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カンボジア衣料産業、第3四半期の輸出額4%減

カンボジア衣料産業では第3四半期の総輸出額が対前年比で減少し、この「低迷」を、最低賃金をめぐる労使間の緊張によって引き起こされたものとしている。

商務省の最新データによれば、第3四半期の総輸出額は、前年同期の16億ドル8000万ドルを4%下回る、16億ドル1000万ドルだった。

一方、1~9月期の総輸出額をみると、今年前半の輸出増が追い風となり、前年同期比6%増の42億ドルとなった。

カンボジア衣料製造業協会(GMAC)のCheath Khemara上級責任者は22日、最近の輸出不振について言及し、その原因を1~6月期における受注減のためとした。そして「長引く抗議活動やストライキの影響で、海外バイヤーの信頼は失われた。彼らはもはやカンボジアでの生産に積極的ではない」と述べた。

最低賃金を160ドルにまで引き上げるよう要求する、縫製労働者らの抗議活動は全国規模で広がり、今年1月5日には、抗議活動に参加していたデモ隊のうち5人が治安部隊の発砲により死亡するという事件も起きた。

Khemara氏は「あの騒動以来、海外バイヤーからの受注は減少している」と話す。そして「リスクを避け、事態が好転するのを待っているのだろう」と付け加えた。

スウェーデンの衣料小売大手H&Mで広報を担当するThérèse Sundberg氏は22日、同社によるカンボジアへの発注量は、1月のデモ騒動以降も特に変更されていないと語った。Sundberg氏のEメールによれば、H&Mは「カンボジアとの関係を長期的なものと考えているため、発注量を減らすことはない」という。

一方、スポーツ用品大手のアディダスもまたカンボジアを海外委託先としているが、発注量に関する質問については、直接的な回答を避けた。アディダスで長年広報部長を務めるSilvia Raccagni氏の話では、1月のデモ騒動以来、同社は政府と協議を続けており、労働争議に平和的解決を見出す努力をしているという。また最低賃金の引き上げ方針が近々発表されることを踏まえ、労使会議においては、十分に調査を行った上で、根拠ある解決法を掲示するよう求めていると話した。Raccagni氏はEメールによる回答で、「海外委託先については、弊社の職場基準を満たしていることを絶対的な条件としている」と述べ、「すなわち、所定の最低賃金、もしくは当該の産業において適切とされる賃金(その賃金が所定の最低賃金よりも高い場合)が支払われなければならない」と補足した。

最低賃金の引き上げ方針の発表は11月の見通しだが、工場側は、カンボジアの衣料産業の現状では、月110ドル以上の給与は支払えないとしている。しかし労働組合側は、月177ドルへの引き上げを要求している。

米衣料小売大手のLevi Strauss社、および米小売大手のTargetも、1月のデモ騒動を受けて発注量を減らしたことが、6月の取材で分かっている。

カンボジア全国独立繊維労働組合連盟(NIFTUC)で会長代理を務めるKen Chhenglang氏は、海外バイヤーによる発注量の減少は産業の混乱に原因があるとし、「バイヤーらが最も懸念しているのは、発注した製品が製造されず、期日通りに納品されないことだ」と述べた。

Chhenglang氏は、給与額を適切にし、労働者の生活を適正に維持できれば、生産性も向上し、産業の安定化にもつながるだろうとの見解を示した上で、「賃金問題が解決されて、全当事者がその決定事項に納得すれば、発注量も回復するのでは」と続けた。

一方、第3四半期の「低迷」にも関わらず、カンボジア経済協会のスポークスマン、Chan Sophal氏は、同産業の将来には今なお希望があるとの見方を示している。「デモによる混乱の渦中にありながら、カンボジアの衣料産業は、今年成長を続け、来年以降も成長を続ける見込みがある。今期の輸出減など、大した問題ではない」と語った。

 



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最終更新:2014年10月27日

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