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カンボジア:縫製工場ビル崩壊、8名軽傷

カンボジア南部タケオ州の縫製工場で21日朝、床が崩落し、少なくとも8人の従業員が軽いけがを負った。これにより、衣料産業の建築基準法に対して、管理監督責任が改めて問われることとなった。

崩落事故が起きたのは、中国企業Nishiku Enterprise社の工場。労働基準監督官の話によると、同工場はスウェーデンの衣料大手H&Mの委託工場として衣料を生産していた。

ミシンや天井から落ちてきたがれきが、縦50メートル、横3メートルほどのスラブ上に広がっており、そのスラブは工場下の水たまりへと落下していた。

労働省保健局のPok Vantha副局長は同日午後、事故現場を訪問し、事故の原因を「基礎部分の強度が十分でなかったため」と述べた。同省は今後、事故原因の調査を行い、ビル建設に際して、同社が適切な設計プランに従っていたのか判断する。

工場経営者によれば、事故当時工場では、全従業員1650人のうち約800人が働いていたという。

タケオ州内国安全局のChhun Sareth局長もまた、今回の事故の原因は基礎の問題だとの報告を受けており、ビルが建てられている土地は、大量の雨が降ると浸水する可能性のある場所だったと説明した。その後「今朝、大量に雨が降ったことで、ビルが崩壊したものと考えられます。地盤がゆるんでいたのでしょう」と続けた。

事故で負傷したLong Chanrongさん(24)は、Bati地区郊外の病院に運び込まれ、ベッドに横たわって点滴を受けていた。Chanrongさんは「作業をしていると崩れるような音が聞こえ、下に落ちました」と言い、「2メートルくらい落ちて、そのまま気を失いました」と話した。

現在妊娠中のDon Pharyさん(24)は腹部の痛みを訴え、病院に運び込まれた。痛みの原因は、崩落後パニックになり、出口へと殺到した何百人もの従業員と衝突したためだった。

Pharyさんは「事故当時、私は崩壊の現場から離れた場所で仕事をしていました。でも妊娠しているので、逃げまどう人たちとぶつかったときに、お腹が痛くなってしまったのです」と話し、「われわれはかねてから、ビルの強度について、いつか事故が起きるのではないかと心配していました」と付け加えた。さらに「これまで、床が動いていることがたびたびあり、いつも不思議に思っていたんです」と続けた。

昨年5月にはコンポンスプー州のWing Star靴工場で崩落事故が発生し、2人が死亡、7人が重傷を負った。

Vantha副局長は、今回の事故、Wing Star靴工場の事故、そして昨年バングラデシュのサバールで起きた縫製工場ビルの崩壊事故など、死者合計1100名を超える同種の事故が、近年立て続けに起きていることに言及した。そして「Wing Star靴工場の事故原因も、今回の事故と似たようなものでした。建築規定に従わず、基礎の強度も不十分だったのです。バングラデシュで起きた事故も、同じような原因だったのでしょう」と述べた。

国際労働機関(ILO)は現在「カンボジア工場改善プログラム」を推進しており、カンボジアの衣料産業で働く労働者において、健康面と安全面の管理を行っている。同プログラムで技術顧問長を務めるJill Tucker氏は、今回の事故を「責任の連鎖」が欠如していたとし、「従業員を守るには、まず建物の建築規定に従う必要があります。次に、政府はこうした規定をしっかりと施行しなければなりません。そしてわれわれ労働環境の問題に携わる者はみな、建物の安全面について、これまで以上に管理していく必要があります」と述べた。

Nishiku Enterprise社人事部のChan Molika部長は、工場建物は築3年だったとし、「最近、安全点検が行われたのはいつだったのか」という質問に対しては、コメントを差し控えた。

Molika部長によれば、事故後、マネージャーはすぐに従業員の数を確かめ、行方不明者がいないことを確認したという。またけが人は出たが、いずれも軽傷であると強調した。その後、「全従業員約1600人のうち、事故当時、働いていたのは800人でした。重傷を負った者は1人もいません」と報告した。

 



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最終更新:2014年10月24日

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