インドシナニュース

英労組、カンボジアの労働環境改善に乗り出す

英労働組合らが連携して、政府に対し、カンボジアを生産拠点とする英国の衣料品メーカーらが工場労働者の権利を保証しているかどうかを確認するよう強く要請している。また欧州連合(EU)に対しても、カンボジア政府と協議した上で、工場の労働環境を改善する協定をまとめるよう要求している。

先日公表された公式文書において、英労働組合会議は、ビジネス大臣Vince Cable氏に対して、カンボジアを生産拠点とする英国の衣料品メーカーらと会談を行う際に、カンボジアで起きている深刻な「結社の自由の侵害」についても話し合うよう求めた。

英労働組合会議とは、同国唯一のナショナル・センターで、600万人の組織労働者を代表する54の労組が加盟している。

EUは昨年、労働環境の改善を目指す協定「Sustainability Compact」をバングラデシュと締結したが、同組合会議は、Cable氏に対して、同協定をカンボジアにも適用するようEUに呼びかけて欲しいとしている。

EU市場への輸出は非関税のため、カンボジアでは今年上半期(1~6月)、アパレル製品の対EU輸出額が前年比32%増の11億4000万米ドルと、大幅な伸びを示した。

労組らによれば、貿易特恵を継続させる条件として、EUはこれまで、重要な条項を規定して特権を義務付け、法的かつ実質的に基本的労働権の行使を保証してきた。「にも関わらず、結社の自由を一向に保障しようとしないカンボジアの姿勢に対して、国際労働機関(ILO)もここ数年、同国を非難している」と話す。また「労働基準の改善や、所得格差の問題に取り組む手段として、貿易特恵で規定された条件を行使すれば、EUも『Sustainability Compact』の締結について考えざるを得なくなるだろう」と続け、同種の協定をカンボジアで施行するために、他の労組連盟などによる申し出を受け入れるべきだとした。

公式文書によれば、英労働組合会議では、こうした申し出を支持するとしている。そうすることにより、カンボジアの悲惨な現状を救うことになるからだ。

バングラデシュの「Sustainability Compact」とは、同国政府、EU、およびILOの間で2013年半ばに締結されたもの。1000人もの被害者を出したラナ・プラザ・アパレル工場の崩壊事故がきっかけとなった。同協定では、バングラデシュ政府に対して、期限付きで、労働法の変更などを含む一連の改革を行うよう義務付けた。要求された変更点には、結社の自由の権利を強化することや、建物の安全性を改善すること、工場の監視を行う検査官を以前より多く雇用することなどが挙げられた。

英ビジネス省報道官によれば、公式文書において提起された問題は、国際開発省の担当案件であるため、文書は転送するとしている。

ILO国別担当局長Maurizio Bussi氏は、バングラデシュが協定を締結することになった経緯とカンボジアの状況は、全く異なるものだと話す。同氏は「協定について、カンボジアと話したことは1度もない。協定に至るまでの背景が、バングラデシュとは根本的に違うからだ」と述べ、本件に関するコメントを差し控えた。

カンボジア現地NGOの地域法務教育センターで労働プログラムを指導するMoeun Tola氏は、協定が締結されれば、いくつかの問題に対して、重点的な取り組みが行われるだろうとの見方を示している。また「バングラデシュで締結された協定は、カンボジアの体制作りにとって優れた手本になるだろう」とし、「カンボジアは、建物の安全面では、バングラデシュほどの心配はない。だが失神者が続出している問題や、治安部隊による労働者への厳しい制圧、短期契約の行使など、解決すべき課題はまだまだある」と続けた。

 



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最終更新:2014年08月23日

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