インドシナニュース

カンボジア:スト終了でGTI社の株価、回復の兆し

台湾系衣料品メーカーGrand Twins International(GTI)社にとって、この1カ月は試練の月だった。と言うのも、労働デモが各地で再発し、産業全体の最低賃金額も今週、新たに設定されたからだ。

だがこうした混乱をよそに、GTI社の株は、アナリストらが当初予測したよりも持続性をみせている。同社は、カンボジア証券取引所(CSX)で上場を果たした企業2社のうちの1社である。

先月20日以来、GTI社で縫製業務に携わる従業員らは、1日1.25ドルの昼食代や、月15ドルの交通費および住宅手当など、各種福利厚生費の増加を求めて波状ストを実施してきた。工場経営者によれば、同社18年の歴史のなかでストライキが起きるのは初めてのことだという。また同社で戦略マネジャーを務めるDavid Liu氏は、従業員が正式に業務を再開したのは今月11日のことだったと述べた。

翌日の12日、カンボジア労働省と労働組合らは、月額の最低賃金を現行の100ドルから128ドルに引き上げると発表し、発効日を来年の1月1日からとした。

この件についてLiu氏は、「当社のストライキが、労働局との合意に至ったことで沈静化し始めたところだった」と説明する。

だが最低賃金の引き上げについては、「昨日聞いたばかり」との理由でコメントを差し控えた。また「賃金については内部協議を行う予定」とし、労働省の決定が同社の経営面や年末の収益予測に及ぼす影響については詳細を語らなかった。

先月20日から今月12日にかけてGTI社の株価は徐々に下降線をたどり、1株あたり2.06ドルだったものが今では1.96ドルとなっている。

とは言えCSXで市場操作の責任者を務めるSoleil Lamun氏は、投資家のセンチメント(市場心理)で考えればGTI社の株価の下落は想定内だったと話す。また「通常、投資家のセンチメントというものはストライキの発生に左右される。これはGTI社のケースにもあてはまるのでは」とEメールを通じて述べた。

一方で「下落したと言ってもわずか数百リエル。GTI社に投資する者なら、労働者のデモになど驚かないだろう。カンボジアではGTI株が発行される前からすでに、今回のストライキと同等かそれ以上の問題が起きていたのだから」と話し、今年1月縫製産業に停滞をもたらした労働者のデモについて触れた。

さらに「ほとんどの投資家はすでに今回のストライキを考慮に入れていただろう。だが問題が長引けば長引くほど、投資家のセンチメントに影響を及ぼすのは明らか」と続け、GTI社が本件を早期解決したことについて称賛した。

縫製産業全体が改革運動を繰り広げることで、GTI株の安定性や寿命について懐疑的な意見を述べる者もいる。またそれは6月16日に実施された同社IPO(新規株式公開)以前から口にされていたことでもあった。

GTI社で最高財務責任者補佐を務めるStanley Shen氏は当時の状況を振り返り、「当社は1月のストライキからまもなくIPOを実施したが、当社への投資を考えていた投資家は、その件について何度も懸念を示していた。しかも当時カンボジアでは、最低賃金の引き上げをめぐる交渉が引き続き行われていた」と話した。

GTI社がCSXで上場した第2の企業となってから半年になるが、同社株は公開当初の2.41ドルから全体で17%下落している。

Acleda証券CEOのSvay Hay氏によれば、こうした下落傾向にも関わらず投資家はGTI社に対して、来年初頭に期限切れとなる、同社初の配当金額の発表を行うよう要求しているという。

また「GTI社のストライキの期間は実に短く、中長期的な投資家のセンチメントは明らかに影響を受けていない」としたうえで、「だが短期で株式売買を行うトレーダーに対しては、確実に影響を与えただろう」と説明した。さらにCSXと証券会社に対する取引依頼は1日平均10件だと補足した。

一方でGTI社がカンボジアの縫製産業に関わっているというだけで、その株も不安定になるようなことはないとし、「今後さらに多くの衣料品メーカーが、大きな障壁もなく市場に参入してくるだろう。それはカンボジアの株式取引にとってもありがたいことだ。企業の成功というものは、その企業が属する産業の状態によって決まるものではない。自社の財政状態や経営状態についていかにオープンであるかによって決まるのだ。それを基に投資家は投資の決断を行うのだから」と述べた。

さらにこの半年間GTI社は投資家への情報提供を怠らなかったとしながらも、同社の現在の業績や投資プロジェクトに対しては、今後さらに留意する必要があるとした。

 



無料レポート提供中!
~~ ミラン・コンサルタント ~~
ベトナムでのアパレル生産は
中国での生産とどこが違うのか?



カンボジア ジャンル:
最終更新:2014年11月19日

このページのトップへ戻る