インドシナニュース

投資環境についてジェトロ・カンボジア所長にインタビュー(後)

(前編より)

 

Chan氏:日本企業が今後、投機対象とする産業は何か?

道法氏:輸出面で言えば、アパレル、靴・履物、電力など労働集約型の産業が非常に魅力的です。と言うのも、中国やタイなど他の国々では、労働コストが急激に上昇しているからです。シンガポールとマレーシアがアジアの生産拠点になってから既に30~40年が経ちますが、現在これらの国の労働コストはカンボジアやラオス、ミャンマーと比較すると極めて高くなっています。

カンボジアへの投資を検討している企業は、現地の賃金額やその他諸経費についても情報を求めています。例えばカンボジアでは電力不足で停電が頻繁に起こる割には、他の国と比較して電気料金が高い。こうした理由で投資をあきらめる企業もいますし、労働コストの低さと電力にかかるコストとのバランスを考えて投資を決める企業もいます。政府が業務用電力の料金を引き下げ、かつ電力の供給量を上げるよう対策を打つことができれば、さらに多くのメーカーや加工会社がカンボジアへの進出を図るのではないでしょうか。すなわちカンボジアの電力問題が、せっかくの投資機会を逃してしまっているのです。

農産業もまた、投機対象の一つです。しかしこの分野でもカンボジアは今後、「投資を呼ぶための投資」をする必要があります。政府はまず農産加工場に設備投資を行うべきでしょう。

弊所では農産業への投資を支援する情報を提供してきましたが、ある時大きな問題が浮上しました。土地の購入ができるのはカンボジア国籍の企業だけで、外国人や外国籍の企業には購入できないということです。こうした理由から現在、日本企業による農産業への投資は少々困難な状況になっています。それでもなお一部の企業は、カンボジアでのプランテーションや農産品の加工に興味を示しています。

 

Chan氏:投資機会を増やすためにカンボジアがやるべきことは?

道法氏:カンボジア政府は、他国と比較して外国企業への規制が緩く制約もほとんど設けないなど、既に魅力的な投資環境を提供しています。外国企業にとって投資に踏み切りやすい国と言えるでしょう。

問題を挙げるとすれば、外国籍では土地を100%所有することができないという、土地所有権の問題です。その他、電力の問題、高い技術力を持つ労働者が少ないこと、識字率の低さなどが課題として挙げられます。特に識字率については、ベトナムやラオス、ミャンマーと比較すると顕著に差があるようです。

日本企業で働く者にとって基礎教育はほぼ絶対条件と言えます。それは他の企業でも同じでしょう。日系工場で働く場合、工場は工員にクメール語の読み書きを学ばせます。と言うのも、工場内での重要な指示はすべてクメール語で書かれているからです。実際のところ指示を読むことのできない工員もいますので、工場側は教育支援を続けなければなりません。政府が基礎教育を徹底させることができれば、日本企業がこうした支援を行う必要もなくなるというわけです。

 

道法氏によれば、在カンボジア日本大使館とカンボジア日本人商工会は年2回、「Public and Private Sector Meeting(民間部門と公的機関の会議)」と称する会議を開くという。同会議は既に10回目を迎えているが、議題は毎回同じで、電力コストの問題、貿易関連手続きの問題、労働者のデモ活動、その他労働問題などである。こうした問題はその後、カンボジア政府に提起される。道法氏は「政府は問題を十分把握している。だが対応するにも国家の予算に限りがあるのだろう」と話す。実際、インフラの構築や基礎教育の徹底など、すべての課題に一斉に取り組むのはほぼ不可能だ。政府は優先順位を決めて対応する必要があるが、その選択もまた容易ではない。

 



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最終更新:2014年09月06日

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