou Ieng会長はともに、デモ減少の理由が何であれ、減少に転じたことで、カンボジアが世界の企業から失った国際的な信頼を取り戻す機会になればと考えている。

 



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最終更新:2015年01月14日

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