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カンボジア:50億ドルの繊維産業の賃金闘争、解決へ向かう(前)

8月中旬、米国の弁護士のチームである未公開株式投資会社カーライル•グループは、カンボジアの首都で韓国の衣料品メーカーの工場運営について調べるため、プノンペンに到着した。Yakjinホールディングスは、今年初めに国を揺るがした労働争議の中心会社だった。そのストライキでは軍の弾圧で5人が死亡し、38人が負傷した、1人は依然として行方不明である。

カーライルの重要投資家―カリフォルニア州職員退職年金基金(CALPERS)はそれ以来、労働紛争と軍事力の使用に関する問題を提起している。カーライルは年金基金を得て、事後大体8ヶ月後に、正確に何が起こったのかを調べるためにチームを送り込んだ。(同社は調査結果についての電子メールの問い合わせに応答しなかった。)

1月2日、Chhim Thoeun氏はプノンペンの数千人の縫製労働者と共にストライキに出た。デモ隊は行進しながら、最低賃金引上げの支援を求め叫んだ。賃金引上げがあって、残業すれば、やっと繊維産業で暮らしていけると。

Chhim氏(27歳)はYakjin社の従業員だった。カーライル•グループはファンドの1つを通じ同社の70%の株を手に入れていた。Chhim氏はYakjin工場の外で行われた集会に参加し午前中を過ごした。彼はYakjin工場で一年間雇われていた。他の者は逮捕されたが、彼は野党の国会議員が工場にいることを聞き自分の部屋に戻っていた。 Chhim氏は5分間歩いて引き返したが、すぐに軍服を着た5人の男性と私服を着た2人の男性に囲まれた。彼らはChhim氏を地面に叩きつけ、警棒で殴り、重い軍靴で蹴った、とChhim氏は語る。

「私は自分の手で自分の頭を覆っていました。」と彼は振り返る。ひどく叩かれ続け、終わるまで数分間かかったと彼には思えた。「私の手は打撲し、皮膚や関節は引き裂かれ血だらけになりました。」

ニュース報道や活動家らによると、その日とあくる日、軍はそこでの抗議を鎮圧し、市内の別の場所―120近い工場があるCanadia工業団地で銃を発砲した。

政府が月額最低賃金を倍の160ドルにすることを拒否し、デモはクリスマスイブ―カーライルがYakjinの株式取得を発表した同じ日に始まった。Chhim氏は逮捕され5ヶ月間投獄された23人のうちの一人だった。

1500万人口の半分が25歳未満であるカンボジアは、アジアの最貧国の一つである。しかし、カンボジアは早くに世界貿易機関(WTO)の加盟資格を得ており、建設、農業、観光だけでなく繊維分野などで、2010年以来平均して7%近くの成長率を記録している。

縫製業従事者人口は40万人。昨年、繊維産業は国内総生産(GDP)のほぼ3分の1を占め、50億米ドルの商品輸出につながったと、英国に本拠を置くリスク分析会社Maplecroft社は述べている。韓国、大中華圏からの企業が工場の多くを所有している。数十万人を絶望的な貧困から救いだしているが、カンボジアの繊維産業はこの地域で最も賃金が低く(中国ははるかに高い)、労働条件は改善されない。

カンボジアでの法の前での平等の原則は特に疑わしく、昨年1月軍が縫製労働者の抗議に呼び出されたのも、韓国人雇用者の命によると言う者もいた。(詳細に対する質問にも、Yakjinの女性広報担当者は、先に述べた「Yakjinは直接的にも間接的にもこの悲劇に関与していません。私たちは韓国政府にもカンボジア政府にも介入するよう依頼しませんでした。」という言を繰り返すばかりだった。)

おそらくベトナム近隣諸国の外資系工場に対し最近起こった暴力事件を思い浮かべて、その行動を正当化する者もいた。「労働組合は罰を受けずに活動することが許されており、それが彼らを過激化させたのです。」カンボジア衣料品製造協会(GMAC)議長Ken Loo氏は述べている。「政府はデモが一週間以上続くことを許していました。それで、デモ参加者の活動がひどくなって、……もし政府が取り締まっていなければ、事態はもっと悪くなっていたでしょう。」

「政府の待機時間が長ければ長いほど、より大きな軍を使わなければなりません。」とLoo氏は言い、「一部の労働組合は私たちに、デモ参加者が銃を持っていないなら、警察は銃を使うべきではないと言ってきました。そんなことを言うなんて、頭がおかしいです。」と言い足した。

創立35周年になるYakjin社は、30%の株を持つ最高経営責任者(CEO)Yong-Ro Cho氏の父によって設立された。同社はギャップ(オールドネイビーやバナナ•リパブリックなどの姉妹メーカーを含む)、アメリカンイーグルアウトフィッターズ、ウォルマートやヴィクトリアズ•シークレットの商品を製造している。昨年9月の決算では、過去最高の3億6150万ドルの収益をあげ、1800万ドルの利益をもたらした。

Yakjin社は、カンボジアが懐疑論に直面しながらも世界貿易機関(WTO)に加盟した直後の2005年にプノンペンで最初の工場を設立した。WTO加盟の地位は、通常、確立された経済を反映して、外国資本の流入を助けるだが、「カンボジアでは、労働条件の大幅改善に失敗しました。」とMaplecroft社上級アジアアナリストRyan Aherin氏は述べる。「労働者は投資が入ってくる状況にますますうんざりしています。彼らはそれに匹敵するほどの利益を享受していません。」

 

(後編に続く)

 



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最終更新:2014年09月15日

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